小倉孝保のレビュー一覧
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購入済み
最後の豪傑
期待した通りの内容。とにかく人間としてのスケールが大きい。明治維新の頃はこういう日本人が多かったと思うが、岡本氏は正にその時代の戦士たちの最後の末裔と言えるくらいの人物。人生に悩んでるやつはまずこの本を読め。
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・アイデンティティを保つムスリム
様々な国の血が混じり、アフリカなど色々な国を渡り歩き、数カ国語を操れるジェシカは自分が何者であるか分からなかった。しかし最初の夫の影響でムスリムになり、イスラム教徒というアイデンティティを保つことができた。キリスト教徒だった頃は宗教的な自覚をあまり持たなかったようだ。イスラームの何が人々をそこまで信仰深くさせるのか、まだ私にはまだわからない。
・差別する側とされる側
モザンビークがポルトガル植民地だった時にそこへ渡った人はポルトガル人の中でも裕福ではない人達だった。だからこそ植民地において富への執着がすごかった、という旨の記述がある。これがアフリカ全体に共通 -
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ネタバレ[その先を目指して]着陸態勢に入った飛行機から落ち,ロンドンのアスファルトに叩きつけられた一人の男。新聞のベタ記事を飾るようなそのニュースに興味を持った著者は,「空から降ってきた男」の素性を知ろうとするのだが,彼が直面したのは,移民をめぐる大陸をまたいだ一つの厳しい現実であった......。著者は,日本人として初めて英国外国特派員協会賞を受賞した小倉孝保。
着眼点だけで満点を与えたくなるノンフィクション。ニュースで数字として取り上げられることの多い移民問題ですが,マタダという男性の人生を通して見ることによりその複雑な背景事情を浮かび上がらせることに成功しています。
〜欧州を目指す人の波の -
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ネタバレ西畑保さん、本当に良く頑張りましたね〜同じ人間に生まれてもみんなそれぞれ違う人生を歩む…
私の母や祖母に聞いた話を思い出しながら何度も涙しながら読みました
うちの母も7人兄弟の長女、長男だけは大事にされ、高校まで行かせてもらえたけど、母は中学もあまり行かせてもらえず奉公に出されたと!だから難しい漢字は書けないんだと言っていたのを思い出しました。
保さんは小学2年から学校に行けなくなって、苦労に苦労を重ねて、そのまま結婚し、素敵な奥様に出会えた事で人生が変わりましたね
還暦を過ぎてから学校に通って文章を書く事を学べた
本当に素晴らしい出会いだったと思います
最愛の奥さまにラブレターを書けて本 -
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◯東京への遠征時に読むため、書店で購入。もともと大学で古典ラテン語を履修しており、ラテン語に関する文庫本だったので興味があった。(実際には往復の新幹線は眠ってしまい、この本は読み終わらなかった。)
◯まず最初に、「辞書の完成セレモニー」の場面から始まり、記者がイギリスのラテン語辞書編集者と日本の辞書編集者の間を行ったりきたりしながらインタビューを重ねていくスタイルは、「フェルマーの最終定理」のように物事の経過がわかりやすかったし、自分自身も一緒に旅をして、彼らの話を座って聞いているような臨場感があった。
◯ラテン語辞書を巡る話ではあるが、特に本書内においてはラテン語の単語や文法などについて言及 -
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ネタバレ「一旦ラテン語学ぼうかな」
「効率化や利益がなくても価値ある生活とは?」
⚫︎英国人の文化と誇りをかけた中世ラテン語辞書について。日本で言う漢文=ラテン語、共通言語とした会話言葉はなくとも読み書き言葉として利用され続けてきたという点が面白い!日本ではアイヌ語が絶滅の危機にあるというが、日本のアイデンティティの確立(言語は元の言語がなくなってしまうとそのアイデンティティを喪失する?)という点で考え直すべきなのか
⚫︎結局は全てギリシャ文化が1番であり、それを理解する為、かつローマ帝国拡大により普及せざるを得なかったラテン語の存在は面白く、これだけ言われるとぜひ学びたくなる
⚫︎本書では利益や効 -
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一条さゆりという、いまから50年ほど前に活躍したストリッパーの評伝。現在、振り返られるとしたら神代辰巳の映画か、ストリップは娯楽か犯罪かで最高裁まで争った事件で名前が出るくらいかもしれない。
一条は「特出し」と呼ばれる、陰部を見せるストリップで人気を博したらしい。それが逮捕の原因となり、最終的に実刑になる。時代背景もあって全共闘やウーマンリブの活動家が支援していたそうで、いまでも一条を「反骨のストリッパー」として、反権力やフェミニズムの象徴のように扱う記事もあった。
しかし、一条本人はせいぜい「自分を応援してくれるひとたち」くらいに思っていたようで、お上に逆らう気もなければ、女性解放運動に