あらすじ
転換期にある日本の農業は、ポスト・コロナ時代にどう変わるのか? 作って農協に卸すだけの従前のシステムが崩壊し、生産・収穫の現場から流通・販売に至るまで、徹底的にデータを取り、活用する「データ農業」の時代が到来しつつある。日本の5~6倍のトマト収量(単位面積あたり)を誇るオランダは、ハウス内のセンサーで温度、湿度、日射量など、作物の成長に関わるデータを収集・分析し、施設内の環境をコンピューターで一括制御する。AI、ロボットなど最先端の技術を用いつつ、生産だけでなく、加工や流通、販売を含めたサプライチェーンまでデータを徹底的に活用する先鋭的な農業の現場を取材する。北海道をはじめ、日本各地でデータを活用したシステム構築に挑む農家、法人、研究機関を訪ね、ポスト・コロナの日本を牽引する「データ農業」の未来を探る。
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Posted by ブクログ
最近話題のデータ農業の事例を日本と海外と両方で紹介してくれる。
労働人口減少は日本の全部の職に言えることだが、農業は高齢化が著しく、数年後に大離農が予想されている。
その中で期待されるのがスマート農業。
機械の自動化やデータを使ってより効率良く生産しようというのがこの本の趣旨。
環境データ、管理データ、生体データから上手く活用できているのは前2つのみ。
生体データの取得の難しさが読み取れる。
しかし、少しずつだがそこも改善できてきている。
技術の発展は自分たちの知らないところで常に起きている。
Posted by ブクログ
なかなか良かった。
初めに日本のデータ農業の面白い例をいくつか、そして世界、日本でデータ農業の重要性が増していく背景について説明。
その後現在行われているデータ農業を、フェノミクス(センサーによる生育観察)、フードバリューチェーン、農業ロボット、国際データ規格、日本品種の輸出、の観点から解説。
データ農業に関して興味のある人への入門書として、非常に読みやすく、情報量もあり満足した。
Posted by ブクログ
書店で目に留まり購入。
冒頭のハウスの話がまず驚き。その後のデータ管理の話なども初耳なもの多く、非常に興味深く読んだ。
著者も言うようにこの先人口が減っていくこと(ヨーロッパも切実とは思わなかった)を考えると、この分野の発展は非常に重要と思う。進展を見ていきたい。