窪田新之助のレビュー一覧

  • 対馬の海に沈む

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    中央•上層部の無理な要求とそれを凌いでしたたかに利用する地元民。上層部の無理な要求が人々のモラルをいかにして壊していくか。社会に対しても、組織に対しても、個人に対しても、インモラルが素知らぬ顔でまかり通るようになる。その過程をリアルに描きだしていて心底怖い。

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    2026年06月28日
  • 対馬の海に沈む

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    対馬の海に沈んだJA職員。
    彼が、死ななければならなかった罪とは…。
    地を這う緻密な取材に引き込まれてしまった。

    JAという大きな組織のなかで、何故見過ごされていたのか…これは一人だけでやれるものではないとわかる。

    一般に日本の組織は、閉鎖的で同調圧力が強く、年長者が頂上に立つピラミッド型をなし、そこに所属する個人は、考え方から行動に至るまで組織の影響を受ける。
    このようなムラ社会の構造は、まさにJAでこそ強固に築かれているように思えて…
    頷かざるを得ないことに、JAでは縁故採用が基本だということに今更ながら驚く。

    特に対馬となると…けっして多くの人口でもなく狭い。
    不正に気づき、正す者

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    2026年06月18日
  • 対馬の海に沈む

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    日常的に見かけるちょっとした不正が、周りの誰もが損をしないためにむしろ歓迎されて、不正が不正を呼んで雪だるま式に増えて暴走し、挙句22億円にまで積み上がったという話。
    それが昭和ならいざ知らず平成の世に起きたあたり、我々のメンタリティは敗戦の時のままだと思い知らされる。
    そして令和のSNSでの集団な「正義」から生じる集団ヒステリーは同じ付和雷同の気質の土台がまだ根強く残っていることを窺わせる。
    「菊と刀」は未だ健在だ。おそらくこれからも第二、第三の西山は生まれてくるのだろう。

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    2026年06月12日
  • 対馬の海に沈む

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    素晴らしい取材力だと思う。JAのLAも内部の事務的な事も、昔仕事で関わり信じられないと感じたのをリアルに思い出した。不正に納得できず退職した人に同情する、多分その地では他の仕事も難しいだろうし。全て土地のせいにするのは乱暴だが閉鎖的ムラ社会、行き場もなく島を出る事もできずみんなが知り合い、みんなが共犯者なんだろう。西山の不正ももっと早く止められたら、と思わずにはいられない。不正に関わった人、西山の妻子など今でも島に暮らしていることにも驚く。

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    2026年06月09日
  • 対馬の海に沈む

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    ノンフィクションを初めて読んだ。実在する人物の、本当の話が明らかにされていて、ゾワゾワしながら読んだ。あとでネットで調べたら、本当に存在する人達の話だと実感できてさらにゾワゾワした。
    巨大組織の闇が暴かれている。

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    2026年06月08日
  • 対馬の海に沈む

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    ネタバレ

    登場人物は全部実名で出ることを承諾したのだろうか。罪状を認めているに等しい発言。。嘘の被災証明で保険金受取りは保険金詐欺。これを保険会社の社員がやり、被保険者と山分け。これを数百件?。社員は自殺して告発され、被保険者はされなかった。JAの内部調査で、JA職員も黙認を糾弾はされたが、犯罪とはされなかった。これが普通の損保なら刑事告発されるところ、そうならない闇を記者が調べる。この執念、「追跡 公安捜査」の遠藤浩二氏を思い出させる。
    結論は事実を積み上げた判決的なものでなく、人々の感情も含めた推測。日本のムラ社会ならどこでも起こりうる(起こっている)ことも。先日読んだ「国家の品格」への違和感はこれ

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    2026年06月07日
  • 対馬の海に沈む

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    ネタバレ

    杜撰にも程があるだろう。
    JAのシステムには呆れ返った。
    でも背景にはやはり「人」いる。「欲」を満たそうとする人々。積極的ではないものの、流れに身を任せて甘い汁を享受する人々。一方でそれらに抗して告発するも跳ね返されたのも「人」
    事実の羅列だけでなく、筆者の思いも伝わってきた。面白かった。

