あらすじ
夫アレクサンドル・リトビネンコは放射性物質によってプーチンに暗殺されたのか? その真相を明らかにするため、妻マリーナは立ち上がった。だが、この動きを妨害する英国、ロシア。その大国の壁を乗り越え、主婦がプーチンに挑み勝利するまでの過程を、マリーナと親交がある著者が克明に描き出す。同時に、ウクライナ侵攻に踏み切ったプーチンの特殊な思考回路や性格、そのロシアとの外交に失敗した国際政治の舞台裏、さらに国家に戦いを挑んだ個人の姿と夫婦の愛を描く、構想12年の大作ノンフィクション!
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Posted by ブクログ
つい最近ナワリヌイの本を読んだばかりだった。
プーチンを批判し、2024年獄中で死んだ。
リトビネンコはそれよりはるか前、2006年、
亡命先のイギリスで放射性ポロニウムを飲まされ、死亡した。
闇に葬られるはずの暗殺を暴いたのは、イギリスの科学力と、
彼の妻マリーナの、真相を明らかにしたい、という執念だった。
この新書はその経緯を10年以上にわたって、関係者、
それも元KGBなど、二重スパイを含む、
かなりきわどい人たちのインタビューで追いかけている。
これを読んで改めて思い知らされるのは、
プーチンの狂気、だ。
何が彼をそうさせるのか?
ソ連復興のため?
敵とみなしたものは容赦なく殺す。
個人も、国も。
彼なりの論理はあるのだろうが、無茶苦茶だ。
まあ、その無茶苦茶が伝染して、
習近平もトランプも、やりたい放題になりつつある。
その意味で弱腰日本はましなのか?
いや、衰退する日本に合って省益のため、あるいは政治家稼業のためだけに邁進し、
一般国民から税、社会保険料を吸い取る偏差値エリート官僚や世襲議員も同じかもしれない。
小物なだけだ。
それにしてもプーチン、、、
昔はかっこいいイメージがあったけど。
歳をとりすぎたのか?
もともとこうだったのか?
何にしても長期政権はいかん。年寄りは消えるべきだ。
プロローグ ポロニウムで死んだ日本人
第1章 英国の壁
第2章 二人の出会い
第3章 暗殺事件
第4章 国際政治の壁
第5章 支援者たち1 アハメド・ザカエフ(亡命チェチェン人)
第6章 支援者たち2 ウラジミール・ブコウスキー(元政治犯)
第7章 支援者たち3 オレグ・ゴルジエフスキー(元二重スパイ)
第8章 支援者たち4 アレックス・ゴールドファーブ(「正義依存」のユダヤ人)
第9章 主婦の勝利
エピローグ 燃えさかる家に飛び込む女性たち