伊藤祐靖のレビュー一覧

  • 自衛隊幻想 拉致問題から考える安全保障と憲法改正

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    拉致問題が安全保障上の問題であることを政府も国民も強く意識できていない現状がある。

    本書を読むことで、拉致問題をあらためて安全保障上の問題として捉え、ひいては憲法改正、自衛隊の運用、政府の役割などを再考する切り口を得ることができる。

    本書は安倍内閣の安保法制の整備の時期に出版されたものだが、当時の安保法制の審議などの不十分さについても指摘している。

    また、国家理念の欠如や憲法と実際の矛盾など、自衛隊が実力組織であるのか、いざというときに政府が行使できるのか、自衛隊員が意義を持って命をかけることができるのか、様々な問題を考えることができる。

    拉致問題を切り口として考えることで、戦後戦わない自衛隊を国家として是としてきたことの矛盾や不健全さに気づくことができる。

    法的な解釈はさておき、現状の自衛隊部隊や外務省職員で構成する救出作戦シミュレーションをしていることも面白い。

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    先日荒木氏の講演を聞く機会があったので追記。
    参加のいわゆる保守系のような方々の質問なども含め、講演のところどころで、政府、官公庁、自衛隊などへの不満感や高度な要望が感じられた。
    保守系の方の中にも自衛隊に対して厳しい目を向けていることを知った。

    個々の政治家、職員、隊員レベルでは与えられた役割の範囲で問題意識を持っているとは思うが、
    こと拉致問題については安全保障の問題として真剣に考えているか分からないというのが実態だろう。
    切り口としては拉致問題だが、憲法はじめ国家理念の欠如や、真に国家のためになる政府や軍隊となれていないことへの問題提起が裏論点だと感じた。

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    2025年07月28日
  • 日本の特殊部隊をつくったふたりの“異端”自衛官 - 人は何のために戦うのか! -

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    特殊作戦群を構想~立ち上げし、初代群長も務めた荒谷氏と特別警備隊初代先任隊長の伊藤氏の対談本。

    創設の経緯や目的もことなる陸海の特殊部隊の対比も面白い。

    特殊部隊で共通していることは通常の軍隊(自衛隊)の武力行使と異なり高度に政治的な意図をもって運用される前提であり、

    要求される作戦は高難易度かつ未知のものとなるため、隊員は命令に沿って遂行する能力というよりは、

    現場で柔軟に自ら作戦遂行に必要な行動を決める能力が求められる。



    両氏の自衛隊の入隊動機や守りたいものについても対談中触れられている。

    特に荒谷氏がいかに海外留学などを経て問題意識を持ち、当時日本に不足していた特殊部隊を創設したかの想いも感じられる。

    また死生観や国家観についても触れられており、そうした背景に基づいた精神性が特殊部隊に込められていることも知ることができた。

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    2025年07月28日
  • 邦人奪還―自衛隊特殊部隊が動くとき―(新潮文庫)

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    実話ではないが、作者は自衛隊出身なので、かなりリアルに日本の自衛隊や海上保安庁について書かれていたのではないかと思う。
    ハラハラドキドキもしたが、軍隊ではないことが前提の自衛隊はいろいろな矛盾をはらんでいて物事を複雑にしているということがわかった。

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    2024年07月24日
  • 陸軍中野学校外伝蒋介石暗殺命令を受けた男

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    想像してたのとは違ったが、技術立国と言う言葉を作り、日本の戦後の復興の一翼を担った伊藤均の生涯を息子さんが記したもの。日本人の矜持、無二の世界観等読み応えがあった。

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    2024年01月16日
  • 邦人奪還―自衛隊特殊部隊が動くとき―(新潮文庫)

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    日本て『現場は超一流』『政治はニ流以下』です。

    いつも日本を守ってくれている自衛隊に感謝です。

    現実には本書のような『行動』が出来るのかは知識がありませんが、いまの日本て「外交」がサッパリなのでますます自衛隊への負担が増すばかりだと思いました。



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    2024年01月08日
  • 邦人奪還―自衛隊特殊部隊が動くとき―(新潮文庫)

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    自衛隊特殊部隊の創設に関わったという著者が放つドキュメントノベル。
    さすが臨場感に溢れ、迫力満点。
    北朝鮮でクーデターが起き、日本人拉致被害者が生存しているという情報を得、海自の特別警備隊が奪還に向かう。
    政治家や制服組の懸念にもかかわらず、警備隊らは奪還を強行する。
    事前情報とは異なる状況に、多大な犠牲を払うことになるが、その一連の出来事の背景にはアメリカのある陰謀があったとは。
    複層的に外交政治を絡ませ、単なる奪還劇に終わらせず、読み応えがある。
    「日本人は、一旦愛国心に火が付くと右も左もなくなる」という、ある人物の言葉は心に留めておかねば。
    また、「自衛官は、捕虜にならない。なれないんだよ。日本の軍隊はないと憲法で宣言しているよな。だから軍人は存在しない。軍人じゃない人間は捕虜になれない。ジュネーブ条約だの何だので規定してある捕虜の権利は一切認められない。それが自衛官だ」は、元自衛官の著者の体験から出た言葉だろう。自衛隊の特殊な立場を感じられずにいられない。

