ちくわぶさんのレビュー一覧
レビュアー
-
ネタバレ 購入済み
映画でも涙が止まらなかった
浩輔が龍太を「買う」ところまで、想像はついていた。
しかし物語は、浩輔と龍太、龍太の母、三人の物語になっていく。
映画化により、セクシャリティを表現することへの注目が集まる本作だが、本質はそこではないと思う。
現に、浩輔も龍太も自分のセクシャリティに強く悩むシーンは少ない。そう見せているだけかもしれないが、「そう思う」のも違う気がする。
浩輔に関して言えば、子どもの頃に偏見を受け、生きることを手放そうとした時期がある。
そこから、彼がブランドファッションやステイタスで心身を固めるに至るまでは、社会のありかたが問われるだろう。
しかし浩輔の苦悩は、セクシャリティに限らず、他人が形成した「こうあるべき」のフレームに当てはまることができない人たち、共有のものである。
そして、この他人が作った苦悩を和らげていくのも、ちがう他人との関わりなのだ。ここに、ひとはひとりでは生きていけないという真実と、ジレンマを感じる。
いっぽうで、仮に母と二人の息子の関係が、
母と娘二人、父と娘二人だったら、今回と同じ感想を持ったかはわからない。
それは、私自身にバイアスがあるためであり、
つまりはセクシャリティや立場に「こうあるべき」の
価値観があるからなのだろうな、と思う。 -
ネタバレ 購入済み
しっとり大人の関係とプライド
3冊あるポルノグラファーシリーズの中で、本作が一番好き。木島さんと城戸さんの過去が描かれます。
個人的に元カレ設定が好きなので、本当に良い作品。
今では恋人がいる木島さんと、妻子を持つ城戸さん。
未だくすぶってる熱があるにも関わらず、それをそのままに関係が続いているのは、BLならではだと感じました。(これが男女だったらおそらく無理では…?)
久住くんの性格があるからこそ、3人のバランスが保たれてるんだなとあらためて噛みしめました。
また、木島さんのポルノ創作の師匠の存在もいい。
(なので、正直いうとなんでプレイバックであそこまで木島さんは拗らせちゃうのか…?の疑問は残りました)
読んでよかった〜!