アーシュラ・K.ル=グウィンのレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
面白かった。
どこか懐かしい気分のする昔懐かしい牧歌的世界、魔法、夢を持った青年ゲド。ゲドは多くのものを失ったり自分から手放したりするけれど、魔法には一途だったと思います。ゲドの中で魔法の意味も変わってはいるのだろうけど、青年ゲドの変わっていないしょっぱさは最後までしっかりあったように感じました。個人的にはゲドが龍と戦うところが漫画みたいでロマンがあって良かったです。ゲド戦記は1968年の作品でルグウィン39歳の時の作品です。主な出来事はベトナム戦争、ビートルズが解散する2年前のようです。この物語には影という恐ろしい敵が出てきますが、真っ直ぐに恐ろしい味を出すやつでした。 -
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ネタバレ性別、自由、力など現代社会にも通ずる様々な問題についてテナーやゲドとともに考えさせられた。
ゲド戦記を読むと、自分の使うことばにもっと注意を払って、そして責任を持とうと思える。
大賢人となったゲドも人間であり、弱さもあって、完璧ではない。シリーズ第2巻で自由を手に入れたテナーも、その後様々な苦しみにぶつかり、後悔がある。ゲド戦記の登場人物たちはそんな人間味に溢れている。だからこそ架空の世界の物語がこんなにも現実味を持って、私の胸を打つのだと思う。
アレンが発することば一つ一つへの信頼感、この人なら大丈夫だという安心感がすごかった。3巻の彼を思い返してみても成長が嬉しい。
そして何より驚いたの -
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Posted by ブクログ
2019/05/21
死を拒絶することは生を拒絶することでもあるんだよ。
生きている者が死にたくないと思うのは当然かもしれないが、そのことと永遠の命を求めることは全く別のこと。その永遠の命を求めた者の愚かしさと、それを手にした者の寂しい末路が描かれていた。と同時に、道に迷う者の足元をそっと照らす灯火のようなゲドの言葉が、なんだか身にしみた。力を持ったとするならば、それは世界の調和や均衡を守るために使われるべきなんだろう。そして正しい判断のもと、正しい行動をとるには世界のことをもっと知らなくては。何を正しいとするかは、人によって異なるということを根底に。 -
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ゲド戦記の第四作。
回を重ねるごとに、どんどん暗くなっていくゲド戦記だが、この作品はマジに暗い。
親から虐待により、身も心もボロボロになった少女テルー(顔や身体の半分は醜い火傷)。虐待のおぞましい体験で心を閉ざしてしまった彼女を引き取る、魔法使いであった過去を持つテナー。
物語は、ふたりの女性を軸に、邪悪が支配しつつあるゴント島の人々を描く。
ゲドはどうしたか?
もはや力をなくし、世捨て人のような存在で登場する。
暗い。。。暗すぎる。。。
この物語、宮崎二世監督が映画化したらしいが、エンターテイメント要素は0なのに、子供達を喜ばせる事ができたのか不思議。
観てないのでなんとも言えないが、 -
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ゲド戦記シリーズの最終巻。
第一巻が30年以上前に書かれたもののに対し、本作は原作が書かれてから10年程度しか経過していないため、随分と読みやすい。
これまで、作者が無意識にはっていた伏線のいくつかが、一本になり、気持ちよい形で終わる。世を反映してだろうか、自分の生き方や心の琴線に触れるフレーズがいくつか見られた。
レビューでは、ゲド戦記とハリーポッターシリーズを比較して書くことが多かったが、全館を読み終えたいま、訳者によるあとがきもヒントにして両者の作品の最大の違いにやっと気がついた。
ハリーポッターシリーズのJ.K.ローリングが、第一巻から意図的に多数の伏線を用意して最終巻まで -
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ゲド戦記の4作目。最初の3作から十数年の間を空けて執筆、出版されたものらしい。それなのに、作品の世界では時の流れをあまり感じさせず、「さいはての島へ」のすぐ続きへとなっている。
これまで、「はてみ丸」とともに多くの航海に出て、様々な島や街へと移動し続けていたゲドが、彼の故郷であるゴントというひとところにじっとしている姿が印象的だった。
大きな仕事をやりきったあとの達成感、そしてそのあとにやって来る二度ともう同じ姿には戻れないという虚しさ・・・
そんな思いがゲドから感じられた。そして少しうらやましく思った。
今作品では、幼い少女が登場する。きっと残りの2巻ではこの少女の生きる道につ -
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異世界ファンタジー。魔法使いや竜の存在する、アースシーという架空の世界を舞台に生きた伝説の大賢人・ゲドの生涯を綴った壮大な叙事詩。
第一巻では、飛びぬけた魔法の才をもって生まれたゲドの少年時代、若さゆえに犯した過ちとその償い、自分自身の影との長い戦いについて描かれています。
以後、巻を重ねながら、やがて大賢人となったゲドが人々を襲う竜と戦い、闇の世界に囚われた巫女を外に連れ出して平和の象徴である伝説の腕輪を取り戻し、長らく不在だった王を即位に導き、不死を求めた魔法使いによって崩された世界の均衡を取り戻し……と、さまざまな伝説を残していきます。
第四巻からは、それまでの戦いによって力を -
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魔法学院のあるロークで大賢人となったゲドのもとへエンラッド国から王子アレンが国の異変を告げにやってきた。
西のナルベデュエン島では魔法の力が失われているのだという。しかし、魔法の力の喪失はアースシーのあらゆるところで起きていた。
ゲドはアレンと共に問題の解決のために旅立つ。
老成し、大賢人として、そして唯一の竜王となった魔法使いのゲド。前作『こわれた腕環』から本作までの間には、結構な時間的隔たりがあるのだが、ゲドはアースシー各地で多くの逸話を残したことがわかる。
この3巻はこれまでの『影との戦い』『こわれた腕環』以上に冒険モノとしての側面が大きく、アースシーの世界各地で始まっている異変解消の -
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ゲド戦記別冊。
ゲド戦記の作者アーシュラ・K.ル=グウィンの作品解説、エッセイ、講演などが5編、短編が2編、ゲド戦記の翻訳者である清水真砂子さんと作家中島京子さんの解説が2編という構成の短編集。
岩波少年文庫から出ているのがちょっと驚き。一応ターゲットは少年少女なのか・・・?
ゲド戦記は昔読んで難しくてよくわからなかったというボーとした記憶がある。
(たぶん)未読の「アースシーの風」、「ドラゴンフライ アースシーの五つの物語」を読んでみようかな。
p137
「第一歩はまず振り返って自分の影についていくこと」
p139
「自分自身の影をうまく扱うことを学びさえすれば、この世界のために、なにか -