高山真のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
男性同士の恋を、家族を、そして愛についてこれだけ
深く伝えてくれる小説は他にないと思います。
久しぶりに読み終わったあと「あ、もう終わりか…」と余韻とともに寂しさのようなものを感じることができました。
これを読んだからといって同性愛者の方の気持ちや、
これまでの境遇なんかが分かる訳でもない。
その人たちをとりまく家族や友人の気持ちがわかる訳でもない。
ただこれまで知らなかった形の愛があるということを知ることはできます。
知識や経験もそうだけど、すぐに役立つとは限らないしすぐに血肉になるとも限らない。でも、生きていればどこかでその「知ったこと」は活きてきます。
「理解」とはそういう知と体験の積み重ねの中で体得
できる刹那的なものなのかなと、改めて感じました。
教科書にして全国民に読んで欲しい1冊。ぜひ!
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Posted by ブクログ
「あなたのためを思って」というのは間違い。実は自分が安心したいから、自分がそうしたいからというエゴなのだ、ということは前から百も承知であった。しかしこの本を読んで、相手に何かを与えるのと同時に、相手から何がしかを奪ってしまうこともあるのだと初めて知った。奪ったものとは?それはこの物語の場合「プライド」だったのかと思う。浩輔が与えれば与えるほど、龍太たちはお礼を言いながらも苦しそう。浩輔は善意でやっているので余計タチが悪い。浩輔がそれに対し、龍太たちへ「見返り」を求めていなかったことはまだマシだった。
どこかに書いてあったと思うけど、愛は時として「毒」にもなってしまう。自分自身、最も大切な人たちに惜しみなく「愛」を与え続けたいと思い、それが生き甲斐でもある。しかし、自分がその「愛」とやらを与える時、それは相手からたとえば「プライド」とか「自信」「自立心」「思考力」のような大切で失ってはいけないものを奪うことのないように、一旦考えてみようと思った。
また、本書にもあるとおり、今や「同性愛か異性愛かは、服の好みほどの差」であると思っているが、まだ田舎の方は?偏見が根強いのだろうか?だとしたら、田舎に限らずどんな場面でも、性的マイノリティの方々が堂々と、いろんな選択肢を獲得し、自由に生きていける世の中になるよう、全ての人々から偏見がなくなるように願う。
「自分たちとは違うなにか」を警戒するのは生物の本能と言ってしまえばそれまでだが、人間はせっかく「知性」を獲得したのだもの。やってやれないはずはない。 -
購入済み
10年ぶり
数十年ぶりに本を読みました。読みたいものがなかったから読んでいなかったが正しいですが、この本は読んでみたいと思いました。知ったのは映画化されたことをきっかけですが
気づいたときには公開してから1ヶ月経った後で、上映されている映画館を調べることすら億劫に感じ原作であるこの本を読みました。
僕自身セクシャルについて悩んでおりまだ見つけれていません。
歳も今27歳で、若い時には同じく売り専をしたこともあります。
お金が欲しいとか、SEXが好きとかではなく
自傷行為に近いものだったと思います。
ただ現実問題借金などの返済のために
寝る間も惜しんで働いていました。
その時は死にたいとか、楽になりたいとか考える余裕もなくて、ただがむしゃらに過ごしていました。
そんな生活も長くは続かず、体調を崩したあとは手に職をつけてすこしづつ返済していきました。
昨今問題になるLGBTQやセクシャルについて
僕はカミングアウトをしていないですが
している人たちは暮らしやすそうな
どこか不安そうな感じがしています。
ただ、僕は社会に紛れ擬態して生きている
苦しい、辛い時もありますが
住みやすい改革などと声を大にしては言わない
そっと
そっとしておいて欲しいです。
中にはそう言う人もいるよってことを
全員が全員そうじゃないよって。
生きてるし
幸せがある。
その小さなもので人は満足できる。
本を通していろんな人に
知ってもらえるのはとてもいいと思いました。
自分と重ねてしまうところもあったり
ページ数も読みやすく
一日半で読み終わりました。
もし悩みを抱えている人がいればこの本を読んでみて
もしかしたら解決するかもしれないししないかもしれない。
でも、一つの案として方法として形として
そう言うものがあるってわかるだけでも違うと僕は思います。
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ネタバレ 購入済み
おもしろかった
正直もっとどくどくとした作品なのではないかと思っていたがすごく美しい作品だった。わたしは男が好きか女が好きかよりも人間的な魅力がある人なら愛してしまうのはしょうがない。逆にそちらの方が人間の本能なのではないかと思っているので、この作品は多くの人に読んでもらいたいなと思う。
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ネタバレ 購入済み
映画でも涙が止まらなかった
浩輔が龍太を「買う」ところまで、想像はついていた。
しかし物語は、浩輔と龍太、龍太の母、三人の物語になっていく。
映画化により、セクシャリティを表現することへの注目が集まる本作だが、本質はそこではないと思う。
現に、浩輔も龍太も自分のセクシャリティに強く悩むシーンは少ない。そう見せているだけかもしれないが、「そう思う」のも違う気がする。
浩輔に関して言えば、子どもの頃に偏見を受け、生きることを手放そうとした時期がある。
そこから、彼がブランドファッションやステイタスで心身を固めるに至るまでは、社会のありかたが問われるだろう。
しかし浩輔の苦悩は、セクシャリティに限らず、他人が形成した「こうあるべき」のフレームに当てはまることができない人たち、共有のものである。
そして、この他人が作った苦悩を和らげていくのも、ちがう他人との関わりなのだ。ここに、ひとはひとりでは生きていけないという真実と、ジレンマを感じる。
