くじょうのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレこの人たちは腕一本でこの世界の、どこでも行けることができる。
亡き病床の絵師に対して茜ちゃんが評したこの表現が素敵で印象的だった。
今回はどの話も、そんな絵師たちに関わる話だった。
しかも、大体は青藍さん絡みの。
月白さん絡みの。
陽時さんが月白邸から巣立ってからの物語。
すみれちゃんも彼氏ができて、あとは茜ちゃんと青藍さんだけかと見守っていたら、まあ相変わらずゆったりじっくりなお二人で。
ただ無自覚人たらしというか絵師たらしな茜ちゃんが大学ではインフルエンサーを、そしてもう一人の絵師も何だかんだで懐柔してしまうというか、癒してしまうというか。
お陰で青藍さんが気が気ではなかったという。
ただ後者の人に関しては、保護者組の逆鱗にも触れたので……いやあ、怖かったね、陽時さん。
恋人に関してはデレデレしてたのに。
文化祭の茜ちゃんたちの作品が最後の話の伏線になっていたり、青藍さんが今度はかつての自分のような存在を導く存在になったりと、話の構成もキャラの成長も嬉しい話だった。
出てくる絵の表現も今回はより現物を想像しやすい表現で、美術館に行ったかのような満足感があった。
後は、茜ちゃんと青藍さんがもう少し踏み出してくれればなあと思うばかり。
だいぶ内心では吐露してるんですけどね、お互いに。
もどかしくも愛おしい二人である。
WEBで読める番外編は、作中でちらっと触れられていた学祭中の茜ちゃんと青藍さんのお話。
これもぜひ読んで欲しいです。
ある意味本編よりニヤニヤしてしまうかもしれません。
たまらない二人です。 -
Posted by ブクログ
フォローさせていただいている、フリージアさんの本棚でみかけて。
(フリージアさん、ありがとうございます)
読み始めは…。
『ミュゲ』って意味は?
表紙カバー、素敵✨でしたが、
読み終わった今は…
本がつくられる上で、作家・編集者・装丁家・イラストレーター、書店
さまざまな人たちの思いが感じられる素敵な作品でした
(書店で本を買うぞっ!と謎の熱量がワタシの中に(笑))
読書好きならば!
本好きならば!
読んでいただきたいなぁ〜。
ミュゲ書房の店主であり、編集者である主人公の章くんがちょっと頼りなくて(笑)
章くん、頑張って!!
と、なりましたが(笑)
あったかい気持ちにさせてくれますので、ご安心を
ミュゲ書房、行ってみたいなぁ〜♡ -
Posted by ブクログ
とても好きな本にまた出会えました。
亡くなった祖父の書店を継ぐことになった若手編集者(宮本章)を中心としたミュゲ書房のお話。良さそうだけど、割と地味な感じの話かなと思って読み始めました。が、思いのほかテンポが良く展開が早くて。先が気になりどんどん読み進めてしまいました。宮本が出版社にいた時につぶしてしまったと後悔している才能あふれる新人作家。その復活劇?リベンジ?にハラハラドキドキわくわくしました。
前半のミュゲ書房を軌道に乗せていくための日々…からの後半は一気に話が動きます。最後の最後まで目が離せない展開。かつての出版社に対する挑戦状、最後に打って出た賭け。どうなるのだろうと。
ミュゲ書房が素敵で、こんな本屋さんに行ってみたいし、働きたいと思いました。ここで働く人々、集う人々が魅力的。
一冊の本が世の中に出るまでの過程もよくわかります。紙の本が大好きなのでとても興味深い。
本の装丁にも注目しました。これまで私が出会った本で一番感動した装丁は本書でも言及のあった「はてしない物語」。ミュゲ書房で作られた「リベンジ」の美しい装丁を文章から想像するだけでもうっとりしました。そして本書の装丁もミュゲ書房のすべてが詰まっていてすごく素敵だなって思う…
心地よい読後感、ミュゲ書店の素敵な世界観も相まって、本好きの人には特におすすめの一冊です。良すぎて二度読みしました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ青藍さんや陽時さんほどではないにしろ、読者的にもすみれちゃんは可愛い妹なので、彼女の置かれた状況に猛烈な苛立ちともどかしさを覚えたという。
すみれちゃん、時に茜ちゃんより世の中の理不尽に揉まれている気がする。
ある程度解決したようだが、彼女を苦しめた奴たちには何かしらの罰が当たりますようにと願ってしまうのは罪だろうか。
それぞれのキャラがこれまでとは違う面を見せてくれた今作。
茜ちゃんの飲酒シーンや自覚なしのやきもち。
青藍さんの普段なら受けない依頼を受けたこと。
すみれちゃんは前述の件に絡んで、まさかの彼氏登場。
そして今回のメインイベントは陽時さん。
彼が月白邸から出ていく日が来ようとは。
めでたい日になる筈だったのに、その前に試練もあって、そこで彼女である朝日さんがぐいぐい引っ張ってくれて頼もしいこと頼もしいこと。
反対に陽時さんが弱気というかヘタレになっていて驚いた。
驚いたと言えば、陽時さんのラスボス?として立ちはだかったキャラのまさかのご趣味。
茜ちゃんに毒を吐いたキャラだったので好印象はほぼなかったのだが、ここで少し風向きが変わった。
叔父の件もそうだが、このシリーズ、憎まれキャラをそのままにさせてくれないので油断ならない。
かといって許せるか、好きになれるかはまた別問題ではあるが。
今回は……悩ましいジャッジになりそう。
