あらすじ
小説編集の仕事をビジネスと割り切れない、若手編集者の宮本章は、新人作家・広川蒼汰の作品を書籍化できず、責任を感じ退職する。ちょうどその頃、北海道で書店を経営していた祖父が亡くなり、章はその大正時代の洋館を改装した書店・ミュゲ書房をなりゆきで継ぐことに……。
失意の章は、本に関する膨大な知識を持つ高校生・永瀬桃ら、ミュゲ書房に集まる人々との出会いの中で、さらに彼のもとに持ち込まれた二つの書籍編集の仕事の中で、次第に本づくりの情熱を取り戻していく。そして彼が潰してしまった作家・広川蒼汰は――。
挫折を味わった編集者は書店主となり、そしてまた編集者として再起する。本に携わる人々と、彼らの想いを描いたお仕事エンターテインメント。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
フォローさせていただいている、フリージアさんの本棚でみかけて。
(フリージアさん、ありがとうございます)
読み始めは…。
『ミュゲ』って意味は?
表紙カバー、素敵✨でしたが、
読み終わった今は…
本がつくられる上で、作家・編集者・装丁家・イラストレーター、書店
さまざまな人たちの思いが感じられる素敵な作品でした
(書店で本を買うぞっ!と謎の熱量がワタシの中に(笑))
読書好きならば!
本好きならば!
読んでいただきたいなぁ〜。
ミュゲ書房の店主であり、編集者である主人公の章くんがちょっと頼りなくて(笑)
章くん、頑張って!!
と、なりましたが(笑)
あったかい気持ちにさせてくれますので、ご安心を
ミュゲ書房、行ってみたなぁ〜♡
Posted by ブクログ
とても好きな本にまた出会えました。
亡くなった祖父の書店を継ぐことになった若手編集者(宮本章)を中心としたミュゲ書房のお話。良さそうだけど、割と地味な感じの話かなと思って読み始めました。が、思いのほかテンポが良く展開が早くて。先が気になりどんどん読み進めてしまいました。宮本が出版社にいた時につぶしてしまったと後悔している才能あふれる新人作家。その復活劇?リベンジ?にハラハラドキドキわくわくしました。
前半のミュゲ書房を軌道に乗せていくための日々…からの後半は一気に話が動きます。最後の最後まで目が離せない展開。かつての出版社に対する挑戦状、最後に打って出た賭け。どうなるのだろうと。
ミュゲ書房が素敵で、こんな本屋さんに行ってみたいし、働きたいと思いました。ここで働く人々、集う人々が魅力的。
一冊の本が世の中に出るまでの過程もよくわかります。紙の本が大好きなのでとても興味深い。
本の装丁にも注目しました。これまで私が出会った本で一番感動した装丁は本書でも言及のあった「はてしない物語」。ミュゲ書房で作られた「リベンジ」の美しい装丁を文章から想像するだけでもうっとりしました。そして本書の装丁もミュゲ書房のすべてが詰まっていてすごく素敵だなって思う…
心地よい読後感、ミュゲ書店の素敵な世界観も相まって、本好きの人には特におすすめの一冊です。良すぎて二度読みしました。
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ好き。
本屋さんや出版のお仕事小説として読んでも面白いし、ミュゲ書房を取り巻く人たちとのふれあい交流物語として読んでも面白い。
一冊の本が出来るまでがこの本を通じて分かるのもよかった。
出てくる人たちもいい味だしてて、古巣の奴ら以外みんないい人ばかりだった。
主人公の章は人あたりいいしセンスもありそうなのに最初の就職先があれだったばっかりに業界にどっぷり毒されて傷も負った感じがした。
業界に悪い部分があってもきちんとした仕事してる企業はちゃんとあるだろうに分かりやすく悪い面出してくるもんな。
某悪い出版の言う売れる本を売るってなんだろうとは読者の立場からすると思うけども。
いや、あの、プロが面白いと思う本を売ってください読者に媚びないでください!って感じた。
筆力があればお決まりの流れでも面白いものができるのは確かだけどさ……。
大まかな流れは定番でもっていけてもキャラ設定、キャラ同士の関係性、風景描写、細部の描写、いくらでも持ち味が出せるし作者の個性出しどころだもんな。
なんだろう。本気で作ってればそれでいいのかも?
