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不幸で、嘘つきで、どこまで優しく。昭和の男社会を「溢れるしずく」を武器に、その身ひとつで生き抜いたストリッパーの本格評伝。
ウーマンリブが台頭してきた時代、わいせつ裁判を通して、図らずも「反権力の象徴」に祭りあげられた一条。普通の生活がしたいと願うも、周囲はそれを許さず、本人もまた酒と嘘と男に溺れていく。
極貧の幼少期、絶頂期、刑務所暮らし、夫の自死、大やけど、生活保護、ドヤ街での暮らし、孤独死……。ひとりの女性としては幸せだったと言えないかもしれないが、芸人としては最高の人生だったと、生前の彼女を知る者は口を揃える。
人間が持つ美点と欠点を、すべて曝け出しながら駆け抜けた彼女の生涯を描く。
プロローグ 中田カウスの恩人
第一章 溢れるしずく
第二章 一条さゆりの誕生
第三章 警察との攻防
第四章 時代が生んだ反権力の象徴
第五章 芸術か、わいせつか
第六章 塀の中、束の間の平穏
第七章 暗転
第八章 釜ケ崎に暮らす
第九章 ドヤ街の酔いどれ女神
第十章 過ぎゆく日々のなかで
第十一章 見事な最期
エピローグ 拝まれる人
Posted by ブクログ 2023年04月11日
一条さゆりという、いまから50年ほど前に活躍したストリッパーの評伝。現在、振り返られるとしたら神代辰巳の映画か、ストリップは娯楽か犯罪かで最高裁まで争った事件で名前が出るくらいかもしれない。
一条は「特出し」と呼ばれる、陰部を見せるストリップで人気を博したらしい。それが逮捕の原因となり、最終的に実...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年11月01日
波瀾万丈な生涯を送った
一条さゆりさんというストリッパーさんのルポ。
扇情的なコピーが並んでますが、
この本の真髄はそこじゃありません。
彼女はたまたま不器用で、
転落人生を送ってしまったけど、
心がピュアな女性こそ、
彼女の気持ちや行動が痛いほど理解できると思います。
打算的な気持ちが...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年01月24日
伝説のストリッパー、一条さゆりの評伝。
今の時代に出すにあたり、ストリップの実態から、時代背景まで、わかりやすく説明。
彼女は、ストリッパーとしては、客へのサービスに注力するあまり、周りに利用され最後は逮捕・収監される。
社会運動のシンボルとして、利用されたことも本人にとっては悪影響となる。
好きに...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年08月20日
かつて全国で300を超えたストリップ劇場は20を切っている。ストリップはパチンコと並ぶ、庶民向け娯楽の王様だった。歌謡界に美空ひばり、プロ野球に長嶋茂雄がいたように、ストリップには一条さゆりがいた。小倉孝保「踊る菩薩」、2022.8発行、371頁、ストリッパー・一条さゆりとその時代を描いたノンフィ...続きを読む
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