それぞれが成長した姿を見せてくれていながら、変わらないのは青藍さんと茜ちゃんの鈍さ。
分かっているのは周りの人ばかり。
すみれちゃんすら察しているのに気付いていないのは本人たちばかりというこのもどかしさよ。
次の話があるなら、いよいよここの二人が動きそうな気がする。
勝手な予想ながら楽しみだ。
ウェブで見られる番外編SSつき。
番外編は作中でも言及があった陽時さんの月白さんとの思い出話。
今とはまた違った関係性の青藍さんとの話が読めて新鮮でした。
本編未収録なのが悔やまれる……必読です! -
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ好き。
本屋さんや出版のお仕事小説として読んでも面白いし、ミュゲ書房を取り巻く人たちとのふれあい交流物語として読んでも面白い。
一冊の本が出来るまでがこの本を通じて分かるのもよかった。
出てくる人たちもいい味だしてて、古巣の奴ら以外みんないい人ばかりだった。
主人公の章は人あたりいいしセンスもありそうなのに最初の就職先があれだったばっかりに業界にどっぷり毒されて傷も負った感じがした。
業界に悪い部分があってもきちんとした仕事してる企業はちゃんとあるだろうに分かりやすく悪い面出してくるもんな。
某悪い出版の言う売れる本を売るってなんだろうとは読者の立場からすると思うけども。
いや、あの、プロが面白いと思う本を売ってください読者に媚びないでください!って感じた。
筆力があればお決まりの流れでも面白いものができるのは確かだけどさ……。
大まかな流れは定番でもっていけてもキャラ設定、キャラ同士の関係性、風景描写、細部の描写、いくらでも持ち味が出せるし作者の個性出しどころだもんな。
なんだろう。本気で作ってればそれでいいのかも?
はいはいこういうの好きでしょーっていうのが透けた瞬間冷めそう。
めちゃくちゃ脱線したけど面白いのでおすすめ
-
Posted by ブクログ
ネタバレ新章開始ということながら、前回より一気に時間が流れていて驚きました。
すみれちゃん、中学生になってるし、何だったら彼氏できているし。
その事実を知ったときは、保護者2人じゃないけれども、複雑な表情を浮かべましたよ。
彼氏、いい子そうですけどね。
それに、陽時さんもついに彼女に告白、恋人同士に。
ダブルでめでたい!
確実に何かが変わり始めている、今までの4人ではいられない雰囲気が漂ってきました。
という訳で、残り2人、茜ちゃんと青藍さんがね、もう完全に両片思い状態に突入しました。
2人とも今の「家族」という状態を壊したくないから、互いに線引きをしてしまっているという状態。
この状態を打破するには、もしかしたら荒療治的な、力業が必要な気がします。
劇的な何かが。
それにはまず乗り越えなければならなかった話。
今回も色々印象的なエピソードが多かった中、一番はやはり青藍さんのお母さんの話でしょうか。
ここを掘り下げてくるとは。
母を示す「皐月」の毒々しい紅に対しての茜ちゃんの優しい赤色の対比が象徴的で美しかったです。
まずはこの母を乗り越えてから、その先へ。
どうなるのでしょうか、これから。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこのシリーズ、いつも1ページ目から「あ、もう好き……」ってなって語彙力失うんですけど、今回は特に語彙力吹っ飛びました。
家族写真の話も、一輪置かれる花の話も、そしてまさかの月白さんの過去の掘り下げ話も、どれも胸が苦しくて、それでいて最後にたまらなく温かくなる話で、どれも大好きで。
要は最高でした。
今回は特にすみれちゃんと、そして青藍さんが未来のために一歩前に踏み出したところが印象的でした。
姉離れ、そして月白さん離れの時期、巣立ちの時期。
その中心には勿論茜ちゃんがいて、陽時さんも支えてくれて。
変わらないことは安心かもしれないけど、停滞でもあって、その停滞から踏み出した二人に寂しさも覚えつつも祝福を贈りたくなりました。
……これ、最終巻じゃないよね?
そんな雰囲気の話だったので。
茜ちゃんも、ついに大学生。
進路は責任感の強い、そして何だかんだで面倒見のいい彼女に合ってると思いました。
ただ留学の件には驚いたけども。
寂しがるぞ、すみれちゃんも……青藍さんも。
茜ちゃんの件からしてもこれで終わるのかという雰囲気なんですけど、まだ青藍さんとの決着見たいので、何卒何卒続きをよろしくお願い致したく候。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ夏休みになり、進路を決め兼ねていた茜。妹と一緒に自立する為には就職なんだろうけれど、どこか踏ん切りがつかなかった。
そんな時、学園祭の仕事を通して学校生活を楽しむ、ただの高校生の茜の姿に不安を感じるすみれ。果たして、茜が決めた進路とは…
ずっと、姉としての立場や委員長としての役割とか、何かにつけて自分を出さなかった茜が、少しずつ本来の高校生として謳歌している姿にエールを送りたくなりました。まだまだ子供の年齢なのに、誰かに頼る事を遠慮してきた茜。それをみてきたすみれ。ようやく、自分のやりたい事を見つけられてホッとしました。
いつまでも家族ごっこはしてられないのかもしれないけれど、それでも本当の家族になりつつある月白邸のメンバーが幸せになる事を願っています。