ねじめ正一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2年1組の黒板には不満があります。
こどもたちは黒板を見ないし、先生は書かずにしゃべってばかりで黒板を使いません。
黒板は王様の食卓になりたいのです。
がまんして黒板をやっているのです。
ある日一念発起して王様の食卓になろうと教室を抜け出します…
これは黒板の転職の話。
夢を追いかけて苦難に立ち向かい、えいやっと新しい世界に飛び込みますが、そこは厳しい競争の世界。
ライバルたちがたくさんいます。
他を目指して再び旅立つものの、更なる苦難の連続。
満身創痍、助けてもらったところでやっと居場所をみつけます。
最初に夢見た世界ではないですが、自分を必要としてくれる場所、納得できる場所を見つ -
購入済み
元タイトル 我、食に本気なり
読んでいた当時を思い出さてくれるもので、とても懐かしかった。 挿絵を書いていた南伸坊さんも、とても文章にマッチしていた事を思いさせる。 ただ納豆の記述がないので、食べないのか、思い出はないのかなと、今、ふと思ってしまった。
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Posted by ブクログ
野球が好きな自分にとって、読書芸人で名前を聞いたときからずっと気になっていた作品。当時の子供たちにとって、長嶋茂雄という存在がいかにスーパースターだったのかが全身にしみ渡ってくる一冊だった。
全編通して少年の語り口調で綴られているので、子供ならではの感性の瑞々しさに胸を揺さぶられたり、自分の少年時代を懐古させられてしみじみとしてしまったり。お世辞にも恵まれているとは言えない過酷な生活環境に置かれた少年は、それでも自分の中にいる長嶋を信じて、迷ったり落ち込んだりしながらも突き進んでいく。その姿勢が本当に素敵だし、それだけの希望として光り輝ける長嶋茂雄が……なんかもう、スーパースターって言葉すら安 -
Posted by ブクログ
面白かったー。大変恥ずかしながら登場人物をほとんど知らないし、ねじめ正一作品も初めてでしたが引き込まれました。実話を元に書いている小説のようですが、登場人物たちと著者の距離感が絶妙でなんとも言えない。あんな勝手な男どものそばに居るどの女性にも共感できないけど、詩人なんて、男なんて勝手なものなんだろうし身近でなければ勝手な人間の人生は面白いのだ。解説で西川美和が「夫を生かしているのは自分の支える<生活>であるという自負が妻達を生かしている。毒々しいまでのその自負が蔑ろにされることで、妻たちは壊れた」「生活を舐めたことで男は生活に復讐されたが代わりに生きた言葉の湧き出す人生を手にした」というような
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Posted by ブクログ
小学生の絵日記のような文章が、微笑ましくていつしか引き込まれ、読み終わってもずっとこの先も読んでいたくなる。
巨人の長嶋が大好きで大好きで仕方ない野球少年のノブオくん。昭和30年代の日本にはノブオくんみたいな男の子がたくさんいたんですよね。今のジャニーズアイドルもかなわないくらいの国民的ヒーローだった長嶋茂雄さん。そんなヒーローを胸に抱え、ノブオくんは何度も何度も傷ついて、何度も何度も長嶋さんに助けられ、そして「借り物ではない本物の男の子」になっていきます。
ノブオくんの母親は、今なら児童相談所の案件になるレベルの人だけど、ノブオくんの心にいる長嶋が、折れた心をグワァーんと元の位置へ戻してい