小倉孝保のレビュー一覧

  • 中世ラテン語の辞書を編む 100年かけてやる仕事

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    自分の仕事の結果が遠い将来にならないと分からない中で、「単に好きだから」という理由でずっと作業を継続する人々のエネルギーを感じた。他にも、時間をかけて丁寧な仕事をすることの大事さ、古典などの文化の伝承は時間と手間をかけてでも行うべきであるという考え方、日本語も滅びゆく言語になりかねないとの警鐘、など多角的な気づきを貰った本である。

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    2023年08月28日
  • 踊る菩薩 ストリッパー・一条さゆりとその時代

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    ネタバレ

     かつて全国で300を超えたストリップ劇場は20を切っている。ストリップはパチンコと並ぶ、庶民向け娯楽の王様だった。歌謡界に美空ひばり、プロ野球に長嶋茂雄がいたように、ストリップには一条さゆりがいた。小倉孝保「踊る菩薩」、2022.8発行、371頁、ストリッパー・一条さゆりとその時代を描いたノンフィクション。伝説になるまでの過程、逮捕・収監、芸術かわいせつかの論議、ドヤ街の酔いどれ女神、転落の人生。1937.6.10、キューポラの町、川口市に誕生、さゆりは吉永小百合からか、1997.8.3、肝不全で没。

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    2023年08月20日
  • ロレンスになれなかった男 空手でアラブを制した岡本秀樹の生涯

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    むちゃくちゃな男だけど、スケールがデカすぎで、やりたい放題で中東を駆け抜けたすっごい実話でした。おもしろい。

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    2022年01月25日
  • ロレンスになれなかった男 空手でアラブを制した岡本秀樹の生涯

    購入済み

    最後の豪傑

    期待した通りの内容。とにかく人間としてのスケールが大きい。明治維新の頃はこういう日本人が多かったと思うが、岡本氏は正にその時代の戦士たちの最後の末裔と言えるくらいの人物。人生に悩んでるやつはまずこの本を読め。

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    2020年09月04日
  • 空から降ってきた男―アフリカ「奴隷社会」の悲劇―

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    なんとも切ない。貧困から脱したかった、賄賂が蔓延る国から出たかった、等々理由はあるだろうけれど、やっぱり彼女の元に行きたいというのが大きかったんだろうなあ。ロマンティック過ぎるかな。

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    2020年08月05日
  • 空から降ってきた男―アフリカ「奴隷社会」の悲劇―

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    ・アイデンティティを保つムスリム
    様々な国の血が混じり、アフリカなど色々な国を渡り歩き、数カ国語を操れるジェシカは自分が何者であるか分からなかった。しかし最初の夫の影響でムスリムになり、イスラム教徒というアイデンティティを保つことができた。キリスト教徒だった頃は宗教的な自覚をあまり持たなかったようだ。イスラームの何が人々をそこまで信仰深くさせるのか、まだ私にはまだわからない。

    ・差別する側とされる側
    モザンビークがポルトガル植民地だった時にそこへ渡った人はポルトガル人の中でも裕福ではない人達だった。だからこそ植民地において富への執着がすごかった、という旨の記述がある。これがアフリカ全体に共通

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    2018年01月31日
  • 空から降ってきた男―アフリカ「奴隷社会」の悲劇―

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    ネタバレ

    [その先を目指して]着陸態勢に入った飛行機から落ち,ロンドンのアスファルトに叩きつけられた一人の男。新聞のベタ記事を飾るようなそのニュースに興味を持った著者は,「空から降ってきた男」の素性を知ろうとするのだが,彼が直面したのは,移民をめぐる大陸をまたいだ一つの厳しい現実であった......。著者は,日本人として初めて英国外国特派員協会賞を受賞した小倉孝保。


    着眼点だけで満点を与えたくなるノンフィクション。ニュースで数字として取り上げられることの多い移民問題ですが,マタダという男性の人生を通して見ることによりその複雑な背景事情を浮かび上がらせることに成功しています。

    〜欧州を目指す人の波の

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    2016年11月21日
  • 空から降ってきた男―アフリカ「奴隷社会」の悲劇―

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    ある快晴の朝、着陸態勢に入った飛行機からロンドン郊外に転落し、命を落としたモザンビーク出身の黒人青年。無謀と見える密入国に駆り立てた背景に何があったのか。丁寧な取材が掘り起こす衝撃の事実と、アフリカの今を活写する傑作ルポルタージュ。

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    2016年06月20日
  • 柔の恩人~「女子柔道の母」ラスティ・カノコギが夢見た世界~

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    ちょうどオリンピックの時期、女子柔道競技が華やかに開催されている今この本を読んで本当によかった。不覚にも涙しました。

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    2013年05月08日
  • 35年目のラブレター

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    西畑さんという子供の頃から文字が書けないことで大変苦労された人生を描いている。
    筆者の明確で分かりやすい文章から西畑さんの辛い出来事の数々が伝わってくる。
    それでも努力を見ている人はいる現実に心があたたまるストーリー。

    西畑さんの前向きな姿勢に、私自身元気をもらえました。

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    2025年11月06日
  • 35年目のラブレター

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    「日本社会は読み書きができない人は存在しないことを前提に動いている」重すぎる言葉だ。貧困や差別にめげずに夜間中学で懸命に学んだ保さん。彼を支え続けた妻の皎子さん。貴い実話である。

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    2025年09月21日
  • 35年目のラブレター

