小倉孝保のレビュー一覧
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ネタバレ伝説のストリッパー、一条さゆりの評伝。
今の時代に出すにあたり、ストリップの実態から、時代背景まで、わかりやすく説明。
彼女は、ストリッパーとしては、客へのサービスに注力するあまり、周りに利用され最後は逮捕・収監される。
社会運動のシンボルとして、利用されたことも本人にとっては悪影響となる。
好きになった男たちともうまくいかず、商売をしても主婦業をしても、最終的には破綻。生活保護をうけるようになっても、それでも人に対する気遣いを忘れない。
著者との会話において、”これは彼女の嘘であろう”という表現が散見され、直接会った人の方が情報整理に混乱するような人であったのだろう。
ただひたすら読み進められた。ここ数年に読んだノンフィクションの中でもトップクラスに面白かった。 -
購入済み
最後の豪傑
期待した通りの内容。とにかく人間としてのスケールが大きい。明治維新の頃はこういう日本人が多かったと思うが、岡本氏は正にその時代の戦士たちの最後の末裔と言えるくらいの人物。人生に悩んでるやつはまずこの本を読め。
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Posted by ブクログ
・アイデンティティを保つムスリム
様々な国の血が混じり、アフリカなど色々な国を渡り歩き、数カ国語を操れるジェシカは自分が何者であるか分からなかった。しかし最初の夫の影響でムスリムになり、イスラム教徒というアイデンティティを保つことができた。キリスト教徒だった頃は宗教的な自覚をあまり持たなかったようだ。イスラームの何が人々をそこまで信仰深くさせるのか、まだ私にはまだわからない。
・差別する側とされる側
モザンビークがポルトガル植民地だった時にそこへ渡った人はポルトガル人の中でも裕福ではない人達だった。だからこそ植民地において富への執着がすごかった、という旨の記述がある。これがアフリカ全体に共通することならば、黒人差別はそのような貧しい白人の余裕の無さから生まれたのではないか。
植民地時代は白人が黒人を奴隷としていた。時代が変化した今は黒人が黒人を奴隷としている。ジェシカはメイドさんを人として扱いたかったが、大富豪の黒人一家はそうは考えていなかった。ジェシカはそこに大きな違和感を感じている。
・裕福を知ったマタダ
村にいた頃は大人しく良い子だった。しかし都心に出稼ぎに行き、世の中には富める人がいる事を知ってしまった。そして身近にジェシカが居るからこそ、尚更自分の境遇に嫌気が刺してしまった。最後の方ではイマームに家族はいないと言っている。貧乏社会と縁を切りたかったのだろう。
・汚職文化のモザンビーク
いくら役人に金を払っても出生証明書やパスポートが出来上がらない。富めるものは富み、貧しい者は貧しいまま。
・独立後の混乱
植民地から独立してもその後に待つのは内戦。独裁政権を転覆してから国内が収集つかなくなるのと同じ。
・法に守られる社会
アフリカは賄賂社会であり、金さえあれば警察だって何だって操ることができる。そしてムスリム文化も手伝って、夫婦の揉め事に警察は口を挟まない。家族、親戚間で解決すべき事柄だからだ。
しかし欧州では家庭内問題に法の力を及ばせることができる。人は家族単位でなく個人単位で見られるのだ。
・筆者のイスラーム理解について
筆者は終始ジェシカとマタダに性的関係があったのに、ジェシカは否定しているのではないかと疑っている。しかしムスリムに相当強く影響されていた2人が婚前交渉に及ぶ事は例えひとつ屋根の下にいた事実があっても考えられない。本来であれば同室に寝ることすら神に反している上に婚前交渉を冒すことは、当時究極に追い詰められ、神にすがるしかない2人には起こりえないと私は思う。
私の仲の良い敬虔なムスリムの友達は「イスラムでは正式に夫婦間以外の性交渉を認めていない点で非常に優れている。神に反することはできないから。」と言っていた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ[その先を目指して]着陸態勢に入った飛行機から落ち,ロンドンのアスファルトに叩きつけられた一人の男。新聞のベタ記事を飾るようなそのニュースに興味を持った著者は,「空から降ってきた男」の素性を知ろうとするのだが,彼が直面したのは,移民をめぐる大陸をまたいだ一つの厳しい現実であった......。著者は,日本人として初めて英国外国特派員協会賞を受賞した小倉孝保。
着眼点だけで満点を与えたくなるノンフィクション。ニュースで数字として取り上げられることの多い移民問題ですが,マタダという男性の人生を通して見ることによりその複雑な背景事情を浮かび上がらせることに成功しています。
〜欧州を目指す人の波の裏に何があるのか。普段は集合体でしかとらえることのない移民現象を,マタダの人生を通して,具体化してみせることが可能だと思った。〜
それにしてもこの終焉は切なすぎる☆5つ -
Posted by ブクログ
難病の子供たちの夢を叶える「メイク・ア・ウイッシュ」という活動の存在をこの本で始めて知ることに。闘病だけの人生を余儀なくされる難病の子供たちの、小さな希望の光となっていくエピソードの数々に胸を打たれる。特にhideで涙。最近読んだ「スピノザの診察室」のマチ先生の「病は治らなくても幸せを感じることはできる。そのために自分は何ができるか」という哲学が思い出される。まさにそれを真剣に実践している。
この活動を支えてきた大野寿子さんの半生と最期のプロジェクトがこの本のメイン。どんな状況でも笑顔と感謝で寄り添える人柄が伝わってくる。私も、少しでも相手に力を与えられる人にならなくてはと、改めて思う。