アーシュラ・K.ル=グウィンのレビュー一覧

  • 帰還 ゲド戦記4
    再読。3巻を読むのに辛抱すれば4巻はグッと面白い。
    そして作者の問いかけがあるばかりで、答えは読者に委ねられているので腰を据えて読まないといけない。
    しかし正直、個人的には、やはりテナーにはオジオンの弟子になり、ゲドが初めての人であって欲しかったかな。特に息子に対する失望をテナーが語る場面では、こち...続きを読む
  • さいはての島へ ゲド戦記3
    再読だが以前読んだ記憶がほとんどない。物語中盤まで変化がないので不安になるが、竜が出てきてからはどんなに騒音の中でものめりこめるぐらいの面白さ。4巻が出るまで長らく全3巻と見なされていたのも納得できる。
  • 影との戦い ゲド戦記1
    最後に影と光が一体となる所が哲学的で良い。ラノベとは一味違う古典的な名著です。テレワークの気分転換に。
  • 影との戦い ゲド戦記1
    面白かった。
    どこか懐かしい気分のする昔懐かしい牧歌的世界、魔法、夢を持った青年ゲド。ゲドは多くのものを失ったり自分から手放したりするけれど、魔法には一途だったと思います。ゲドの中で魔法の意味も変わってはいるのだろうけど、青年ゲドの変わっていないしょっぱさは最後までしっかりあったように感じました。...続きを読む
  • 帰還 ゲド戦記4
    性別、自由、力など現代社会にも通ずる様々な問題についてテナーやゲドとともに考えさせられた。
    ゲド戦記を読むと、自分の使うことばにもっと注意を払って、そして責任を持とうと思える。
    大賢人となったゲドも人間であり、弱さもあって、完璧ではない。シリーズ第2巻で自由を手に入れたテナーも、その後様々な苦しみに...続きを読む
  • アースシーの風 ゲド戦記6
    テハヌーの独り立ち。
    いつもテナーの陰に隠れていたテハヌーが、王やロークの魔法使い、カルカドの王女と関わりを持っていく。彼女の生い立ちを思うと、彼女を育てたのが、二人の子供を育て終わった熟練のテナーとゲドで良かったと思う。また彼女自身も彼らを父母と認められて良かった。
    レバンネンは恐らく30歳前後に...続きを読む
  • さいはての島へ ゲド戦記3
    2019/05/21
    死を拒絶することは生を拒絶することでもあるんだよ。

    生きている者が死にたくないと思うのは当然かもしれないが、そのことと永遠の命を求めることは全く別のこと。その永遠の命を求めた者の愚かしさと、それを手にした者の寂しい末路が描かれていた。と同時に、道に迷う者の足元をそっと照らす灯...続きを読む
  • こわれた腕環 ゲド戦記2
    1巻より断然面白い。1巻よりだいぶ狭い世界の話なおかげで、世界観の描写がとても充実している。はじめの1/3くらいは神殿での生活を延々と描くだけでほとんど展開らしい展開はないが、世界観を積み上げていく感じがとてもいい。展開のある後半よりも、ひたすら描写に徹する前半の方がかえって読んでて面白かったように...続きを読む
  • さいはての島へ ゲド戦記3
    「影との闘い」の次に好きな作品。

    生への欲望に飲み込まれた人間・魔法使いが力を失い、世界の均衡を失っていく。死を否定することは生をも否定すること。過去を否定することは未来をも否定すること…。当たり前のことだけど、納得。

    ゲドが強くてかっこいい。ゲドへの信頼と猜疑心に揺れながら成長していくアレンも...続きを読む
  • ドラゴンフライ ゲド戦記5 アースシーの五つの物語
    当初は「ゲド戦記外伝」という題で出されたもの。アースシーの五つの物語が描かれている。「カワウソ」「ダークローズとダイヤモンド」「血の骨」「湿原で」「ドラゴンフライ」の五作品。
  • 帰還 ゲド戦記4
    ゲド戦記4。ゴント島で一人暮らすテナーは、魔法の力を使い果たしたゲドと再会し、大やけどを負った少女とともに、共同生活をする。やがて、三人は、領主の館をめぐる陰謀に巻き込まれる。
  • こわれた腕環 ゲド戦記2
    ゲドは、平和をもたらす力を持つエレス・アクベの腕環を求めて、アチュアンの墓地へ。暗黒の地下迷宮を守る大巫女の少女アルハが、ゲドの助けを得て、そこを抜け出すストーリー。
  • こわれた腕環 ゲド戦記2
    二作目となる「こわれた腕輪」も子供の成長を描いた作品。
    但し、物語の主人公はテナーという少女に変わる。

    神殿の巫女として、ごく狭い世界しか知らなかったテナーの
    成長(という表現が正しいかは微妙だけど)の物語。

    魔法使いとして成長したゲド自身も出てくるが、あくまで
    テナーの成長を補助する役割になっ...続きを読む
  • ドラゴンフライ ゲド戦記5 アースシーの五つの物語
    ゲド戦記五作目(日本的には?)。

    いくつかの短編集で構成されている外伝的作品。
    個人的なオススメは地の骨とドラゴンフライ。

    オジオンの昔話はぜひ読みたかったから嬉しかった。
    そして、彼だけはオジオンの方がしっくりくる。

    ドラゴンフライについては、四作目と六作目の繋ぎの
    話でもあるから、これだけ...続きを読む
  • 帰還 ゲド戦記4
    ゲド戦記四作目。
    ここからは、テハヌーが主人公となる。

    この作品だけは他の作品と比べて、かなり話の内容が違う印象。
    テハヌーが主人公でそれを補佐するのがテルーなので、凄く
    女性色が出てくる。物語の舞台が男尊女卑って感じなので
    それがまた不思議な感じ。
  • さいはての島へ ゲド戦記3
    ゲド戦記三作目。
    大賢人となったゲドと若き王子レバンネンが、
    世界の均衡を保つために旅に出る。

    ゲドから言わせると、レバンネンとゲドの旅。
    大賢人としてのゲドもしっかり活躍してくれる
    ので読む側としても嬉しい限り。
  • こわれた腕環 ゲド戦記2
    過去の価値からの自由、プレモダンからモダンへの変化を描いていると言える。神は死んだ。いや、元々、神なんか存在していなかったんだ。現代の魔法使いたちは何処へ旅をするのだろうか?
  • 帰還 ゲド戦記4
    ゲド戦記の第四作。

    回を重ねるごとに、どんどん暗くなっていくゲド戦記だが、この作品はマジに暗い。
    親から虐待により、身も心もボロボロになった少女テルー(顔や身体の半分は醜い火傷)。虐待のおぞましい体験で心を閉ざしてしまった彼女を引き取る、魔法使いであった過去を持つテナー。
    物語は、ふたりの女性を軸...続きを読む
  • アースシーの風 ゲド戦記6
     ゲド戦記シリーズの最終巻。
    第一巻が30年以上前に書かれたもののに対し、本作は原作が書かれてから10年程度しか経過していないため、随分と読みやすい。
     これまで、作者が無意識にはっていた伏線のいくつかが、一本になり、気持ちよい形で終わる。世を反映してだろうか、自分の生き方や心の琴線に触れるフレーズ...続きを読む
  • 帰還 ゲド戦記4
    色が違う。いままでと。
    かなり大人向けだなぁ。
    テナーはもともと不安定なとこがあったけど、
    今回も不安定で、
    でもテルーのことすごく思ってるのがわかる。
    ハイタカが変わっちゃってるのが悲しくて、
    テナーのいらいらもよくわかるわ。