アーシュラ・K.ル=グウィンのレビュー一覧

  • 影との戦い ゲド戦記1
    不評価だったジブリアニメと全く違い、面白かった。母親を知らず我儘に育ったダニーだが、女呪い師に教えられた魔法の呪文で、魔力を操れるアビリティを強く持った稀に見る少年だった。
    ある日、侵略者ガルガドの兵士を魔法で追い返し、廃人のようになるが、オンギンに助けられて、真の名〈ゲド〉を授けられる。普段はハイ...続きを読む
  • 帰還 ゲド戦記4
    すごかった。全てをやり遂げた男と女のその後の物語だ、とまったりと読んでいたら、最終章で披露されるテルーの秘密に全部持ってかれた。
  • 影との戦い ゲド戦記1
    「映画とベツモノすぎる!!」が最初の感想です。
    宮崎吾朗監督のジブリ映画を最初に知っていた分、驚きました。あれは原作から舞台と設定、名前を拝借した全く違う作品です。
    ル=グウィンが怒ったのも納得…


    主人公が背負った運命から、美しい文体に惹き込まれ、ページを捲る手が止まりません。
    “真の名”を教え...続きを読む
  • 影との戦い ゲド戦記1
    久々にファンタジーにのめり込んで夢中で読んだ。
    長い旅だったが、最後の結末に、なにか自分と重ねてじわりと染み入るものを感じた。
    2巻を読むのが待ち遠しい。
  • 影との戦い ゲド戦記1
    何度目かの再読。
    にもかかわらず、忘れすぎてて普通にドキドキしながら読めた。
    以前同様、世界の均衡や、光と影など響く言葉がいくつかあったのだけど、学んだ陰陽五行思想と合致するところが今回はたくさんあり、より面白さを感じられた。さいはての地へ向かう冬至の説明は、そのまま天中殺だったし。光と影は陽と陰。...続きを読む
  • アースシーの風 ゲド戦記6
    子どもの頃から読み続けて
    遂に大団円。感慨深い。

    読む度に発見があり、
    最終感はローク的な価値観も相対化されている。
    著者が常に現代を意識しながら
    書き続けてきたからか?

    著者も、鬼籍に入り
    もう本当に続きが書かれないのが残念
  • 影との戦い ゲド戦記1
    中学校以来の再読。30年以上経っても、やはり素晴らしい。メインは、本人が傲慢さから呼び出してしまった影との戦いなのだが、その道程の中で、龍との戦いにかったり、古代の精霊の誘惑に打ち勝ったりと、後世の伝説に残る英雄的な行いをしているが、どちらも影から逃げていく中でのやむを得ない選択で、本人にとっては必...続きを読む
  • 影との戦い ゲド戦記1
    作り上げられた世界観、人間らしさがよく描かれていて面白かった。ハリーポッター好きな人は好きだと思います。ただ、背表紙にネタバレが書いてあるので、読まないほうがいいです!笑
  • 影との戦い ゲド戦記1
    ことばは沈黙に
    光は闇に
    生は死の中にこそあるものなれ
    飛翔するタカの
    虚空にこそ輝ける如くに
    『エアの創造』