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    2023年09月19日
  • 邦人奪還―自衛隊特殊部隊が動くとき―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    尖閣諸島上陸からスタートし、最後は北朝鮮拉致被害者の奪還へのフィクションではあるが、元自衛官だけあって生々しい描写とリアルある話であった。特に決断力のない国民世論だけを気にする政治家の様子がまさにリアル。そして綺麗事では済まない話の展開とエンディング。最後に奪還した邦人の話があまり詳しくなかったのが気になるところでは会ったがいつ起きてもおかしくないそんな話であった

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    2023年09月11日
  • 君たちはこの国をどう守るか

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    放談は、宮嶋氏主導で進み、宮嶋氏の博識に驚嘆するのですが、「第5章 生命と財産より大切なもの」の箇所は少し毛色が違う。
    なんというか伊藤氏の修羅場をくぐってきた迫力とでもいうのでしょうか、特に章中の「恐怖における迷いと悩みの違い」のくだりは、深いな、と何度も読み返しました。

    その他印象に残ったのは以下。

    ○「日本人は北方領土をいつ取り返すんだ?」(宮嶋氏がウクライナ人から質問された言葉)

    ○(ウクライナは)国内に十分な食料がある。かたや日本は(海上封鎖がおきれば)ほぼ一ヶ月で底をつく。

    ○(台湾有事の際は)与那国より宮古島(下地島)がポイント。

    ○「安倍やめろデモなんて中国では出来ない。原発やめろ行進をロシアや中国でやったら逮捕です」

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    2023年08月09日
  • 国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動

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    共感する箇所もあれば、しない箇所もあります。
    でも、問われているテーマそのものは、今の日本で生きている国民全員が、それぞれの立場で考えなければならないテーマだと思います。

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    2023年05月09日
  • 日本の特殊部隊をつくったふたりの“異端”自衛官 - 人は何のために戦うのか! -

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    日本を守りたいと思う人、日本らしさとは何かを思う人達が感じる、現代日本の違和感の正体について、言語化された数少ない書籍。

    荒谷氏と伊藤氏の対談形式は過去にも出版されているが、形式的には初めて「生き死に」について対談した体のため、両氏を知る方には少し物足りないかもしれない。

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    2023年02月04日
  • 邦人奪還―自衛隊特殊部隊が動くとき― 無料お試し版

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    リアルさが溢れる作品

    ウクライナ戦争の終結が見えず、台湾征服が現実味を増している今こそ読むべき本であった。尖閣を巡る冒頭からのやり取りは今にも実際にありそうな話で、粛然とする思いである。著者は元自衛官で特殊部隊の創設に関わった方ととのこと。話の隅々までリアルさが溢れている。

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    2023年02月01日
  • 自衛隊失格―私が「特殊部隊」を去った理由―(新潮文庫)

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    ウクライナで戦争中のこのタイミングでこの本を読んだのも何かの縁であろう。万が一沖縄が、日本人が、外国からの侵略に晒された時、今の日本はどの様に対処できるのか?
    綺麗事では無く、現実に肌で感じる危機感…
    一刻も自分の国は自分で守る。その為にも憲法改正等、今一度日本人それぞれが考える時、また急ぐ時だと痛感した。

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    2022年03月04日
  • 邦人奪還―自衛隊特殊部隊が動くとき― 無料お試し版

    購入済み

    個人と組織の狭間で

    人間というものは組織に所属している以上、個人的に独断で動くことはタブーとされやすい面があります。この作品ではまさにこの面が引っ掛かっており、拉致被害者を早く救いたいという個々人の思いと、それを阻む組織という圧の狭間で、なかなかアクションを起こせないという葛藤を描いています。

    #ドキドキハラハラ

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    2021年12月04日
  • 国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動

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    ラジオ出演した方の著作を読むということが多いが、本書もその一つ。著者は60年代生まれの同世代だが、陸軍中野学校出身の父に育てられた稀有な経歴を持つ。本書を読み進める中、『兵士に聞け』を読み始めたが、自衛隊、自衛官を見る目線はやはり違った。海自特殊部隊創設に携わったが、その完成を見る前に艦船勤務に戻され、退官を決意。「平時と非常時」に対する見解は同感だ。しかし、常に非常時で生きるミンダナオ島での弟子である女性の話は、殺すか殺されるかという極限では野生の本能剥き出しでなければ生きられない悲しさを感じた。