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    2026年06月03日
  • 対馬の海に沈む

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     地域に根付いた組織はどれだけ醜悪になれるかを描いた実話です。私が西山なら、JA対馬やJA共済連、そして関わった全ての人間を巻き込んで一大スキャンダルに仕立て上げるだろう。おまえらも同罪じゃと罵りながらね。
     JAという組織からは腐臭しかしない。

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    2026年05月26日
  • 対馬の海に沈む

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    ミステリーチックな導入から始まる冒頭を読んだ際はすんなり読み進められるか気になったが、ノンフィクション賞に恥じない読み物としての面白さがあり労せず読みおおせた。

    組織的な歪曲が悲劇を生む構図は他でも見られるが、筆者の取材活動が関係者の暗部を探る行為にもかかわらずやり通せたことこそが、問題の両面性を彼らも感じ取っていたからこそとも思える。

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    2026年05月16日
  • 対馬の海に沈む

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    ダントツの星5つ。ノンフィクションでこれほどまでに引き込まれたのは初めてかもしれない。文章として非常に読みやすいのに加え、内容が素晴らしい。同書籍で描かれた人物と同じく、対馬の地で一週間ほど保険営業に従事したことがあったため、なおのこと、楽しめた。最高の一冊。

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    2026年04月28日
  • 対馬の海に沈む

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    JA対馬で発生した巨額共済金横領事件の顛末を追ったノンフィクション。対馬という田舎で20億以上の被害額、膨大な架空契約数、そして単独犯の西山が自死など、強烈な異常性と話題性の割にほとんど報道されてなかったのが不思議だったが、そりゃ報道できねぇわ…と頷ける内容。
    もちろん本書を以ても真相はすべて明らかになっていない。西山が綺麗に証拠隠滅を完了できた理由や、西山以前の同類犯罪、あるいは対馬以外のJAは本当に大丈夫か気になるところは多い。とはいえJAの構造や他のJAの様子など農業新聞出身という異色の経歴の著者にしか語れない部分も多く手落ち感はない。
    閉鎖コミュニティ、西山の人柄、生々しい結末…単純に

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    2026年04月18日
  • 対馬の海に沈む

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    小説とは違って絶対的な悪がいない。現実に生きる人々の少しの欲が大きな事件を作り上げ、意図せず悪を生み出してしまったように思えました。
    ノンフィクションなので名前は伏せ、横領の疑惑に掛けられ、海に身を投げた人物をA氏とします。

    A氏が起こした大きな横領事件の発端はある恩義からだという。その恩義が小さな不正を生み、島全体に伝染していったそうだ。
    「お願いされたから、付き合いだから。」
    そう言い訳するように、罪に加担した人たち。
    ムラ社会だなと思いました。

    やがて、不正が明るみになり、A氏一人に全責任を擦り付けた。そしてA氏は全責任に背負い込み、海に身を投げた。
    A氏はワンピースの主人公ルフィに

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    2026年03月29日
  • 対馬の海に沈む

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    新聞記者の著作故の真実から生まれるドラマがあった。「犯罪者」である今回の物語の中心人物である男性と、彼に恩恵を受けていた「被害者たち」と同僚たち、そして同じく恩恵を受けながらも最後には責任を全て男性に押し付けらる会社。最低だと思いながらも、どの業界にもこういったことはよくあるのだろうと思った。
    ただし、被害者も恩恵を受けていてあまり恨んでいないというのがこの事件の特徴であり複雑なところ。それは男性の人柄もあったと思うから、上記の点も合わせて彼だけを責められない事件だと思う。

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    2026年03月28日
  • 対馬の海に沈む

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    国境の島、対馬で起きたJA職員の自殺・・・。

    実はこの職員は22億円もの横領の疑いが
    ありました。

    その手口は、顧客の契約を自由に改ざんして
    契約金額を釣り上げたり、台風時の被害を過大に
    申告したり、などで補償金を不当に受領していた
    のです。