はいはいこういうの好きでしょーっていうのが透けた瞬間冷めそう。
めちゃくちゃ脱線したけど面白いのでおすすめ
Posted by ブクログ
真っ当に生きてる人が報われるので、読後感の良い作品でした。
私自身は、本は所有しなくても良い、読めれば良いと考えていますが、この作品を通して本を所有することも素敵だなと感じました。
Posted by ブクログ
今年読んだ中で一番!(まだ3月だけど)
本を作る話も好きみたい。舟を編むも好き!
本を作るだけじゃなく、美味しい物まで出てきて、最近の好みにドンピシャ!
最近知ったばかりの気になっている資格名が本の中にたった一回だけど出てきて、このタイミングでこの名前に出会うという事はやってみろってお告げなのかなと思っているところ。うーむ。。。
Posted by ブクログ
心地良い余韻に包まれる。
本の魅力を存分に感じる事が出来る素敵な作品だった。
新人作家を潰してしまった若手編集者・宮本章の成長を描いたお仕事小説でありながら、人と人との絆に何度も心打たれ読み進むに連れ心の中が温かい物で満たされて行く。
普段、何気なく手にしている一冊の本。
完成までに多くの工程と人の手が費やされる。
幾度となく繰り返される挫折。
それを乗り越えた先にある一冊の本の誕生に登場人物と共に深い喜びを感じた。
フランス語でスズランを意味するミュゲ。
スズランの花言葉に想いを馳せ、読後は紙本への愛おしさが倍増する。
Posted by ブクログ
素敵な本屋さんの素敵な本。
並べ方とか、雰囲気とかそのお店の雰囲気とか想像しながら読めて楽しかった。
それにしても、身近な本屋さんが閉店するってなると、本当にさみしいな。
Posted by ブクログ
一冊の本を売るということがこんなにも大変なことだとは想像していませんでした。それと同時に才能のある人を埋もれさせず、ちゃんとデビューさせる難しさも感じました。これからはそんな苦労も感じながら色々な本を読んでいきたいと思います。
Posted by ブクログ
本の装丁、紙質にもこだわりが感じられてすごく好き。通して穏やかだけど静かに熱くてよかった。ひさしぶりにすっきりとした読後感だった。ミュゲ書房がほんとうにどこかにあるような気がする。
Posted by ブクログ
(読書メーターの)おすすめリレー キャンペーンで感謝の読書。ドキドキしながら一気に読み耽る。その理由として、リーダビリティ、ブレない登場人物設定、編集者・宮本と新人作家・広川蒼汰の大逆転劇を含むストーリー展開、最後までのめり込めた。一方大手出版社の後藤が利益を追求。作家の将来を潰そうとする輩が本当にいるのか?この点だけ気になる。大手出版社だからこそ作家を最大の高みまで連れていくことが本分だと思う。高校2年生・永瀬桃の天才的な発想・センス、それを超える努力家、彼女の今後の行方を応援したい。壮大なテーマを描く作家さんとして。⑤
Posted by ブクログ
カバーに惹かれて手に取った一冊。いい出会いができた!!
祖父母の書店を元編集者が継ぐお話し。編集者なので、本も出版する。営業にも出て、売る。
この書店が、なんともかわいらしい素敵な本屋さん。カフェもやっている。
そのカフェに出てくるメニューがまた、かわいい感じでなんとも美味しそう。地元北海道のメニューもたびたび出てくるのも親近感。
そして、本屋さん物に出てくる実際の本のタイトルも知ってる物はなんだか嬉しくなるし、知らない物は読みたくなる不思議。
桃ちゃんに選書して欲しいなぁ。
近くにあったら、絶対通う!通い詰める!!
