関眞興のレビュー一覧
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タイトル通り、歴史上で活躍し名を残した女性たちのエピソード集。
この本に登場する多くは、女王(女帝)や王妃等、優れた身分の女性たちだ。彼女らには、いずれも「政略結婚」という生まれながらにして決められた"運命"があった。家系や政情により、自国を離れ言葉も文化もまったく異なる国に嫁ぐことも珍しくはなかったようだ。
ただし現実は、「お姫様と王子様はいつまでも幸せに暮らしました」というハッピーエンドにはならない。夫との関係悪化、権力や後継者争い、その先にある我が子との対立、国民からの批判……。そうした逆境の中でも強い芯を持ち、しなやかに生きた女性達。その胆力や優れた采配により、大きく歴史が動いた事例も少なくない。同性ゆえに、そうした女性には憧憬の念を抱く。
神話の世界に登場する、少しマイナー(?)な人物から、「クレオパトラ」「ジャンヌ・ダルク」など、昨今様々なゲームやアニメでアイコン化され、再解釈されているビッグネームのエピソードまで。本著は幅広く収録しているように感じた。
コンパクトな文庫であること、また著者が予備校講師ということもあり、要点をまとめて文章化しているので、歴史書というよりも参考書感覚で読みやすい。世界史に今一度触れ直すきっかけとしては良い本であると思う。 -
Posted by ブクログ
本屋で見つけるとつい買ってしまう日経ビジネス人文庫の歴史シリーズです。今回は世界史におけるライバル関係がテーマです。ほとんどが隣国同士での領土争いで、その他、植民地の争いなど、様々な対立関係が紹介されています。おおよその関係は知っていることも多かったわけですが、長期にわたり対立している場合など、かなり細かい歴史が紹介されているため、かなりマニアックな印象です。本来なら、その時代の地図を参考にしながら読み進めると理解も深まるのでしょうが、それも難しいため、文字だけで理解しようとするとかなり難しい感じです。
今後、歴史を深堀したいときに読み返してみたいです。
<目次>
第1章 ドイツvsフランスーEU牽引役の対立の歴史
第2章 オーストリアvsドイツ、フランスーハプスブルク家が動かしたヨーロッパの歴史
第3章 スペインvs地中海世界ー「日の没することなき帝国」の盛衰
第4章 ロシアvs北欧諸国ーバルト海の覇権をめぐる争い
第5章 イングランドvsスコットランド、アイルランドー21世紀まで続く分離運動の背景
第6章 ユーゴスラヴィアの争いーかつてひとつだった6つの国
第7章 ポーランドvsドイツ、ロシアー世界地図から姿を消した悲劇の国家
第8章 ロシアvsウクライナークリミア半島併合の背景とは
第9章 コーカサスvsロシア、トルコーなぜチェチェン人が、アメリカでテロを起こしたのか
第10章 イスラエルvsアラブ諸国ー過激組織「IS」は、こうして生まれた
第11章 イランvsイラクー「不自然」な国境を持つ2つの国
第12章 アフリカの争いー複雑に絡み合う資源・宗教・民族
第13章 ロシアvsイギリス、アメリカ、そしてタリバンーアフガニスタンをめぐる「グレート・ゲーム」
第14章 ロシアvs中国ーヨーロッパとアジアの境界は、こうしてつくられた
第15章 中国vsインドvsパキスタンーヒマラヤ山脈周辺のイスラムとヒンドゥー
第16章 東南アジアの争いー大航海時代の植民地支配がっもたらしたもの
第17章 中国vs朝鮮vs日本ー「東アジア世界」の誕生と対立
第18章 ラテン・アメリカ諸国の争いーインディオ、白人、黒人が混ざり合う独特の世界
第19章 太平洋上の争いー列強が地球の裏側まで支配した、帝国主義時代
第20章 アメリカvs中米・カリブ海諸国ー大国アメリカを隣人に持つ苦悩 -
