あらすじ
オリンピック女子柔道躍進を支えた感動秘話。
女子柔道のオリンピック種目化のために闘ったユダヤ系アメリカ人女性柔道家、ラスティ・カノコギの生涯を描く感動のノンフィクション。彼女がいなければ、女子柔道は20年遅れていたかもしれない……。
「釘になるな、ハンマーになれ」それが、彼女の口癖だった。
幼少期は、差別と貧困のどん底にいた。少女時代は、街でけんかに明け暮れた。全てを擲った最初の結婚も失敗……。そんな彼女を救ってくれたのは、「JUDO」という名のスポーツだった。やがて彼女は、柔道のために、自分の全人生と全財産を懸けた壮絶な闘いに挑んでいく――。
「(日本で)柔道を学ぶうちに、“内に秘めた強さ”というものがあることを知った。……他人に対して何かができることこそ、本当の強さだと知った」(ラスティの言葉より)
「強さ」とは、「力」だけではない。「強い」だけが貴いわけじゃない――。柔道のために孤軍奮闘し続けた、不屈のアメリカ人女性柔道家の知られざる人生の記録。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
女性は競技として柔道はしなくていいという男女差別の中、必ず女子柔道をオリンピックの競技種目にするという目標を強く持ち、時代に抗って戦ってきたユダヤ系アメリカ人女性柔道家、ラスティ。
イノベーションを起こす人はやはり普通ではない。目的達成のためなら不可能を可能にする強さをみた。
柔道発祥の地の日本人ではなく、アメリカ人女性がここまで情熱を持って女子柔道の道を開かれたのにはびっくりしました。
Posted by ブクログ
女子柔道の母がユダヤ系アメリカ人とは!
当然、日本人の女性が先頭になってその確立に尽力したのかと勝手に思っていました。
大柄なあり余る体力を若い頃は非行に走ったことも逮捕·留置されたこともあるが、柔道に出会ってからその魅力に取り憑かれ、女子柔道の世界選手権やオリンピックの競技化に道を拓いた外国人が居たなんて全く知りませんでした。
名誉や地位、金銭に淡泊でただ一途に柔道取り組んだラスティ、骨髄癌で82才でなくなるもその功績に晩年日本から叙勲を受けたり、再婚の相手である日本人の柔道家鹿子木氏との幸せな私生活もあったことが幸いです。
勝利のみを競わず、人間的成長、精神修養を重視する日本柔道に心を動かしたラスティ、日本柔道の精神がこれからも世界に広がることを期待したいと思います。