Posted by ブクログ
装丁が可愛くてずっと気になってた作品♡
やっと読んだ〜!
そしてとても良かった♪
ある事がきっかけで挫折し、大手出版社をやめてしまった元編集者の章。
そんな折、亡くなった祖父がやっていた田舎の書店を、全く継ぐ気はなかったのに成り行きで引き継ぐ事になってしまった。
これは編集者としての章と、ミュゲ書房の再起をかけた物語。
大正ロマン風の洋館に、手入れされたお庭。もう想像するだけでうっとり。。
こんな素敵な空間が身近にあれば、私も絶対に常連になってただろうな〜。
だけど書店経営ってなかなか厳しい様で、どうかなくならないで〜って気持ちで読んだ。
1冊の本を世に出すのに、こんなに多くの人が携わり、紆余曲折しながらも熱意をもって仕上げてるんだなぁ〜と改めて知ることが出来た。
なんかこれ読むと、もっと丁寧に隅々まで、ちゃんと装画や見返しまでも楽しむようにしないと!って気になる。笑
ストーリーは、そんな偶然あるか?な所もちょっとあるのだけど、温かくて熱くて、終盤はウルっと。
ラストも願った通りのラストで、めちゃくちゃスカッと心地良かった\♡︎/
ミュゲとはフランス語ですずらんの事。
花言葉は「再び幸せが訪れる」
Posted by ブクログ
初めての作家。WEB小説サイト「カクヨム」に投稿され、書籍化された作者のデビュー作。主人公の広川蒼汰の設定とオーバーラップしていることを読後知った。
本、地方、過疎化に書店の喪失、土地の食べ物、草花、カフェ等、定番であるが好きなもの揃っていて、ストリーも面白く、あっという間に読めた。お仕事小説でもあるが、再生の話でもある。重すぎず、かといって軽すぎ、眠れない夜に読むのにちょうどいい。
作者の次作が楽しみ。
Posted by ブクログ
編集者から地方の本屋さんへ転職。
ただの本屋さんのお話ではなく、本を作るといった編集とかの部分も入ってきます。
やはり信念がある人と仕事をしたいですよね。信頼出来るって大事。
Posted by ブクログ
祖父母から受け継いだミュゲ書房。
ミュゲはフランス語でスズラン。
大正末期に建てられた洋館を改装した建物。
空間もおしゃれで、好きな庭があり、カフェがあり、子どものが喜ぶ塔の部屋がある。
地域の人が集う場所もあり、理想的。
ミュゲ書房で、2冊の本を出版するまでのやり取りが、紆余曲折でおもしろく、読後感はスッキリ。
Posted by ブクログ
このレビューを見るという事は本が好きという事。
本が好き…読書が好き、装丁が好き、なんなら使われた紙さえ気になる、スピン(栞の紐)も洒落てると嬉しい(〃ω〃)
一つの作品が世に出るまで、編集と作家の関係、いかにして売るか、色々知れて面白かった‼︎
本好きさんにオススメです\(//∇//)
装丁デザインも大正浪漫で可愛い♪
Posted by ブクログ
祖父母が経営していた北海道の小都市の書店、ミュゲ書房を、祖父母亡き後、継ぐことになった元編集者の主人公。大都市でさえ経営の難しい小規模書店の周りに集う人々が作り出す、夢のような本屋さん。サロンとしての役割を果たす書店を経営しつつ出版も行う。読書家に送るファンタジー。
Posted by ブクログ
ミュゲ書房に行ってみたい!
お祖父ちゃんの並べた書棚を堪能してみたかった!どんな風に本が並んでるんだろう?と勝手に想像力が働いてしまう。
お祖母ちゃんの選んだ家具や大切に手入れされた庭を歩いてみたい!
表紙の絵のように落ち着いていて豊かな場所。
章君の新しいミュゲ書房では、塔のお部屋で絵本をたくさん読んでみたいなぁ。
庭を散策した後は、のんびりと、池田君の淹れるコーヒーとお手製のケーキ!