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    2021年10月25日
  • 自衛隊失格―私が「特殊部隊」を去った理由―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    おもしろい内容であった。筆者は蒋介石の暗殺を命じられた父や軍国ばばあといった家族から影響を受け、自身の信念を貫き通す人へとなった。
    また、今も昔も日本人の心のあり方は全く変化していないと感じた。成長するためには「行為」そのもの一つ一つを問う必要があった。

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    2021年09月03日
  • 国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動

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    元々軍隊ものが好きだったが、組織を作った人の作品を読んだのは初めて。

    書名がとてもインパクトがあるため、なかなか手に取りづらいかとは思うが、現代日本に生きる概ね高校生くらいからであれば読んでおいて一つの価値判断の基準と出来るのかと思う。

    太平洋戦争と言うとよく知りもしないで拒否反応を示す人が多いかとは思うし、自分もまだまだ勉強不足ではあるけれども何故当時の人達があそこまで滅私奉公をし、国に殉ずる事が出来たのか、そして現代の私たちが何故国と言うものに対していまいち「愛国心」を持てていないのかなどが理解できた。

    使命感とは何か、について考える一助にもなるだろう。

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    2021年03月12日
  • 国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動

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    これはすごいな。
    タイトルがあんまり良くないんだけど。

    戦うこととはどういうことか。
    生きることとはどういうことか。
    軍人はなぜ戦うのか。
    国とは何か。

    色んなことに著者自身も迷いながら、多分完全な答えはないが、一つ一つの少なくともその場での納得を見せている。

    軍が必要悪というなら少なくとも、悪だという自覚を持てと言った、大学時代の後輩がいる。

    そんな奴には生涯何に守られているか理解できないだろう。

    つか、立憲民主党、これ読め。

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    2021年03月06日
  • 国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動

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    先日読んだ著者の小説『邦人奪還』がリアル過ぎてある種衝撃を受けたため、本書を手にした次第。
    海上自衛隊に特殊部隊を創設した張本人の体験談、自衛隊退職した後のお話、何れも凄すぎるエピソード。センセーショナルなタイトルだけど、帯にあるように右でもなければ左でもない、危険な政治思想とも関係ない。
    著者のストイックな思想とそれを実現した生き方が抑えられた文体で語られる。
    だからなのか心の奥深くを抉られるような衝撃を今回も受けてしまった。

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    2020年11月01日
  • 国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動

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    2020年45冊目。満足度★★★★☆ 本書の感想を一言で表すなら「凄みのある一冊」。「生と死」について考えさせられました。

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    2020年06月18日
  • 国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動

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    実は今年の1冊目に読んだのが、この本だった。
    めちゃくちゃ過激なタイトルなんだけど、自衛隊の「特殊部隊」創設のことが知りたくて。
    帯に「右でも左でもない」ってあるんだけど、私もそうです。と最初に言っておきますw

    最近では映画でもドラマでも、警察や自衛隊の「特殊部隊」が普通に登場してくるけど、どんな理由でできたのか、そもそもいつからあったの?って思ってた。

    能登半島沖不審船事件をきっかけに、海上自衛隊に設立された「特別警備隊」。
    冒頭は不審船事件の模様が、その現場にいた筆者の目線で描かれていて、その臨場感たるやいきなりクライマックスのよう。
    手に汗握り心震わせながらページをめくった。

    その時その場所にその人がいてくれてよかった。

    その後、「特殊部隊」創設にあたっては、いろいろなしがらみもあり、紆余曲折がある。どこにでもそれはあるのだが、レベルがちがうんだろうなと思う。

    後半は著者の自衛隊を退役してからのお話。
    この方は本当にストイックだし、信念をもって生きているのだなって思う。



    ~作品紹介・あらすじ~
    これは愛国心か、それとも危険思想か――。 自衛隊初の特殊部隊、海上自衛隊「特別警備隊」の創設者が語る「国のために死ぬ」ことの意味。 新安保法制が施行され、自衛官の「戦死」が現実味を帯びてきた。とくに特殊部隊員は明日にでも国のために死ななくてはならない。 だから、「他国とのお付き合い」で戦争するなんてまっぴら御免。 この国には命を捧げる価値があってほしい。 死と背中合わせで生きてきた男の誓いと祈りがここにある。



    彼らは命令があれば命をもかける。

    命令をするのは国である。

    国とは、私たち国民ひとりひとりのはずなのだ。


    「なぜ先祖が子孫のために残した掟を捨てて、他人が作った掟を大切にしているの?」

    日本人ではない弟子の言葉が響いた。

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    2019年10月26日