窪田新之助のレビュー一覧

  • 対馬の海に沈む

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    開高健ノンフィクション賞

    人口わずか三万人の離島、長崎県対馬。
    地図を見ればわかるが、近くの壱岐島と違い、平地がほとんどなく、漁業も衰退し、韓国からの観光が頼みの寂れた島。

    そんなところで、JA対馬の小さな支店に勤務して共済(保険)を担当し、毎年のように、全国でも数人しか選ばれない「総合優績表彰」を受け、「LA(ライフアドバイザー)の神様」と呼ばれた西山義治。
    その西山が、酒を飲んだ状態で、岩壁から車で海に飛び込み死亡した。
    長年の不正が暴かれそうになった挙句の自殺だと思われている。

    西山の年収は数千万円で、西山軍団という取り巻きを引き連れ、贅沢な暮らしをし、まさしく「天皇」のようだった

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    2026年03月13日
  • 対馬の海に沈む

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    衝撃的な作品だった。
    こうした作品を読むたびに思う。
    事実は小説より奇なり。
    様々な示唆に富む作品だが、背景にある田舎の閉塞感が穏やかな恐ろしさを生んでいる。
    本作品の最も秀逸な点は、当該人を断罪するのではないこと。私達にも悪魔の芽はある。

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    2026年03月11日
  • 対馬の海に沈む

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    どうして、そんな何年もこんな不正ができたんだろう、最初はそう疑問に思うけれど、読み進めていくうちにそのからくりが解き明かされていく。知らず知らずに自分も共犯者になってしまうかもしれない社会の構造が恐ろしい。絶対ならないと思っても、その環境にいるとなってしまうんだろうな。

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    2026年03月08日
  • 対馬の海に沈む

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    audibleにて。ノンフィクション、ルポルタージュみたいなジャンルは完全に初体験だったけど。本当に読んで良かった。ノンフィクションってそのジャンルに明るくないとあまり入り込めない印象があったが、逆に「何読むか迷ったらノンフィクション」でも良いんじゃないかくらいの気持ちになる満足感のある読後感でした。

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    2026年03月07日
  • 対馬の海に沈む

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    ネタバレ

    先日職場で本作品の話題になり、再読。

    長崎県対馬で、JA職員が車ごと海に沈んで亡くなった。亡くなったJA職員とJA内で行われていた不正に関する内容であり、関係者らへの取材でまとめられた一冊。

    実際に起こった出来事。
    JA内での不正について、本当にこんなことが起こっていたのかと疑いたくなるような内容。どんな理由があったとしても、職員のやったことは許されないことだと思うし、組織の対応に憤りを感じた。

    事の背景、職員の環境等考えると胸が締め付けられるような気持ちになった。

    どんな人も犯罪に手を染める可能性があり、組織はあっという間に腐りきってしまう可能性があることを肝に銘じておきたい。

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    2026年03月05日
  • 対馬の海に沈む

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    ネタバレ

    かつてJAの共催部門で「LAの神様」と呼ばれていた男が死んだ。その男がしていた悪事を調査していくと、裏にはさらに大きな影が見えてくる。それはまさに、JAグループであり、対馬に住む住民という「共犯者」だった。
    西山が行っていた不正の数々や周囲に対する仕打ちは決して許されるものではないが、それを気づいていながら見逃し美味しい部分だけ貰っている共犯者たちはいまだにのうのうと生活している。
    このJAや対馬の実態だけではなく、日本の村社会に広く言える現象だと思った。
    周囲の親しい人間にいい顔ができればそれでいい。たとえそれが法に触れる行為であったとしても、黙っていれば問題ない。結局うまく使われた人が責任

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    2026年03月01日
  • 対馬の海に沈む

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    長崎県の離島、「対馬」を舞台としたノンフィクション。内容は、JA上対馬支店のある職員の不祥事に関するものであったが、読み進めるうちにとんでもない背景が見えてきた。

