窪田新之助のレビュー一覧
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対馬の海に沈んだJA職員。
彼が、死ななければならなかった罪とは…。
地を這う緻密な取材に引き込まれてしまった。
JAという大きな組織のなかで、何故見過ごされていたのか…これは一人だけでやれるものではないとわかる。
一般に日本の組織は、閉鎖的で同調圧力が強く、年長者が頂上に立つピラミッド型をなし、そこに所属する個人は、考え方から行動に至るまで組織の影響を受ける。
このようなムラ社会の構造は、まさにJAでこそ強固に築かれているように思えて…
頷かざるを得ないことに、JAでは縁故採用が基本だということに今更ながら驚く。
特に対馬となると…けっして多くの人口でもなく狭い。
不正に気づき、正す者 -
Posted by ブクログ
ネタバレ登場人物は全部実名で出ることを承諾したのだろうか。罪状を認めているに等しい発言。。嘘の被災証明で保険金受取りは保険金詐欺。これを保険会社の社員がやり、被保険者と山分け。これを数百件?。社員は自殺して告発され、被保険者はされなかった。JAの内部調査で、JA職員も黙認を糾弾はされたが、犯罪とはされなかった。これが普通の損保なら刑事告発されるところ、そうならない闇を記者が調べる。この執念、「追跡 公安捜査」の遠藤浩二氏を思い出させる。
結論は事実を積み上げた判決的なものでなく、人々の感情も含めた推測。日本のムラ社会ならどこでも起こりうる(起こっている)ことも。先日読んだ「国家の品格」への違和感はこれ -
Posted by ブクログ
JA対馬で発生した巨額共済金横領事件の顛末を追ったノンフィクション。対馬という田舎で20億以上の被害額、膨大な架空契約数、そして単独犯の西山が自死など、強烈な異常性と話題性の割にほとんど報道されてなかったのが不思議だったが、そりゃ報道できねぇわ…と頷ける内容。
もちろん本書を以ても真相はすべて明らかになっていない。西山が綺麗に証拠隠滅を完了できた理由や、西山以前の同類犯罪、あるいは対馬以外のJAは本当に大丈夫か気になるところは多い。とはいえJAの構造や他のJAの様子など農業新聞出身という異色の経歴の著者にしか語れない部分も多く手落ち感はない。
閉鎖コミュニティ、西山の人柄、生々しい結末…単純に -
Posted by ブクログ
ポインティのYouTubeで出てきたオススメ。
ポインティも言ってたけど、横領がテーマの物語って唆られる…
これ本当に実話?と疑いたくなるノンフィクション。筆者がインタビューを重ねるに連れ、主犯のJA職員、社内の協力者、JA対馬全体、長崎本部、対馬市全体と「実は〇〇もヤバかった」のスケールが広がっていくのが恐ろし過ぎた。
最後の方は作者も、完全に自殺した主犯のJA職員に同情してたけど、同じ気持ちになった。
お金で周りに良い思いをさせること以外の信頼関係の築き方が分からなかったんだろうなぁ。それが最後には誰にも助けてもらえなかったのが、悲しい。
最初はきっとただ真面目な営業さんだったに違いな