    本来それら補償金は顧客の口座へ振り込まれるべき
    ものですが、顧客の通帳を印鑑とともにこの職員が
    管理していたというのですから驚きです。

    なぜそんなこと可能であったのか。

    それは島独特の、いや日本人独特の「持ちつ持たれ
    つ」の人間関係が生み出したと言えます。

    関係者のほとんどが、この補償金横領から何かしら
    の恩恵を受けていて、「被害者がいない」

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    2026年03月26日
  • 対馬の海に沈む

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    ポインティのYouTubeで出てきたオススメ。
    ポインティも言ってたけど、横領がテーマの物語って唆られる…

    これ本当に実話?と疑いたくなるノンフィクション。筆者がインタビューを重ねるに連れ、主犯のJA職員、社内の協力者、JA対馬全体、長崎本部、対馬市全体と「実は〇〇もヤバかった」のスケールが広がっていくのが恐ろし過ぎた。

    最後の方は作者も、完全に自殺した主犯のJA職員に同情してたけど、同じ気持ちになった。
    お金で周りに良い思いをさせること以外の信頼関係の築き方が分からなかったんだろうなぁ。それが最後には誰にも助けてもらえなかったのが、悲しい。
    最初はきっとただ真面目な営業さんだったに違いな

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    2026年03月13日
  • 対馬の海に沈む

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    開高健ノンフィクション賞

    人口わずか三万人の離島、長崎県対馬。
    地図を見ればわかるが、近くの壱岐島と違い、平地がほとんどなく、漁業も衰退し、韓国からの観光が頼みの寂れた島。

    そんなところで、JA対馬の小さな支店に勤務して共済(保険)を担当し、毎年のように、全国でも数人しか選ばれない「総合優績表彰」を受け、「LA(ライフアドバイザー)の神様」と呼ばれた西山義治。
    その西山が、酒を飲んだ状態で、岩壁から車で海に飛び込み死亡した。
    長年の不正が暴かれそうになった挙句の自殺だと思われている。

    西山の年収は数千万円で、西山軍団という取り巻きを引き連れ、贅沢な暮らしをし、まさしく「天皇」のようだった

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    2026年03月13日
  • 対馬の海に沈む

    ネタバレ 購入済み

    苦しさが染みる

    不正の手口がシンプルなのにどんどん大規模になっていく恐ろしさ、
    どんどん得をする人が増えていく恐ろしさ、
    終盤のやるせなさ。
    小宮さんの器の大きさと受難が染みる。
    小宮さんの苦しみに心を寄せる著者の悔しさも伝わった。
    あまりにも日本、という話だった。

    #ダーク #ドロドロ #怖い

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    2025年06月25日
  • 対馬の海に沈む

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    ネタバレ

    面白かった。
    しかし、地方の営業所で営業職として働いたことのある人間ならば多かれ少なかれ顧客との共犯関係の構築による信頼関係を築くことや実績を上げるためにコンプライアンスのグレーゾーンを行き来することは業界は違えど見聞きしたことはあるので、この著者の驚きや意外性みたいなものにはそこまで共感できなかった部分はある。
    とはいえ、この保険金分配システム?は島内の人脈ネットワークとそこに書類上生まれる「リスクの商品化」を利用したある種の島内の「産業」のような状況になっているとも思えたし、その調査、取材力でここまで状況を解き明かすのはすごい。
    自分は「〈賄賂〉のある暮らし 市場経済化後のカザフスタン」を

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    2026年04月04日
  • 農協の闇

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    農協という利権団体とも言える内部事情がよく理解できました。それと同時に、保険会社など日本企業全体でも類似する事象は山ほどあり、日本のビジネス力の真価が問われる時代なのではないかと感じます。
    この手のやり方をしないと利益を上げられないような企業や団体は正直潰れて欲しいですね。その方が、消費者のためでもあり、日本全体のためにもなります。

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    2024年09月18日
  • 農協の闇

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    ネタバレ

     ページをめくるたびにため息が出る。農協とはここまでダメな組織なのか。
     経済事業ではホームセンターに競合できず。金融事業では組合員に不利な商品や加入の仕方を強制する。それでもノルマを達成できず年数十万円以上の保険料を自己負担して自爆する羽目になる。
     本書の中でも何度も書かれているが、農協は組合員のためではなく、組織そのものの維持のために漂流を続けている。

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    2022年12月04日