山井教雄のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
前作「まんが パレスチナ問題」はユダヤ人とパレスチナを歴史的に振り返るのに役立ったので続編となる今作品も手に取ってみた。物語の設定は前作から10年後。農園の約束を交わしたニッシムとアリが出会うシーンに始まる。ニッシムはイスラエル人で兵役を終えた後。パレスチナに住むアリとは双方の言い分に乖離がある事に気づき始める…。
戦争は外交の延長戦と言われる。話し合いで決着のつかない問題は最終的に力対力の構図をとる。イスラエルとパレスチナも長年その様な歴史を繰り返してきた。イスラエル側も首相が変わる度に対パレスチナ政策は変わるものの程度の差こそあれ威圧的な態度は変わらない。いや変われないといった方が正しいか -
Posted by ブクログ
普段は漫画をほぼ読まないのだが(鬼滅の刃など話題になった物は読んだ)、漫画とパレスチナ問題という、一見相容れないタイトルに惹かれ読んでみた。漫画と言うが2人の主人公+猫の会話を中心に挿絵を織り交ぜながら、パレスチナ問題の根本原因となる二つの宗教の成り立ちに始まる。モーセの出エジプトを機に世界を彷徨い続け(ディアスポラ=離散)、時にナチスドイツのホロコートに代表される様な悲惨な目に遭うユダヤ人。彼等はどこの土地にいてもその他民族の嫉みや恨みの対象となり迫害され続ける。そんな彼等を救えるのは最早自分たち自身しかない。辿り着く先それはユダヤ回帰シオニズムによるパレスチナでの建国。一方パレスチナには元
-
Posted by ブクログ
19世紀末までは1/3、迫害され続けたユダヤ人はトルコ帝国で一応の居場所を得た、アラブ人の攻撃には無干渉。ナポレオン戦争以降の国家意識形成、トルコ帝国没落・崩壊でユダヤ人は本国を持ちたいという“シオニスト”運動を起こし(当時は領土概念が希薄)新たな迫害の口実となった…シオニズム運動へのロスチャイルド家の金銭的支援、イギリスの3枚舌外交(1915年のフセイン-マクマホン協定、16年のサイクス-ピコ協定、17年のバルフォア宣言)、1922年からのイギリスによる委任統治→ナチスによるユダヤ人迫害を国際社会は放置…「ユダヤ人はたび重なる差別やポグロム(無説明だがロシア語。大虐殺19~20C)に反撃し
-
Posted by ブクログ
前作(2004年末)末尾で語り手のPL人とユダヤ人とが“民族”の無意味を鳴らしたが、’03年イラク戦争、’06年末フセイン大統領処刑にともない旧政権バース党を公職追放したことで「かつて有能だった官吏」がシナイ半島、および移民にまぎれてEU全体に拡散し“聖戦”ジハードを唱える「イスラム国」の原資となった。イラクは少数のスンニー派(世俗主義)が多数派(厳格主義)シーア派を押さえていたが(対立するイランはシーア派政権)、「自由な選挙」で選ばれたマリキ首相は米占領軍撤退後、スンニー派副大統領に欠席裁判で死刑判決…
イスラエルは日本と並ぶ「アジアの(民度の高い)民主主義国」である。パレスチナが国際的に -
Posted by ブクログ
「まんが パレスチナ問題」の続編で、その後の10年間(2005~2015年)を描いたもの。
前著と同様、わかりやすい説明で、ニュースなどで断片的に知っていたいろいろな話がつながってくる。
タイトルは「パレスチナ問題」なのだが、内容的には、アラブの春とその後、そして、ISの話が中心。
パレスチナ問題が改善に向かったわけでもなく、こう着状態におち入り、状況が悪化しているなかで、中東問題は、 ISやシリアなどの問題にフォーカスが移っていることをあらためて実感する内容。
パレスチナ問題は、今や、そうした中東問題との関連においてしか語ることができないようだ。
一時は、希望に思えた「アラブの春」 -
Posted by ブクログ
相手を思いやることが一番大事なのかもしれない。
何が幸せかは人によって異なるだろうが、
健康で平和がある世界で、家族や友人と過ごし、
やりたいことや夢を見て生きていけるのがよい世界なのではないだろうか。
ただ人の欲は留まることを知らず、憎しみはすべてを破壊しようとする。
得た利益は手放したくはない、もっと欲しい。
そこから一歩離れて、
人ためにやれることがあれば、
世界は大きく変わっていけたのかもしれない。
暴力と憎しみが溢れた近代史を少し理解できたような気がしました。
(以下抜粋。○:完全抜粋、●:簡略抜粋)
○アメリカは「日本上陸作成を行えば、100万人以上が死んだだろう。
原 -
Posted by ブクログ
現代史について広く浅く学べるかと思い、手に取りました。この作者の本では、「まんが パレスチナ問題」が有名だったんですね。
まんがと言っても、コマ割りのあるストーリーまんがではなく、一コマ「漫画」です。
内容は、副題のとおり、「アメリカが戦争をやめない理由」が中心です。
私はあまり詳しいことはわかりませんが、偏りのある見方をされてる人なんですかね(^^;;
キャラに色々なことを話させているため、感情移入しやすい本でなのでちょっと注意が必要ですかねー。
これ一冊だけで物事を判断するには速すぎますが、とっかかりにはいい本だと思います。
アメリカがベトナム戦争で負けた理由のあたりはわかりやすく、