伊藤祐靖のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
自衛隊特殊部隊の創設に関わったという著者が放つドキュメントノベル。
さすが臨場感に溢れ、迫力満点。
北朝鮮でクーデターが起き、日本人拉致被害者が生存しているという情報を得、海自の特別警備隊が奪還に向かう。
政治家や制服組の懸念にもかかわらず、警備隊らは奪還を強行する。
事前情報とは異なる状況に、多大な犠牲を払うことになるが、その一連の出来事の背景にはアメリカのある陰謀があったとは。
複層的に外交政治を絡ませ、単なる奪還劇に終わらせず、読み応えがある。
「日本人は、一旦愛国心に火が付くと右も左もなくなる」という、ある人物の言葉は心に留めておかねば。
また、「自衛官は、捕虜にならない。なれないんだ -
Posted by ブクログ
放談は、宮嶋氏主導で進み、宮嶋氏の博識に驚嘆するのですが、「第5章 生命と財産より大切なもの」の箇所は少し毛色が違う。
なんというか伊藤氏の修羅場をくぐってきた迫力とでもいうのでしょうか、特に章中の「恐怖における迷いと悩みの違い」のくだりは、深いな、と何度も読み返しました。
その他印象に残ったのは以下。
○「日本人は北方領土をいつ取り返すんだ?」(宮嶋氏がウクライナ人から質問された言葉)
○(ウクライナは)国内に十分な食料がある。かたや日本は(海上封鎖がおきれば)ほぼ一ヶ月で底をつく。
○(台湾有事の際は)与那国より宮古島(下地島)がポイント。
○「安倍やめろデモなんて中国では出来な -
購入済み
リアルさが溢れる作品
ウクライナ戦争の終結が見えず、台湾征服が現実味を増している今こそ読むべき本であった。尖閣を巡る冒頭からのやり取りは今にも実際にありそうな話で、粛然とする思いである。著者は元自衛官で特殊部隊の創設に関わった方ととのこと。話の隅々までリアルさが溢れている。
-
Posted by ブクログ
本当は国家の危機を表すような事件でも、ひとごとであれば一時たてば忘れてしまいがちです。
しかし、最前線、現場でそれを見た人であれば、二度と同じようなことは起こさない、と命を燃やして闘いつづける日が始まることになります。
知っているようで知らず、最近はある種の正義の味方のようなとらえ方さえされる「自衛隊」は、ある世代以上の年代には、どこに就職できない人の行き場のように言われていたことを覚えていると思います。
異世界でありながら、目に見えない安全を護る仕事。
ひょんなきっかけと、少しの勘違い、そしてそれを現実にする家族の血統。そうした様々なものが折り重なり、唯一無二の人生を歩んだ一人の男性 -
Posted by ブクログ
元々軍隊ものが好きだったが、組織を作った人の作品を読んだのは初めて。
書名がとてもインパクトがあるため、なかなか手に取りづらいかとは思うが、現代日本に生きる概ね高校生くらいからであれば読んでおいて一つの価値判断の基準と出来るのかと思う。
太平洋戦争と言うとよく知りもしないで拒否反応を示す人が多いかとは思うし、自分もまだまだ勉強不足ではあるけれども何故当時の人達があそこまで滅私奉公をし、国に殉ずる事が出来たのか、そして現代の私たちが何故国と言うものに対していまいち「愛国心」を持てていないのかなどが理解できた。
使命感とは何か、について考える一助にもなるだろう。 -
Posted by ブクログ
実は今年の1冊目に読んだのが、この本だった。
めちゃくちゃ過激なタイトルなんだけど、自衛隊の「特殊部隊」創設のことが知りたくて。
帯に「右でも左でもない」ってあるんだけど、私もそうです。と最初に言っておきますw
最近では映画でもドラマでも、警察や自衛隊の「特殊部隊」が普通に登場してくるけど、どんな理由でできたのか、そもそもいつからあったの?って思ってた。
能登半島沖不審船事件をきっかけに、海上自衛隊に設立された「特別警備隊」。
冒頭は不審船事件の模様が、その現場にいた筆者の目線で描かれていて、その臨場感たるやいきなりクライマックスのよう。
手に汗握り心震わせながらページをめくった。
その -
Posted by ブクログ
平和な国に暮らす一般市民が持ち合わせないような経験や感覚が語られており、一読に値すると思う
日本という国家そのものの意志や方向性はどうなっているのか、国民の意識にも一石を投じる主張であるが、これはプーチン大統領をはじめ、国内外の各方面から指摘されている内容だと感じた。
あらゆる暴力が否定され、電子化された情報で瞬く間に拡散・共有される今の時代には、ミンダナオの戦士は古典的な騎士道に近いものを感じたが、世の中で一国だけが平和憲法をうたったところで世界平和が訪れるわけでないのは人類の低俗性を象徴しているかもしれない
ただ筆者のような人物がいなければ国も民族も消え去ってしまうこともあるだろうし、尊敬