    JAでエースとして「天皇」などと呼ばれ、カリスマ性を存分に発揮し全国一の成績を取る西山義治。
    既に疑問であったのが、対馬の離島で全国一の成績を出すことが可能なのかというところだ。保険の新規契約や災害申請等でたまたま一位を取ることが一度あったとしても、毎年の常連になるには何か裏があると思ってしまうし、すぐに発覚しそうなものである。

    しかし、JAの体質としてなのか、地域性もあるのか不正はなかなか明るみに出なかったようだ。告発も握り潰

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    2026年02月25日
  • 対馬の海に沈む

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    2026.03.22
    まず驚くのはこれがノンフィクションであるということ。だって「冷静に」考えれば、対馬だけ、共済の事故の給付金が莫大に出金され続けるわけがない。
    地元では彼を悪くいう人はいないらしいが、そりゃそうだ。簡単にいえばJA共済の掛金を本土から対馬へ多く流し込んでいるのだから。だから、この本には書ききれないところで、この事件が「落とした」お金で対馬経済が循環していた部分もあると思う。すると、これから対馬は緩やかに衰退し続けていくと思う。
    この本では、主人公をはじめとする「悪い奴ら」の描写が多く、カネの大きな視点での流れについてはぼんやりとしている。
    そんないちゃもんをつけてみたものの

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    2026年02月22日
  • 対馬の海に沈む

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    一気読み。
    日本の田舎あるある事件。
    と思いました。
    294 欧米か罪の文化
    日本は恥の文化
    この辺文章が心の中に入り込んだ。

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    2026年02月20日
  • 対馬の海に沈む

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    JA共済の不正事件に関するノンフィクションの本でしたが、面白く読ませてもらいまいした。作者が元JA出身者ということで、全然知らない事件でしたが、事件の内容やJAについても深く教えてもらった感じです。

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    2026年02月19日
  • 対馬の海に沈む

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    手配した時はわかってたはずだけど、手に入れたときは本の内容をすっかり忘れ、
    タイトルを見て、対馬の海にまつわる小説、と思ってしまった。
    TBS日曜劇場の「海に眠るダイヤモンド」の影響か。
    読み始めてすぐ気づく。これは実話つまり著者の取材に基づくノンフィクションだ。
    内容は、、凄まじい。
    一台の乗用車が海に突っ込み、運転していた男が死ぬ、というところから話は
    始まる。その男が、JAで何年も売上日本一になる優秀な営業マンだった。
    対馬のような人口の少ないところでどうして?
    取材を重ねるうちに、彼がやってきたことがどんどん暴かれる。不正だ。
    何か月か前に読んだゆうちょ、かんぽの不正が被る。
    そして、

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    2026年02月11日
  • 対馬の海に沈む

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    一人の不正事件から明らかになってくる、巨大組織ぐるみの不正の実態。

    一人で莫大な不正を行うことは可能なのか、、、
    背後には一体何人の人が関係しているのか。
    もし自分にも不正の誘いがあったら、その禁断の果実を拒否することはできるだろうか。

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    2026年02月11日
  • 対馬の海に沈む

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    舞台は、農協、その中の小さな集落の凝縮された対馬という舞台で1人の輝く栄光を手に入れた営業職員の死からその謎が解明されていきます。

    第六章までで描かれた西山氏の「ワンピース・ルフィへの憧れ」や「妹への慈愛」は、本来なら「仲間のために身体を張るリーダー」という美徳として機能するはずでした。しかし、組織(JA)が求めたのは、その高い忠誠心と「利他の精神」を、過酷なノルマを達成するためのガソリンとして消費することだったように見えます。

    「生贄」となった西山氏は、仲間のために、弱い者のためにと動く彼のエネルギーが、結果として組織の不正(架空契約や名義借り)を回す唯一のエンジンになってしまった皮肉

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    2026年02月10日
  • 対馬の海に沈む

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    JA対馬で起こった20億円超の大不祥事の真実を暴いたノンフィクションですが、すさまじい一冊でした。