いっぽうで、仮に母と二人の息子の関係が、
母と娘二人、父と娘二人だったら、今回と同じ感想を持ったかはわからない。
それは、私自身にバイアスがあるためであり、
つまりはセクシャリティや立場に「こうあるべき」の
価値観があるからなのだろうな、と思う。 -
ネタバレ 購入済み
良い作品に出会えて良かった
「龍太が亡くなり浩輔が沢山泣く」この場面で号泣してしまいました。特に龍太のお母さんが龍太と浩輔の関係に気づいていたと明かしている辺り、、、涙が止まりませんでした。
最後の終わり方、先が気になりました。
P.S.みんなが、家族が、出会えていますように。
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Posted by ブクログ
ネタバレフィギュアスケートファンの中で、雑誌などではなく新書なのに、めちゃくちゃ評判が高いのをしりつつ読んでいなかった一冊。
素晴らしかった。
この方ほど、こんなにも、精緻に大胆に愛を込めてフィギュアスケートを日本語にしてくださる人はいないだろうと思った。
お亡くなりになっていたのも知っているだけに残念な気持ちが強い。もっと、鋭く語り続けて欲しかった。
スケーティングを解剖している。
文章から、ステップの足捌きが見える。ページの余白に羽生選手が踊っている。
不思議な感慨だった。
それこそ、羽生選手のステップの組み合わせは目にも止まらぬほどなのに、この方は、どんな風に滑っているのか知りたくて、
夜中に、コマ送りを何度も繰り返していたのかなとか、身体の使い方をこうかな?と試してみたりしたのかなと、
そんなところまで想像してしまった。 -
Posted by ブクログ
高山さん、ありがとうございました。
最後のエッセイを引用します。
特設エッセイ 羽生結弦は捧げていく 第24回
高山真さんからのご挨拶 2020.10.5
拙著「羽生結弦は助走をしない」を発表してから、自分では予想もしなかった数の読者の皆様にお読み頂き、物書きとしてこれ以上ない幸せを味わわせて頂きました。
2015年に肝臓にがんが見つかり、2018年に大きな手術をして、2020年の春には、こちらの想定を越えるスピードで骨や肺、リンパに転移していました。
自分なりに戦ってきたつもりですが、そろそろ幕を引くタイミングかな、と。
今までお読み頂き本当にありがとうございました。
思えば「高山真」のキャリアは「読んだ前と後とでは、読者の皆さんの目に映る景色、世界が少しだけ、それもポジティブな方向に変わっている、、、。そんなものを書きたい」という思いから始まりました。恋愛でも、ファッションでも、フィギュアスケートでも、書くときの動機は同じでした。もし、その「思い」が少しでも実現化していたら、これほど幸せなことはありません。
フィギュアスケートは選手それぞれが胸に抱く「美」を氷の上で現実のものとすべく格闘する、そんな孤独で激しいスポーツだと思います。選手一人一人が、孤独に耐えながら、それぞれの「美」を作ろうとしているのなら、それを見て書く仕事をしている私は、何をすべきだろうか。それぞれの選手のオリジナルな美、オリジナルな努力を、可能な限りフラットな視線、えこひいきのない視線で見て、それを文章にすること、、、と、自分なりに最大限の努力をしてきたつもりです。
ここからは、すでに召されたレジェンドスケーターの演技を会場で眺め、こちらの世界の競技会を遠くからのぞく日々になるかもしれません。
羽生結弦をはじめとするすべてのスケーター、スポーツという枠の中で、自分の美を貫こうとする全てのスケーター。そして、そんなスケーターたちを一心に応援する、美しき観戦者、ファンの皆様。全ての人が、コロナが完全に収束した世界で、自らの美と自らの幸福を追い求められる、、、。そんな人生が全ての人に降り注ぐことを、陰ながら、しかし一心に願っています。
数々のご厚情、厚く御礼申し上げます。
高山 真
高山さん、届きましたよ、あなたの想い。
私は、あなたの、全ての人へのリスペクトの精神、優しい眼差し、知的で上品で美しい言葉の数々が大好きです。あなたのように感じ、生きてゆきたいと思っています。ご自身の病をおして、素晴らしい作品を遺してくださり、本当にありがとうございました。 ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
追伸。
2022年2月10日
羽生結弦は北京にいます。
ショートでのアクシデントののち、今日、フリーにのぞみます。3回目のオリンピックです。
みていらっしゃいますか?貴方ならきっと温かな力強い声援をおくられたことでしょう。
見守って下さい。
その後。
高山さん、羽生結弦さん、世界初、4回転アクセル、公式に認定されました!そして、日本男子は銀、銅メダル獲得でしたよ!今日、2022年2月10日、歴史的瞬間を見ることができて、最高に幸せです。見守ってくださったかなあ。
ありがとうございました。
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Posted by ブクログ
映画化もされた「エゴイスト」の著者によるエッセイ集。「エゴイスト」が自伝小説と言われるだけあり、本書にも「エゴイスト」の内容を彷彿とさせる恋愛エッセイが含まれ「おー」っと興奮した。
本書で最も印象的であったのは、「マウンティング」という言葉が広まっていなかったと思われる2000年代に、優越感(マウンティング)についての著者の考察。鋭く本質的で感銘を受けた。
そもそも、なぜ「マウンティング」をしてしまうのか。人生で選択した「人としての幸福」を手に入れても心から満足できず、自分の足元を固めようとする余りに、他人の人生の選択を下に置く、というモラルを無くした行為をしてしまう。そこには「人としての幸福」の定義自体が脆弱なものであることが原因であるかもしれない、としていた。
「マウンティング」をする側を単に批判して終わることのない、本質的で優しい着地点に、目から鱗であった。