アーシュラ・K.ル=グウィンのレビュー一覧
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このゲド戦記シリーズは大魔法使いの一生の中で一貫して
人間世界がもたらした視野の狭い知識と知恵と所有意識によって
自然界の調和した食物連鎖に見る営みからはみ出した
人間の強欲と対立関係が必要とする嘘と秘密による暴力と
イジメ真理からなる無理心中とも言える共食い問題について
文化的な無限なるモノとして掘り下げている
この自滅的問題を逆手に取ることで自分とその環境が不安恐怖に陥り
全体観を見失っているという事実を知って
自らの意識をもって自然界の真理を解き明かし
自律へ向かう集いの道を切り開けるようになっている
このパラドックスこそが
無限なる全体観と有限なる部分からなる自己簡潔構造が示す
こ -
Posted by ブクログ
一貫してこの作者は自主性を貫いて
けして脅しや不安恐怖による命令で
人の心を奪って自分の思惑で物事を動かし
無理強いした解決を良しとしない
浅知恵であろうと怯えからであろうと
本人のその時その場の意思と選択を尊重し
むしろこの物語の主人公の成長を可能にするために
自分の肉体を提供しようとすらしてみせる
この自主性の村長こそが全体観につながる
調和を目指すことで
どの部分にとっても最善の喜びへ向かう旅になることを
意味しているのだと伝えたいようだ
何かを決断するときには
「ある」と「する」のどちらかを選ばなければならない
そこに「ある」人生に添うことと
何かを選んで「する」人生に踏み出すこ -
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ゲド戦記第三巻。
…苦戦しました…お好きな方には申し訳ないですが今回けっこう辛口感想です。
決して単調なお話ではないはずなのに、文章がとっても静謐で、しっかり気を張って読まないと心が他所へ彷徨い出しそうになっちゃう(つまり集中するのが難しかった)
ネタバレしつつ感想言うと、要するに「地獄めぐり」というか「黄泉平坂」というか…まあ、生と死の狭間の話ですね。
きっとゲド戦記の、アメリカ人が書いたのにどこか東洋っぽい感じが人気なのかなと個人的には思ってます。そういう世界観を味わうにはいいんだけど、なんだか新鮮味に欠ける気がしちゃいました。たぶん後世の作品にこの作品の要素がバンバン入っちゃって -
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ネタバレゲド戦記、読み終えた。どこかで読んだような。と思ったら、西のはての年代記と似た作り……いや。作者さんが同じだから似てて当たり前なのだけど、ゲド戦記から魔法と竜をぬいたら西のはての年代記になるのねと思った。
本編を終えてから、伝外を読んでよかった。『アースシーの風』を先に読むか、伝外を先なのか……迷った。結果。私は伝外を後にしてよかったと思った。
迷うのはこの伝外に帰還とアースシーの風の間の物語が入ってるから。時系列順に読みたいというこだわりがあるなら、伝外が先の方がいいのかも。……私、時系列よりもメイン重視。脇道の話は後からじっくり読みたい。
物語は5つ。
「カワウソ」
魔法の島、ロークの -
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いやはやこれは凄い。
これが児童文学ってジャンルなのは本当か。本当なのか。私には禅問答だったり哲学だったりのルグウィンさんの思う世界の有り様のようなお話と思う。これ全世界の子供が理解できるのか。
今回はアレンという若き王子の物語。テナーの巻もそうだった。若き者の驕り~己の事を知り成長する過程が、心情が詳細に綴られるので見えてくる。そんでそれをゲドが付かず離れずで見守る。
ドラゴンとか出てくるのでファンタジーなんだけど、人間であるということはどういうことか、を突き付けられてる感じ。でてくる「敵」は一体何なのか(ネタバレなので書かないケド)。
読後は、いやぁこれは凄い本よ。
ゲド戦記はこ -
Posted by ブクログ
ずっとずっと、いつかは読むべき本だと、ファンタジーに刮目してから思っていた本にとうとう着手してしまった。
テレビでジブリ作品として見たときは、アニメキャラが他の作品とかぶる(ナウシカのクロトア、千と千尋のカオナシ)とか、ファンタジーのモチーフとしてデジャブ感が、、そしてこの本を読んでもやっぱり既視感が。もしや過去に読んだことあるのか?と思うほど。これって他のファンタジー作家さんが滅茶苦茶本作に影響を受けてるのかしら!?
50年以上前に書かれたもはや古典といってもいいのかと思うけど、世界観が素晴らしい。本の見開きにアースシーの世界というマップがついてるけど、小さい群島まで名前がついてて圧巻で -
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Posted by ブクログ
相変わらず渋い展開というか、何をしたいんだか分からないままに旅を続ける、自分探しをするヒッピーみたいな生き様が良くも悪くも全く盛り上がらん。わけで。
とはいえ片やもう死んでる爺さんと、イメージ的には50歳を過ぎたくらいのオッサンという誰向けやねんという年齢設定の中にお姉様も満足的な美少年を付け加えてなんとか彩りを添えてて。だって美少女とかいなくてあるいみ泥臭くて実に昭和な展開なんだもの。女性作者というわけで、そうきたか、と。
そんなこんなで面白いってわけでもないんだけど、爺さんになってもはや金も要らんとなれば名誉にしがみつくのも分かるわけで、いややっぱり誰向けやねんという年齢設定なお話。 -