【感想・ネタバレ】キリスト教からよむ世界史のレビュー

あらすじ

古代ローマ時代から現在まで、2000年におよぶ歴史をもつキリスト教。
地中海世界の「新興宗教」が、いかにして世界的な宗教になったのか?
なぜ各派にわかれたのか? 世界史にどのような影響を与えたのか?
予備校の元世界史講師が「カノッサ事件」や「宗教戦争」など30のトピックでわかりやすく解説します。

世界史の教科書では触れられない
人物や組織を深掘りしたエピソードも多数収録しています。

・ヴェネツィアの意向でキリスト教徒の街を攻撃、やがてコンスタンティノープルも滅ぼした第4回十字軍 (第11章 十字軍と東西の交流)
・ローマ教皇庁とアビニョン教皇庁が教皇選出をめぐり対立。ついには同時代に教皇が3人に (第13章 3人の教皇)
・軍人ロヨラは入院中に読んだ聖書がきっかけでザビエルらと出会い、イエズス会を結成 (第16章 祈祷から宣教へ)
・三十年戦争と島原の乱が残した共通点は「領主の宗教がその領地で行われる」 (第20章 武器を売り福音を伝える)
・コペルニクスは批判されず、ガリレオが異端審問にかけられたのは「運が悪かったから」 (第21章 せめぎあう科学と宗教)

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Posted by ブクログ

日経ビジネス人文庫の歴史シリーズで、今回はキリスト教の歴史から世界史全体を振り返る内容でした。
世界史を知るうえで、キリスト教の誕生、発展の歴史は避けることができません。本書はその歴史を幅広く知ることができます。内容は難しいものも多いのですが、実際の史実や事件などと関連させながら知ることができるため、とても参考になるものでした。

<目次>
第1章 キリスト教誕生前夜
第2章 イエスの死と復活
第3章 教えは異邦人へ
第4章 帝国の軍神
第5章 神なのか神の子なのか
第6章 立ち向かう教皇
第7章 帝国の分裂と教会の危機
第8章 教皇権と皇帝権
第9章 修道院と農業改革
第10章 カノッサ事件の勝者とは
第11章 十字軍と東西の交流
第12章 失われた過去の発見
第13章 3人の教皇
第14章 長靴を巡る戦争
第15章 パンとワインの否定から始まる
第16章 祈祷から宣教へ
第17章 新興国と新教徒
第18章 布教の新天地
第19章 宗教戦争
第20章 武器を売り福音を伝える
第21章 せめぎあう科学と宗教
第22章 自由の国を求めて
第23章 市民の戦い 英雄の戦い
第24章 教皇領が消えるとき
第25章 近代によみがえる叙任権闘争
第26章 世界大戦と教皇の苦悩
第27章 複雑化する中東
第28章 東の王が求めるものとは
第29章 東欧革命と空飛ぶ教皇
第30章 現代の教会

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2024年01月01日

Posted by ブクログ

キリスト教の誕生以前から現代(2018年頃)までの歴史を、キリスト教世界を中心に据えて追っている。

イエス・キリスト以降はその弟子達から、皇帝、教皇、政治家、思想家などなど様々な登場人物が出てくる。そして、キリスト教の歴史は権力闘争と覇権、戦争の歴史でもある。

考え方や利害関係の相違から発生する争いは、なにもキリスト教に限ったものではないだろう。宗教が争いを呼ぶのではなく、人間自身が争いが絶えない生き物であり、「宗教」という共通する(あるいは相反する)価値観の人達の集まりがそれに被さっているだけなのか。

本書を表面的に読めば、キリスト教が戦乱を起こし続けたようにも解釈しかねなくなるので、注意しつつそんなことを考えながら読んだ。

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2021年06月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

キリスト教と歴史の相互の影響を概観。もう少し掘り下げて欲しいと思う部分もあるが、ひととおりの知識を得るには十分。

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2019年03月02日

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