Posted by ブクログ
非常に簡略なトルコ(民族)の通史。
殆ど政治史に的を絞って、淡々と通史を記述している。
オスマントルコ及びトルコ共和国の歴史の一通りの流れ、というか重要な人物と政治制度くらいはある程度網羅されている。
元がそういうコンセプトなのであろうが、それ以上でもそれ以下でもない。
難点はいくつかあり、国際情勢への言及が少ないため近現代に近づくほどに「なぜ?」が分かりづらくなる。サファヴィー朝との関係なんて、ただ延々戦っていただけという風にしか読み取れないが、本当だろうか。
また、トルコという国を理解するために一歩踏み込んだ分析というものが乏しい。例えば、オスマントルコがあの時期にビザンツ帝国を飲み込み東欧諸国を脅かすほど強勢となった要因や、逆に17~18世紀以降すっかり停滞し欧州に逆転されていく要因とか、いつまで経っても近代化(欧州化?)が上手くいかない理由など、何が良くて何が駄目だったか(と思われるか?)の記述が非常に少ない。個人的にはこの辺の著者の一歩踏み込んだ見解が歴史関係の本の一番面白い部分だと思うので、残念な部分。
また、平易で簡略な文章を心掛けた結果、簡略化しすぎて意味がつかみづらい文章が散見されるのもつらいところ。
初学者向けにも拘わらず、初学者にとってほど、面白みが感じられないし分かりづらい本になってしまっている気がする。 -
Posted by ブクログ
アメリカの歴史を簡単に一冊にまとめたもの。同様の書として読んだ『一冊でわかるイギリス史』よりも、理解しやすかったように思える。
それは歴史の長短だけでなく、まだ宗教、民族、王族貴族などがイギリスより複雑に絡み合っておらず、反対意見は勿論あるものの、歴史の事件に対する大統領の対応などにまとめやすかった面があるからであろう。
果たしていつまでアメリカが経済的にNo. 1たり得るのかは疑問であるが、それでも世界に影響力は間違いなくあるものであるから、そういった面でももう少しアメリカを研究した方がいい。
特に最後の方で書かれていたが、「慣習にとらわれず、そのときそのときで正しいと思ったことを最後までやり遂げる。ダメならまた最初からやればいい、という思考で国が動きます。」ということに関して、幾分かは日本も見習う点があろう。 -
Posted by ブクログ
元予備校の先生が書いた、フランク王国が出来るところからメルケル首相が2013年に社会民主党と連立を組むまでのドイツの歴史。「『ドイツとは何だ』と初めて思った人に向けて、その歴史をわかりやすく紹介」(p.3)したもの。
本の装丁の感じや、イラストのタッチが柔らかく、入門者向けの歴史の本、という感じだが、本当に「ドイツとは何だ」と「初めて」思った程度の人がこの本を読んだら、思ったほどよく分からないんじゃないだろうか、とかやっぱりおれ世界史苦手だわ、と思ってしまう本だった。もうこれ以上は分かりやすくならないのだろうけど、なんか教科書を読んでるみたいに頭に入って来なくて、割と苦労する。世界史の勉強ってこんなものなのかな、と思った本。イラストはおれ好みだった。激しい歴史の場面なのに人物の目が点だったり、かわいいとまではいかないけど、ソフトなタッチ。p.51の「ボヘミア人の一派が、プラハ城にいたハプスブルク家の役人を窓から落とす事件」(pp.50-1)のイラストがあり、この窓のこの場所におれは行ったことがあるらしいが(と、一緒に行った人が後でこの本を読んで言ってた)、まったくおれはそれを覚えていないくらい、歴史が頭に入らないらしい。そんなおれでも、とりあえずドイツ史で重要な人物として、ビスマルクを解任したヴィルヘルム2世、という人物は印象的だった。領土拡大を目指したけど、イギリスに譲歩した?というあたり、よく分からないけど、とりあえず「20世紀のドイツが進む道を決めたのは、ヴィルヘルム2世」(p.114)というくらい重要な人物らしい。ビスマルクとヴィルヘルム2世、ということで、名前くらいは頭に入れたい。最後はオランダに亡命したらしい(p.132)。第一次世界大戦時の徳島県の「坂東俘虜収容所」の話は、なんとなく聞いたことがあったが、「今もドイツと徳島県の交流は続いています」(p.125)というくらいのものらしい。徳島に一度行ったことあるけど、ドイツを感じるようなスポットには行ったことがなかった。