    この言葉の意味を、最初はオジオンから、そして学院での長たち、自己顕示欲とそれに伴う失敗からゲドと共に少しずつ感じ取っていった。そしてラストシーン。それを本当に自分のものにできたような気...続きを読む
  • さいはての島へ ゲド戦記3
    どうして、ゲド戦記を読むとこんなにも心が揺さぶられるのか。生と死を真っ正面から見つめることの恐ろしさを感じて、しかし登場人物と共に、それと向き合い、「生きる」ことを選び取っていく勇気をもらえるからなのだと思う。
    生きていくことはこんなにも難しく、また恐ろしく、そして勇気のいることなのだろうと。自分た...続きを読む
  • 帰還 ゲド戦記4
    「こわれた腕輪」のテナーとゲドが再会する話。
    あの話で二人は確かに惹かれあっていたんだな、とわかる。
    テナーが結婚したと知った時にどう思ったか?という話題で、ゲドは「がっかりした。」と答えている。テナーは魔法使いになるのをやめたことだと思ったみたいだけど、私は恋愛としてでは?と思った。
    それから、テ...続きを読む
  • 影との戦い ゲド戦記1
    ファンタジーだが、本当によく出来ている。
    何度も巻頭の地図を見て、どの辺りにいるのか想像した。
    才能のある健康な若者がアースシーの世界中を旅するのが羨ましい。魔法使いという存在が魅力的に描かれている。
    彼が傷心で学院で勉強する時に、オジオンと過ごした日々を思い出すのが良い。一緒にいる時は生意気で退屈...続きを読む
  • ドラゴンフライ ゲド戦記5 アースシーの五つの物語
    ゲド戦記、アースシーを舞台にした短編集だが、これは4と6と同時進行で読むか、4、5、6と順番に読むのがいいかもしれない。
    作者がどうしてフェミニスト作家と呼ばれるのか、よくわかった。フェミニストといっても、エコロジカルフェミニストという範疇にはいるのではないだろうか。
    女をどう描くかというのは常に挑...続きを読む
  • 帰還 ゲド戦記4
    3冊目のゲド戦記から16年後に発表されたゲド戦記4番目のお話。訳者の清水さんが書いているように、竜の親分カレシンに乗ってゴント島に帰ってきたゲドを迎えたのは、2巻目でゲドとともにハブナーに伝説の腕輪を持ち帰ったテナーだった。
    この巻は、そのテナーが再び主人公になり、養子に迎えたテルー、そして一切の魔...続きを読む
  • こわれた腕環 ゲド戦記2
    第1作目のゲド戦記は、少年ゲドの成長物語だったが、これは主に少女テナーのが囚われの身から自由になるまでの物語である。
    闇の者、名のなき者たち、つまりは死の世界に属する精霊の世界で大巫女アルハ(「名がない」という意味)は、「選ばれた少女」として特別な位置にいながらも、実際には闇の世界の奴隷として生きて...続きを読む
  • 影との戦い ゲド戦記1
    ウルトラハードな運命。常にボロボロ。悲壮感が強い。なぜかって、だいたいは命の危機。そんな彼がちょっと驕っただけで、終わらない影の追撃とか。不条理だ。

    自分の影には追われると行動を狭められる。
    逃げても体力の限界がくる。
    だから、狩る側にまわらなければいけない。真理だ。

    西洋の魔術世界をベースに、...続きを読む
  • 帰還 ゲド戦記4
    このゲド戦記シリーズは大魔法使いの一生の中で一貫して
    人間世界がもたらした視野の狭い知識と知恵と所有意識によって
    自然界の調和した食物連鎖に見る営みからはみ出した
    人間の強欲と対立関係が必要とする嘘と秘密による暴力と
    イジメ真理からなる無理心中とも言える共食い問題について
    文化的な無限なるモノとして...続きを読む
  • さいはての島へ ゲド戦記3
    一貫してこの作者は自主性を貫いて
    けして脅しや不安恐怖による命令で
    人の心を奪って自分の思惑で物事を動かし
    無理強いした解決を良しとしない

    浅知恵であろうと怯えからであろうと
    本人のその時その場の意思と選択を尊重し
    むしろこの物語の主人公の成長を可能にするために
    自分の肉体を提供しようとすらしてみ...続きを読む
  • こわれた腕環 ゲド戦記2
    過渡的で中途半端な知識と知恵がもたらしている
    神と崇めて依存する闇に包まれた死の世界と
    全体観という限りない成長を理解して
    調和の循環で共生する大自然とに迷い
    先取りという権利に依存することで
    不安恐怖に陥り混乱してきた迷える人間社会

    富と保障に依存するお互いの契約による安全のほかに
    もっと確かだ...続きを読む
  • アースシーの風 ゲド戦記6
    玉石垣で有名な八丈島で、石垣の上に腰掛けて読みました。

    生死の国を分ける石垣。
    アースシーとは違う風にのって西へ行くとたどり着く死者の国。
    東の、最新技術の魔法は遅れてるけれど太古の力の残る国から渡ってくる輪廻思想。

    3巻目から登場するレバンネンの葛藤がいいです。
    王子と慕われ、優れた王として治...続きを読む