山井教雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
早速だが、前作レビューのラストで抱いたモヤモヤが明らかになった。
「リアル・ポリティックス(現実的政治)」。利害優先の政治であり、噛み砕けばエゴということになる。
リビアで自国の旅客機が爆破されたにも拘らず、相手が賠償金と石油採掘権を差し出すや易々と乗ったアメリカ。ユダヤ人団体の圧力に屈して、パレスチナの独立を承認しなかったオバマ政権。対してシリアでは、政府による反政府運動へのジェノサイドが起こっても、石油が出ないからとアメリカばかりか国際社会まで救済を拒んだ。
「ユダヤ人は2000年もの間民族差別を受けたけど暴力で反撃しなかった。神がユダヤ人に与えた試練だと思って耐えてきたんだ。でもホロコーストでは世界から見殺しにされた。だからイスラエルを建国した時ユダヤ人は誓ったんだ。『これからは暴力に対しては暴力で反撃しよう』って」
前作『まんが パレスチナ問題』のエピローグで、ユダヤ人のニッシム少年はそう言っていた。
前作から10年ぶりの再会を果たしたニッシム・パレスチナ人のアリ・エルサレムのねこだったが、情況は悪化の一途を辿る一方だ。エピローグのあの言葉を彷彿とさせるかのように、イスラエル軍によるガザ地区への空爆は続いている。
本書では主に、チュニジアを発端とした独裁政権への反政府運動(通称「アラブの春」)や「イスラム国」の誕生・暴走をピックアップ。2人の国(イスラエル・パレスチナ)は直接関わっていないものの、充分に影響されている。
前作よりも気が重くなり、憤りも強まった。前作よりも複雑になっていて、ますます暴力が世界を支配していた。暴力には暴力の厚塗り。「地上から人がいなくなるまで戦闘を続けるのか?」って何度思ったことか。
「国民ってのは、いつの時代でも、とても好戦的なもの。イスラエルでも戦争をすると政府の支持率が上がる。ハマスはイスラエルにとって格好の、必要不可欠の『敵』なんだ」
恐らくこれが世界的な真理なのだろう。あまり言いたくないが、日本人的には理解し難い。
では日本はどうなのか。(以下は、あくまで個人の意見になります)
本書でも言及されているように、日本が原爆投下への復讐心を止められているのは大したモンだけど、何でもアメリカの言いなりになるのは間違いではないだろうか。ハマスやイスラエル軍みたいに攻撃的でなくても、アメリカが我々に暴力の厚塗りをした結果(核兵器を二度も用いた罪)を立ち止まって思い出すくらい、強気に出ることも少しは必要なのではと。
「アメリカから、国際社会から嫌われたらおしまいだ」と八方美人しているから、映画『オッペンハイマー』の宣伝で見られたような原爆軽視の風潮が起こる。(正直まだ腹の虫がおさまっていない) 核廃絶がいつまで経っても進まない。
これが日本式「リアル・ポリティックス」であるならば、パレスチナ問題だって国際社会もろとも看過していた…なんてことになりかねない。好戦的はさることながら、こと勿れ主義も考えものである。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ・アメリカは軍需産業に経済を支えられている州が多く戦争しないと不景気になる構造
・冷戦が長く続き長期にわたり武器を持ち続けないといけなかったことが原因
・一国主義、大義がなくてもアメリカの敵の敵に武器や金を大量に流す→武器を得た勢力はその後大義ないアメリカのやり方に反発することになりアメリカにもらった武器でアメリカに対抗する→アメリカはテロと戦うと言ってさらに対抗する、、同じパターンを繰り返している。大統領の任期4年ごと、8年ごとでしか政策を考えられていないため
・基本的に戦争は侵略した側が勝つことはほとんどない。目的達成されることもほとんどない。反米感情等が一般市民に根付いたら一般市民がゲリラになる、そうすると泥沼化長期化避けられず難しい
・日本はアメリカの成功体験。戦争で勝ってアメリカ主導で国を再建→経済復興して立派なアメリカの子分に成長。同じパターンにしたいがうまくいかない
・ブッシュ無能、オバマは良心
・戦争で降伏させてもその後の復興は難しい。施設や農地が壊され地雷だらけの土地が残された中での復興は困難。不満がたまりまた争いになる。長期でみた教育をつづけるしかない。
・国民が戦争に賛成するようなメディア戦略(テレビ映像のヤラセ・演出など)がなされている。最先端の武器でも命中率意外と低い=一般市民への被害避けられない
★現代史に疎く難しい部分もあったが、アメリカがなぜ戦争し続けるのかの構造が特に興味深かった。ウクライナ情勢のこともあり防衛費増額もある程度はやむを得ないかとも考えていたが改めて戦争はよくないと考えられたので今のタイミングで読めて良かった。ロシアや中国に対する不安が大きくなり各国が保守に向かいつつあることが怖く感じる。
メモ