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    人には言えない「できないこと」に対して、何歳であっても向き合おうとする姿勢に心を打たれました。時代の背景もあり、いろんな事情を抱えていた西畑さんですが、ラブレターを奥さんに届けたいという一心で今まで避けてきた自分自身に向き合おうとするところに目には涙が浮かんでいました。

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    2025年08月09日
  • 35年目のラブレター

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    当たり前ににできる読み書きが、自分の世界をどれだけ豊かにしてくれているか改めて感じられる本。
    読み書きができない苦しいコンプレックスを抱えながらも、主人公はまっすぐな心を持ち続けて人と接して、差別を受けたり虐められたりしてきた人に対して、自分よりも辛い経験をしてきたんだろうと想像し、自然と相手の心に寄り添っていたことが印象的だった。
    わたしも主人公の奥さんのように、相手のコンプレックスを受け入れて理解して包み込めるような人間になりたいな。

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    2025年07月24日
  • 35年目のラブレター

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    ネタバレ

    西畑保さん、本当に良く頑張りましたね〜同じ人間に生まれてもみんなそれぞれ違う人生を歩む…
    私の母や祖母に聞いた話を思い出しながら何度も涙しながら読みました

    うちの母も7人兄弟の長女、長男だけは大事にされ、高校まで行かせてもらえたけど、母は中学もあまり行かせてもらえず奉公に出されたと!だから難しい漢字は書けないんだと言っていたのを思い出しました。

    保さんは小学2年から学校に行けなくなって、苦労に苦労を重ねて、そのまま結婚し、素敵な奥様に出会えた事で人生が変わりましたね
    還暦を過ぎてから学校に通って文章を書く事を学べた
    本当に素晴らしい出会いだったと思います
    最愛の奥さまにラブレターを書けて本

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    2025年04月10日
  • 35年目のラブレター

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    いくつになっても学ぶことは楽しいということを教えてもらった。誰にとっても、今日が一番若い日で、今学びたい、これをやってみたいと思うことが出てきたら、今から始めたらいいのだなと改めて思った。
    西畑さんの明るさや、人を悪く思わないところ、妻に感謝の想いを伝えたいという真っ直ぐな想いを持っているところに心を打たれた。直筆のラブレターも載っており、その字からたくさんの想いを感じることができ、素敵だった。手紙っていいなと思った。

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    2025年03月18日
  • 35年目のラブレター

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    ネタバレ

    小学校に2年間しか通っておらず、字の読み書きができないまま大人になった西畑保さんが、60歳を過ぎてから夜間学校に通い、妻にラブレターを書く実話。西畑さんの壮絶な生い立ちに引き込まれた。私が同じ境遇だったら、卑屈になりそう。西畑さんは字の読み書きが出来なくても、人柄の良さで人生を乗り切ったんだろうと思う。

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    2025年02月11日
  • 踊る菩薩 ストリッパー・一条さゆりとその時代

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    名作。伝記系の中でも読みやすく面白かった。
    是非とも動いている彼女を拝んでみたかった。
    映画をどこかで視聴しようと思う。

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    2024年11月27日
  • 中世ラテン語の辞書を編む 100年かけてやる仕事

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    ◯東京への遠征時に読むため、書店で購入。もともと大学で古典ラテン語を履修しており、ラテン語に関する文庫本だったので興味があった。(実際には往復の新幹線は眠ってしまい、この本は読み終わらなかった。)
    ◯まず最初に、「辞書の完成セレモニー」の場面から始まり、記者がイギリスのラテン語辞書編集者と日本の辞書編集者の間を行ったりきたりしながらインタビューを重ねていくスタイルは、「フェルマーの最終定理」のように物事の経過がわかりやすかったし、自分自身も一緒に旅をして、彼らの話を座って聞いているような臨場感があった。
    ◯ラテン語辞書を巡る話ではあるが、特に本書内においてはラテン語の単語や文法などについて言及

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    2023年10月22日
  • 中世ラテン語の辞書を編む 100年かけてやる仕事

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    ネタバレ

    「一旦ラテン語学ぼうかな」
    「効率化や利益がなくても価値ある生活とは?」

    ⚫︎英国人の文化と誇りをかけた中世ラテン語辞書について。日本で言う漢文=ラテン語、共通言語とした会話言葉はなくとも読み書き言葉として利用され続けてきたという点が面白い!日本ではアイヌ語が絶滅の危機にあるというが、日本のアイデンティティの確立(言語は元の言語がなくなってしまうとそのアイデンティティを喪失する?)という点で考え直すべきなのか
    ⚫︎結局は全てギリシャ文化が1番であり、それを理解する為、かつローマ帝国拡大により普及せざるを得なかったラテン語の存在は面白く、これだけ言われるとぜひ学びたくなる
    ⚫︎本書では利益や効

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    2023年05月17日
  • 踊る菩薩 ストリッパー・一条さゆりとその時代

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    一条さゆりという、いまから50年ほど前に活躍したストリッパーの評伝。現在、振り返られるとしたら神代辰巳の映画か、ストリップは娯楽か犯罪かで最高裁まで争った事件で名前が出るくらいかもしれない。

    一条は「特出し」と呼ばれる、陰部を見せるストリップで人気を博したらしい。それが逮捕の原因となり、最終的に実刑になる。時代背景もあって全共闘やウーマンリブの活動家が支援していたそうで、いまでも一条を「反骨のストリッパー」として、反権力やフェミニズムの象徴のように扱う記事もあった。

    しかし、一条本人はせいぜい「自分を応援してくれるひとたち」くらいに思っていたようで、お上に逆らう気もなければ、女性解放運動に

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    2023年04月11日