    事件は、JA対馬の職員で、日本一の営業マンであった西山義治が自ら運転する車で海へ転落し自殺した事件の真相を追った内容ですが、とにかく闇が深すぎます。

    この書籍の前提として、日本に約500あるJAの単協の8〜9割は農業部門で赤字になっており、その経営は保険(JA共済)と金融(JAバンク)で成り立っています。ただ、想像に難くないと思いますが、保険も金融も、基本的には大手保険会社や金融機関と比較すると、サービスの魅力に欠けているため、衰退が続いています。

    じゃあ、そんな中でJAはどうなるの?と言

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    2026年02月04日
  • 対馬の海に沈む

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    ネタバレ

    仕事柄JAとのお付き合いが多く見ることに。
    JAとJAを取り巻く組織構造の中で、牽制出来なかった人の心の弱さと、全て西山氏に罪がなすりつけられてそれ以外の人は我関せずの酷い内容であった。最初は西山氏の独断でやっていたものだと思ったが、話を進むに連れて、連合会、組織内、そして組合員が黙認している構造になっていたことに驚きだった。

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    2026年01月31日
  • 対馬の海に沈む

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    すごい本だった。よくぞここまで取材されたし。なんか、戦時中もこういうふんいきだったのだろうか。いじめの構造も似たようなものなのか。加害者でもあり被害者でもあり、そのような環境に置かれたら自分が果たして染まらないという決意を持てるか、染まってしまったことを非難できるのか。仕組みと構造、落とし穴は至る所にある。物語自体としてとても興味深いものだったけれど、それだけで終わらせてはならないという覚悟が伝わってきた。

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    2026年01月25日
  • 対馬の海に沈む

    ネタバレ 購入済み

    苦しさが染みる

    不正の手口がシンプルなのにどんどん大規模になっていく恐ろしさ、
    どんどん得をする人が増えていく恐ろしさ、
    終盤のやるせなさ。
    小宮さんの器の大きさと受難が染みる。
    小宮さんの苦しみに心を寄せる著者の悔しさも伝わった。
    あまりにも日本、という話だった。

    #ダーク #ドロドロ #怖い

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    2025年06月25日
  • 農協の闇

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    農協という利権団体とも言える内部事情がよく理解できました。それと同時に、保険会社など日本企業全体でも類似する事象は山ほどあり、日本のビジネス力の真価が問われる時代なのではないかと感じます。
    この手のやり方をしないと利益を上げられないような企業や団体は正直潰れて欲しいですね。その方が、消費者のためでもあり、日本全体のためにもなります。

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    2024年09月18日
  • 農協の闇

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    ネタバレ

     ページをめくるたびにため息が出る。農協とはここまでダメな組織なのか。
     経済事業ではホームセンターに競合できず。金融事業では組合員に不利な商品や加入の仕方を強制する。それでもノルマを達成できず年数十万円以上の保険料を自己負担して自爆する羽目になる。
     本書の中でも何度も書かれているが、農協は組合員のためではなく、組織そのものの維持のために漂流を続けている。

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    2022年12月04日
  • 日本発「ロボットAI農業」の凄い未来 2020年に激変する国土・GDP・生活

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    ロボットとIOTとAIにより農業の生産性をあげる。
    農家の離農が進み、農地の大規模化が進んでいる。
    人力のロボットへの代替。
    ドローンによる夜間の害虫駆除。
    IOTにより微妙な色彩を判別し、局所的な農薬散布。
    温度や湿度を測定し、肥料を調整し、美味化。
    ウェアラブとスマホによる、植物の病気の判断。
    そして重要なのは、それらがネットで管理されること。
    脳が個々のロボットにあったら、データが限られるて、ディープラーニングが有効にならない。また世界的に展開するにあたり。知識が盗まれる可能性もある。

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    2018年05月13日