第二次世界大戦時のナチスの本はいくつか読んだことがあるが、この本では本当にあっさりと書かれている。もしかするとあっさり過ぎることが頭に入ってこないし、教科書的な感じになってしまう原因なのか?とも思った。もちろん「1冊でわかる」という趣旨に沿うにはそうならざるを得ないということも分かるけど。
最後に旧東ドイツの話をあんまり知らなかったけど、「ソ連の属国のような東ドイツの政治体制を支えたのが、秘密警察組織のシュタージ」(pp.194-5)ということで、第二次大戦後にヨーロッパの中に、そこまでの体制があったのか、と思った。
あとは今のドイツについて知らなかったことと言えば、「かつては徴兵制を採用していましたが、2011年に中止」(pp.140-1)とか(そんな最近まで徴兵制だったの)、「アンゲラ・メルケルは、もとは旧東ドイツの物理学者」(p.211)(旧東ドイツの人なの?しかも物理学者!やっぱり理系の人は文系をカバーできるんだ)とか、断片的な情報として面白いと思ったところはあった。
もう少し別のドイツ史の本を読めば、この本で書かれている全体像が頭に入ってくるようになるのかもしれない。(21/06/13) -
Posted by ブクログ
キリスト教の誕生以前から現代(2018年頃)までの歴史を、キリスト教世界を中心に据えて追っている。
イエス・キリスト以降はその弟子達から、皇帝、教皇、政治家、思想家などなど様々な登場人物が出てくる。そして、キリスト教の歴史は権力闘争と覇権、戦争の歴史でもある。
考え方や利害関係の相違から発生する争いは、なにもキリスト教に限ったものではないだろう。宗教が争いを呼ぶのではなく、人間自身が争いが絶えない生き物であり、「宗教」という共通する(あるいは相反する)価値観の人達の集まりがそれに被さっているだけなのか。
本書を表面的に読めば、キリスト教が戦乱を起こし続けたようにも解釈しかねなくなるので、注意しつつそんなことを考えながら読んだ。 -
Posted by ブクログ
アメリカの歴史について、コロンブスの大陸発見からトランプまでを1冊にまとめた本。
この間人種問題からアメリカ史は学んでいたけど、通史として一度概要を押さえておこう、という思いから手にとった。
まず、「1冊でわかる」としてるだけに読みやすい。
3時間くらいでサラサラっと読めた。
歴史の教科書のアメリカについての記述をまとめて1冊にした本なので「そういえば高校の時にこんなの習ったな〜」と学生時代を思い出す。
一方で難点を挙げると、むしろ1冊にまとめているので表記が簡潔に過ぎる。
特に、何度も「〜ました。」という文末が繰り返し続くので、箇条書きの短文を読まされているようでなかなか頭に入ってこない。
「一国の歴史を210ページほどで分かりやすく述べよ」と言われるとこのような書き方になるのかもしれないが、「とりあえず大事な事件には触れておく」という書き方なので、「続きが気になる!」という没入感は得られず、ただ消化しているだけ、という物足りなさが募る。
物語や新たな通説の発見のような「スポットを当てる」タイプではなくて、ある意味でステレオタイプ的に理解するために「余計な情報を削ぎ落とす」書籍。
その意味では大まかな概要を抑えることには向いているが、これだけでアメリカをわかった気になるのは危うい。