これらは↑、全部、主役じゃないけどね。
ミュゲ書房も、そこに集う脇役も個性的で、彼らの話も今度聞かせてね、って感じ。
メインストーリーは、高い山を目指してズンズン登っていく感じで、一気に読めて爽快だ!
Posted by ブクログ
若い編集者が一人の作家をつぶして挫折のうえ、北海道のおじいさんが営んでた本屋をつぐ話し。
いろいろつぶした作家関連でご都合主義なところもあるけど、全体的に面白かった。本を書くのも、世に出すのも大変だなと思った。大手出版が結構悪者になるので大丈夫かなと思ったけど、救いの手を差しのべてくれるのも大手出版だった。本を通じて年齢や場所をこえてじわじわ口コミで売れてベストセラーになっていくのは痛快だった。
作中のリベンジ、読みたくなった。
Posted by ブクログ
章は祖父母がやっていた小さな本屋を
閉めるつもりで北海道に来たが
わけあって出版社勤めを辞めたところで
腰を据えて閉店準備をしている間に
周囲の後押しもあって
再び店を開ける決心をする。
常連客の女子高生が実は
章の人生の岐路に関わっており
ふたりの目的が一致してからの物語が
できすぎかもしれないけれど
応援したくなってしまう。
やっぱり本屋さんっていいなぁ。
Posted by ブクログ
※
本作りに携わる様々な人々、出版社、編集者、
作家、書店、書店員、装丁家、表紙や挿絵作家、
印刷社に販売取次会社など、ひとつの物語が
一冊の本として世に出るまでの過程が話の中で
よくわかります。
そして物語をゼロから紡ぐ作家、一人でも
多くの人に作家が生み出した物語をよりよい
形で届けるために手を尽くす編集者。
こうして一冊の本を手に取るまでに、色んな
人が込めた想い、思惑や利害が関係している
ことを改めて思い知るので、一読者として
一冊一冊との出会いをこれまで以上に大事に
したくなります。
Posted by ブクログ
作家が書いた原稿を編集者がチェックして、本にして、書店に並べるまでの流れが物語になっていて、興味深かった。
大手出版社じゃないところの本を書店で扱ってもらうことの大変さを知らなかったので、面白かった。
…まあ、ちょっと都合良く進んだところはあるけれど、その分読みやすかった。
Posted by ブクログ
大手出版社で挫折を味わった若手編集者の宮本章は、亡くなった祖父が営んでいた北海道にある小さな書店『ミュゲ書房』を引き継ぐ。
本が出来るまでの裏側の話が面白くて、読み始めると止まらなくなった。本が好きな人におすすめしたい本!
物事が順調に進みすぎることと、先の展開が読めることに少し物足りなさも感じた。
Posted by ブクログ
編集者宮本君が出版社を退社しミュゲ書房の店主となる話。真っ直ぐな編集者と作家を応援するしかない!2人がどうか報われますようにと祈るように読んだ。にしてもミュゲ書房のお店の雰囲気凄い好きで実際にあれば常連間違いなし。ミュゲってフランス語で鈴蘭のことらしい可愛い
Posted by ブクログ
本好きならば読んでて楽しい話だと思う
只話の展開がうまく行き過ぎておとぎ話だなあと思う
特に最近近くの本屋がどんどん無くなってるしなあ
Posted by ブクログ
一冊の本にはたくさんの人が関わり、いろんな思いやいろんな仕事の上に出来上がっているんだということがよく分かり、本棚に並ぶ本に対する愛着がさらに深まった。
物語も優しく、ハッピーエンドで好き。
ただ、主人公の周りに本当に善人しかいなくて、そこは少し物足りなさを感じる。
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて。文芸編集者の主人公が会社を辞めて、北海道の祖父母の書店を継ぐところから始まる。かの小説家の正体はそうだろうな、という感じではあったが、本づくりにかける熱い思いがよい本だった。