アーシュラ・K.ル=グウィンのレビュー一覧
-
-
-
-
-
Posted by ブクログ
ゲド戦記第三巻。
…苦戦しました…お好きな方には申し訳ないですが今回けっこう辛口感想です。
決して単調なお話ではないはずなのに、文章がとっても静謐で、しっかり気を張って読まないと心が他所へ彷徨い出しそうになっちゃう(つまり集中するのが難しかった)
ネタバレしつつ感想言うと、要するに「地獄めぐり」というか「黄泉平坂」というか…まあ、生と死の狭間の話ですね。
きっとゲド戦記の、アメリカ人が書いたのにどこか東洋っぽい感じが人気なのかなと個人的には思ってます。そういう世界観を味わうにはいいんだけど、なんだか新鮮味に欠ける気がしちゃいました。たぶん後世の作品にこの作品の要素がバンバン入っちゃって -
-
Posted by ブクログ
ネタバレゲド戦記、読み終えた。どこかで読んだような。と思ったら、西のはての年代記と似た作り……いや。作者さんが同じだから似てて当たり前なのだけど、ゲド戦記から魔法と竜をぬいたら西のはての年代記になるのねと思った。
本編を終えてから、伝外を読んでよかった。『アースシーの風』を先に読むか、伝外を先なのか……迷った。結果。私は伝外を後にしてよかったと思った。
迷うのはこの伝外に帰還とアースシーの風の間の物語が入ってるから。時系列順に読みたいというこだわりがあるなら、伝外が先の方がいいのかも。……私、時系列よりもメイン重視。脇道の話は後からじっくり読みたい。
物語は5つ。
「カワウソ」
魔法の島、ロークの -
-
Posted by ブクログ
いやはやこれは凄い。
これが児童文学ってジャンルなのは本当か。本当なのか。私には禅問答だったり哲学だったりのルグウィンさんの思う世界の有り様のようなお話と思う。これ全世界の子供が理解できるのか。
今回はアレンという若き王子の物語。テナーの巻もそうだった。若き者の驕り~己の事を知り成長する過程が、心情が詳細に綴られるので見えてくる。そんでそれをゲドが付かず離れずで見守る。
ドラゴンとか出てくるのでファンタジーなんだけど、人間であるということはどういうことか、を突き付けられてる感じ。でてくる「敵」は一体何なのか(ネタバレなので書かないケド)。
読後は、いやぁこれは凄い本よ。
ゲド戦記はこ -
Posted by ブクログ
ずっとずっと、いつかは読むべき本だと、ファンタジーに刮目してから思っていた本にとうとう着手してしまった。
テレビでジブリ作品として見たときは、アニメキャラが他の作品とかぶる(ナウシカのクロトア、千と千尋のカオナシ)とか、ファンタジーのモチーフとしてデジャブ感が、、そしてこの本を読んでもやっぱり既視感が。もしや過去に読んだことあるのか?と思うほど。これって他のファンタジー作家さんが滅茶苦茶本作に影響を受けてるのかしら!?
50年以上前に書かれたもはや古典といってもいいのかと思うけど、世界観が素晴らしい。本の見開きにアースシーの世界というマップがついてるけど、小さい群島まで名前がついてて圧巻で -
-
-
Posted by ブクログ
相変わらず渋い展開というか、何をしたいんだか分からないままに旅を続ける、自分探しをするヒッピーみたいな生き様が良くも悪くも全く盛り上がらん。わけで。
とはいえ片やもう死んでる爺さんと、イメージ的には50歳を過ぎたくらいのオッサンという誰向けやねんという年齢設定の中にお姉様も満足的な美少年を付け加えてなんとか彩りを添えてて。だって美少女とかいなくてあるいみ泥臭くて実に昭和な展開なんだもの。女性作者というわけで、そうきたか、と。
そんなこんなで面白いってわけでもないんだけど、爺さんになってもはや金も要らんとなれば名誉にしがみつくのも分かるわけで、いややっぱり誰向けやねんという年齢設定なお話。 -
-
Posted by ブクログ
ネタバレ自分の可能性に目を閉じ、ひたすら与えられた役割を全うすることを求められた少女の生きる道。息が詰まりそうな慣習とそれに付随する彼女に課せられた大巫女としての責務。それが当たり前だと生きてきた少女が目の当たりにしたのは、先人たちが作り上げた信仰という名の悪意と、自分の中に潜む己とは何者なのかに対する純粋な探究心と好奇心。その二つが垣間見えた時、少女は大海を知る魔法使いハイタカに出会う。戸惑いつつも、ハイタカとの信頼を築き己たちを解き放った彼女の目の前に広がったのは、自由というなの新しい世界。1人の少女が成長し、自分の生きる道を切り拓いていく姿を神秘性を帯びさせながら描き切った物語。
-
Posted by ブクログ
とても難しい。難しいからこそ、ゲドの元へ来た王子アレンを通して、読者は問答をしながら答えを探しているような気がする。
物語全体としては、1巻と同じく目に見えない漠然とした恐怖、いつ魔法がなくなるかわからない不安というものがあって、本当に少しずつ糸口は見えてくるのだけれど、掴めるようで掴めない闇だからこそ、もがいてもがいて、どうなってしまうのかとハラハラしどうしてある。なぜ魔法がなくなろうとしているのか?魔法が使えないということ、そしてドラゴンまでもが言葉を失うという恐ろしい事態が起こっている、しかしその原因はどうにも雲をつかむよう…けれど足の進む先、船の向かう先にあると信じて進む旅は、はやく終