小倉孝保のレビュー一覧
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最近、ノンフィクション作家の小倉孝保さんの著書に興味を持って読ませていただいております。35年目のラブレター、かなえびと、そして本書踊る菩薩と読み進んでおります。
踊る菩薩はストリッパーの頂点に君臨された一条さゆりさんのお話です。
とは言っても、私は「一条さゆり」の名さえ知らなかったのです。
芸のために生きてきたような人で、壮絶な人生を歩まれます。でもこれもまた特別な人だから与えられた特別な人生。
ストリッパーとして頂点に君臨、引退公演での逮捕、刑務所暮らし、夫の自死、大やけど、生活保護、ドヤ街での暮らし、孤独死。壮絶な人生だけれど、一条さゆりの人生を一生懸命生きてこられた軌跡がここにあ -
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西畑保さんの半生を描いた実話に基づくお話。
冒頭の『はじめに』で、いろいろと思いを巡らしちゃうとこの段階で既に涙腺が崩壊しそう…はやっ!
…歳とったなぁ。。
西畑さんは、とある事情で小学校を卒業することが出来ず、読み書き能力が欠如してしまう。このことに長年コンプレックスを抱えていて、人生の様々な局面で辛い思いをされてきた。
読み書きが出来る前提で世の中が成り立っていて、それが出来ないと、もはや人として社会に認めてもらえないような、そんな現実に疎外感を感じてきたという。
奥さんと巡り合い家庭を築くも、ついに読み書き出来ないことが奥さんにバレてしまう。
その時の奥さんの対応…優しさ、思いやり -
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とても素敵な本に出会うことができました。
涙なしでは読めません――。
この本を読んで、「誰かのために親切にしたい」と自然に思えたし、私自身の死生観さえも変わるような、そんな一冊でした。
子どもが病気になったとき、私たちはつい言ってしまいがちです。
「病気が治ったらね」
「まずは病気を治そうね」
でも、そう言われた子どもは、こう思ってしまうかもしれません。
「病気が治らなければ、何もできないんだ」と――。
でも、本当は違うんです。
本書は、難病の子どもたちの夢をかなえる非営利団体「メイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパン」の初代事務局長・大野寿子さんの活動と、彼女が癌により亡くなるその -
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映画を観たかったけれど、機会を逃してしまい…( ..)՞それなら原作を読んでみよう!と手に取った。
義務教育を受けられず、読み書きができないまま社会に出た西畑保さん。還暦を過ぎ「夜間中学」の存在を知り、入学を決意する。傍で支え続けてくれた妻・皎子さんにラブレターを書くために。感動のノンフィクション。
西畑さんのお人柄なのか、文体のおかげなのか…そこまで重さを感じることなく読み進めたけれど、幼い頃からかなり過酷な経験をされている西畑さん。
辛い出来事が多い中、温かい人たちとの交流があったからこそ、真っ当な人生を歩まれたのだろうな。
読み書きができないまま、社会に出て働く。
本書を読むまで -
Posted by ブクログ
つい最近ナワリヌイの本を読んだばかりだった。
プーチンを批判し、2024年獄中で死んだ。
リトビネンコはそれよりはるか前、2006年、
亡命先のイギリスで放射性ポロニウムを飲まされ、死亡した。
闇に葬られるはずの暗殺を暴いたのは、イギリスの科学力と、
彼の妻マリーナの、真相を明らかにしたい、という執念だった。
この新書はその経緯を10年以上にわたって、関係者、
それも元KGBなど、二重スパイを含む、
かなりきわどい人たちのインタビューで追いかけている。
これを読んで改めて思い知らされるのは、
プーチンの狂気、だ。
何が彼をそうさせるのか?
ソ連復興のため?
敵とみなしたものは容赦なく殺す。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ伝説のストリッパー、一条さゆりの評伝。
今の時代に出すにあたり、ストリップの実態から、時代背景まで、わかりやすく説明。
彼女は、ストリッパーとしては、客へのサービスに注力するあまり、周りに利用され最後は逮捕・収監される。
社会運動のシンボルとして、利用されたことも本人にとっては悪影響となる。
好きになった男たちともうまくいかず、商売をしても主婦業をしても、最終的には破綻。生活保護をうけるようになっても、それでも人に対する気遣いを忘れない。
著者との会話において、”これは彼女の嘘であろう”という表現が散見され、直接会った人の方が情報整理に混乱するような人であったのだろう。
ただひたすら読み進めら