2000年前にパレスチナに住んでいたユダヤ人が迫害され離散(比較的自由なアメリカへ多く亡命、金融業等で地位高め民主にも共和にも政権へ大きな影響力をもつ、ユダヤロビー)、その後アラブ人が住むようになる。ユダヤ人は迫害されてきた歴史もあり(イエスを処刑したのはユダヤ人ということもありキリスト教側から迫害、特にドイツ)迫害されない自分たちの国を建国したいとして国連も承認、イスラエル建国(当時は国際的な被害者の立場)。しかしずっと住んできたアラブ人はそれに反発。アラブ人=イスラム教徒勢とユダヤ人(アメリカ支援)の構図。
またいつか迫害されるかわからない自分の国を守るそのためには大きな犠牲も厭わない(アメリカ供与の武器もたくさんある)イスラエルと自分たちの住んでいた地域を追われ自治区も実効支配されてしまって取り返したいパレスチナ。今はイスラエルの方が軍事力が圧倒的に上で自治区も勝手に支配するのでイスラエルは加害者側になってきてる(でもアメリカは擁護しつづけてるしものすごい金と兵器を供与しまくり)。
今はパレスチナは分裂していて一枚岩になれていない。ガザ地区を実効支配するハマス(パレスチナ解放派)とヨルダン川西岸を支配するファタハ(和平派)。
アメリカはユダヤロビーで民主も共和もイスラエル寄り。共和のほうが強硬派。特に福音派と呼ばれるキリスト教原理主義派はイエスキリストの再来までエルサレムを守りたい意志がつよい=イスラエル派。
エルサレムはキリスト教ユダヤ教イスラム教の聖地でありどの国にも属さないという国際ルールにしてたのにトランプがアメリカ大使館を置いたり。(=イスラエルのものとみなしてるということ)
イギリスの三枚舌外交で混乱強まった経緯 -
Posted by ブクログ
暴力には暴力でしか戦うことができないのだろう?
憎しみは憎しみでしか塗り替えることはできないのだろうか?
ガザ地区に留まるパレスチナ人たち。
イスラエルを建国したユダヤ人たち。
お互いの想いが交錯したくさんの人たちが亡くなった。
場所は変わりアフリカ。
報道規制があるなかで、インターネットの発達、Facebookへの投稿、
自由に発言できる力が、アラブの春を呼び起こす。
しかし自由は暴力でなぎ倒されてしまう。
今もなお続くイスラエル国の意味が少しわかった気がしました。
(以下抜粋)
○血縁を重視してモハメッドの従兄弟のアリがいいって言う「シーア派」と、
血縁に関係なく皆から優秀な人を選ぶほうがいいっていう「スンニー派」(P.58)
○「最後の審判」を信じる一神教、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、普通火葬は避けられる。
死体は土葬され、墓の下で最後の審判の日によみがえるのをじっと待っているニョだ。(P.67)
○だって、エジプトじゃ、100%民主的な方法―――デモで、
それも多くの若者が命をかけて非暴力で腐敗した独裁政権を倒した。
そしたら巨大な軍の暴力―――
クーデターでひっくり返されたんだぜ!
しかも、若者は機動隊を襲った罪で無期懲役だよ!
「イスラム国」は言うんだ。
「平和的なデモをいくらやっても意味はない。
こうなれば実力行為だ。暴力に訴えなければダメだ!」。(P.86) -
Posted by ブクログ
ネタバレ歴史が非常によくわかった。
日本にいると戦争のない平和な社会にどっぷりつかっているが世界を見ると結局世界は昔からなにも変わっていないなというか人間ってひとりひとりは違っても集団になったときにはなんでこうなるんだろうかと。
もはや生き残るためには善悪ではなくいかに情勢を読んで手を打つかだなぁと。
他にかけるすべてのことを世界の人口の増加問題や環境問題に注がないとほんとに先が見えていて。
キーワード、特記:
軍産複合体、パウエル・ドクトリン、社会主義政府の転覆、独裁政権の庇護、中南米諸国軍事介入
「軍隊を負かすことはできても、国民を負かすことはできない」(カール・クラウゼヴィッツ) -
Posted by ブクログ
ユダヤ教のエホバ、キリスト教、イスラム教のアラーはみんな同一の神なんだ!!!
って初めて知った!!!!
ブッダは違うよね?
いやーそうなんだ!
そして、今まで戦争やらなんやらで問題になっているパレスチナ人とか、ユダヤ人とかそういうのの問題をまんがでわかりやすく解説してくれて、完全にはわからないけども、、、
えぇ、それは、、、あんまりだ。
って思ったよね。
ユダヤの人々やパレスチナの人々、、、、ちょっと、、、あんまりにも虐げられすぎでは、、、、
そして、同じ神なのに、信仰の仕方を統一しようとして、他宗教を制限するキリスト教。
すでに、そのやり方が神への冒涜になるんじゃ。
と、思ったり、パレスチナ人が入ってこないように壁を作ったイスラエルのくだりは、進撃の巨人を彷彿とさせたよね、、、、
日本。
はたまたアジア。
こちらは仏様の宗教、こちらにもそう言った宗教問題があるんだろうか?
ビンラディンの名前が出てきたあたりで、だからこうなったのか!と思った。
このやりとり、どっかで終わらせないといけないんだろうけど、、、、腹の探り合い、嘘のつき合いで、ずーっときて今もまだ決着つかず。
これは、、、解決の糸口が見つからないのも、、、無理はないと思ってしまった、、、、、
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