神野正史のレビュー一覧
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・世界の歴史または人間の歴史における、いくつかの重要な発火の話し。
・何かが起きた時に、何が「新」で何が「旧」か、その仕分けを必ずする。ヒントは、ゲームチェンジは辺境から起きる。
・一神教は、アメンホテプ4世の神官との権力闘争から生まれた世俗的な人工物。それが、今日の異教徒への対立を生んでいる。
・冊子は欧州言語が横書きだからできた。中国のように縦書きだったら、ページの概念が生まれず、全ての書物は巻物だったかもしれない。そうするとパラパラマンガは生まれなかった。
・絶対王政は、封建制度から国民国家への移行の過渡期の形態。
・覇道から王道になるにはあとどれくらいの年数を待てばいいのか。ロシア、北 -
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本書を通じて最も出てきた人物は韓信だったが、その才を見抜く簫何。 1人だけの成功なんてありえない。誰かメンター、支える人、才能を見出す人など他の手の協力を得て開花するものである。
目的のための手段のはずが、時に目の前のことに追われたり夢中になるうちに長期的目線を失い、手段の遂行が目的にすり替わってることが多い。冷血な宰相ビスマルクは、ザ・頭のキレる、先見の明がある人という感じ。
日本でホトトギスの句がよく詠まれ、資料集や教科書の雰囲気も加味して豊臣秀吉がよいと思っていたが、かっこよくなかったんだ‥とプチ衝撃。
劉備の項で心に残ったのが、(継続は天才に勝る。なりふり構うな手段は選べ。逆境と -
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ネタバレ私大文系に特化するカリキュラムが用意された高校に通い、楽をしたばっかりに世界史を勉強しないまま高校を卒業し、これまで相当後悔してきました。この本の購入もそうしたことが起因しています。
その観点から言うと、この本は世界史を概観する上で非常に有用な本であると感じました。
というのも、先ずもって分かりやすい。微に入り細を穿つようなテキストではなく、覇権の流れを端緒から終焉まで見届け、そこに見出されるパターンを確認する形を各章とっているため。その意味では、世界史の初学者のみならず、既修者が頭の整理のために読んでも役に立つのではと感じました。
また、最終章の米国についての記述も非常に印象的 -
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監修の神野正史(1965年~)氏は、立命館大文学部卒、河合塾(名古屋地区)の世界史講師。インターネット予備校の『世界史ドットコム』を主宰するほか、様々な予備校、メディア等で講師・顧問を務めている。著書も多数。
本書は、題名の通り、世界で、歴史の一時期に隆盛を極めた都市或いは現在の大都市30について、栄えた年代順に、それぞれの辿った歴史を10ページ程度でまとめたものである。
取り上げられている都市は、(地域別にすると)以下の通り。
<東・中央アジア> 長安、京都、サマルカンド、北京、上海
<東南・南アジア> アンコール、マラッカ、デリー、シンガポール
<中東・アフリカ> バビロン、エルサレム、ア -
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「30の歴史シリーズ」4冊目です。
このシリーズで初めて世界史を読んでみましたが、これもまた面白い。現代まで大都市として繁栄している都市もあれば、そうでない都市もある。世界史という舞台になると、様々な民族や宗教などが関連し合い、より複雑になってきています。その分、日本史と比較すると、歴史の流れや地理的な感覚が分からなくなってきます。この本を理解するためには、世界地図と世界史の図表を隣に置きながら、世界史を振り返るつもりで読むことをおすすめします。
<目次>
バビロン 聖書にも名を残した古代の要衝
エルサレム 苦難の歴史が刻まれた聖地
アテネ 民主政が花開いた文化と学問の都市
アレクサン -
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予備校(河合塾)で世界史を教えている先生が書いた、世界史を「戦争・革命」という切り口で解説してくれた本です。現在起きている事件は、すべて何等かの繋がりがあるのだなと、最近ようやく理解できるようになりました。
そのような捉え方で世界史の勉強をしたら、さぞかし面白かったと思います。今から30年以上も前に高校で世界史の授業を受けていた時、その面白さが当時の私には理解できず、当時の歴史の先生には申し訳ないです。
この本はニュースで聞いている事件の解説から始めて、そこから時代を遡る形で書かれています。今の事件は、歴史で繋がっているのだなと痛感しました。
こうして考えると、欧米(西欧)中心の世の中の -
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ここで言う「ゲーム」とは生活の事で、技術面に限らず、生活様式や価値観の変化度合いが大きいイベントをゲームチェンジとしている。大区分で言えば、ユヴァルの言う認知革命や、産業革命、または文字や紙の発明、大航海時代、電気の発明など、人間社会が大きく変わる出来事の事。そうすると、何をもって区切るかは、若干恣意的だ。それはそれで良いと思うが、こうした地球規模のイベントについて幅広く紹介するのが本著。
ゲームチェンジで大切なのは発明ではなくて普及だと言う。鉄器の場合、普及のきっかけはヒッタイトの解体。騎馬もまた普及のきっかけはスキタイの解体。独占していた優位性がなくなる事で周囲もその恩恵を享受できるよう