窪田新之助のレビュー一覧
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元々日本の食糧自給率はどれくらいなのかという疑問から、何か関連した本はないか探して読みはじめた本。農業に従事する人の高齢化やそれに伴う後継者不足、働く環境や労働力不足、生産から消費者に届くまでのシステムや、日本人の食の変化、諸外国との価格競争など、簡単に解決できない複合的要因のひとつひとつについて問題点と、実際の現場で対応している例が書かれている。ITが発達した便利な世の中で、それを享受していると生産現場の大変さに想像が及ばなくなりがちだ。ITを活用しマネーゲームのようにしてお金を得る世界と、いくらITを活用しようとも人間が汗水流して働かないといけない世界。どちらが良い悪いもない。だが今、口に
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農協の闇
著者:窪田新之助
発行:2022年8月10日
講談社現代新書
JAの仕事というと、組合員(農家)に農業や生活に必要な物品を販売し、農畜産物や加工品を購入、営農指導などをする「経済事業」を我々は思い浮かべる。JAは他に、預金を集めたり資金の貸し付けをしたりする「信用事業」、共済商品の開発や販売をする「共済事業」があり、その3大事業で成り立っている。つまり、素人が思いうかべる農協本来の仕事「JA全農」、銀行業務「農林中央金庫」、保険業務「JA共済連」の3つということになる。こうしたのを「総合農協」といい、JAはこれにあたる。それに対して、酪農や果樹、園芸など作物別に農業者が設立した農 -
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日本が取り組んでいるIT農業の2017年の現状と、2020年以降一斉離農が訪れた時のために、IT農業の必要性を説いている。主には前者。国、大学、研究機関とITベンチャーや大手企業がどのようなIT技術を駆使して農業をIT化しているのか、紹介している。
個人的には各アプリケーションも面白いとは思ったが、何の捻りもない名前をしているアグリドローンとアグリローラーは今後の農業において非常に便利で広まりやすいものだろうなと思う。問題は農業はその土地(土壌)、その時期(気候)、その作目によって条件が多様すぎる上に、環境は年々変化するのに年に1度しかそのデータは取得できない。ビッグデータとして運用していく -
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あらゆる産業の中で農業こそが、IoTなどの最新テクノロジーによって最も変革する。他産業と比べ、高齢化や労働人口の減少のスピードが飛びぬけており、これまでITの導入がほとんど進んでいないことから、その分、生産性の向上において伸びしろがあるからだ。経験と勘だけに頼る古い時代感覚のビジネススタイルがいまだに存続している農業。経験と勘の世界から科学とテクノロジーの世界への移行を推し進めるのがIoTであり、それと相乗効果をなすのがロボットとAI。いまや日本は「産業用ロボットの出荷額で世界シェアの5割を握っておりポテンシャルは極めて高い。事実、ロボットAI農業は日ごと加速のギアを上げている。ページを進める