ねじめ正一のレビュー一覧

  • 長嶋少年

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    長嶋さんの訃報を機に手に取ってみた。
    この街はなんだかヤバイ大人が沢山登場するけど、子供には優しい、昭和の東京の下町ってこんな感じだったんだろうか?
    長嶋が好きすぎて、長嶋が生き甲斐で、長嶋が居ればどんなことも乗り越えられる。
    野球を知らない人も、ある意味、現代の推し活みたいなすごく共感できて、面白かった。
    この時代は、こういう長嶋ファンの子供がたくさんいたんだろうな。
    下手な特番よりもよっぽど長嶋茂雄の凄さを感じさせられた。

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    2025年06月17日
  • そらとぶこくばん

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    2年1組の黒板には不満があります。
    こどもたちは黒板を見ないし、先生は書かずにしゃべってばかりで黒板を使いません。

    黒板は王様の食卓になりたいのです。
    がまんして黒板をやっているのです。

    ある日一念発起して王様の食卓になろうと教室を抜け出します…

    これは黒板の転職の話。

    夢を追いかけて苦難に立ち向かい、えいやっと新しい世界に飛び込みますが、そこは厳しい競争の世界。
    ライバルたちがたくさんいます。
    他を目指して再び旅立つものの、更なる苦難の連続。

    満身創痍、助けてもらったところでやっと居場所をみつけます。
    最初に夢見た世界ではないですが、自分を必要としてくれる場所、納得できる場所を見つ

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    2022年05月30日
  • 商人

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    江戸中期、日本橋瀬戸物町の鰹節商、伊勢屋にんべんの物語。
    小説なんでドラマティックなんですよ。家業で商人三代というとドラマが無い方がおかしいってもんで。商売をすることとは、なぜ商いをするのか、誰のためか、何のためか。最後に辿り着くのは「伊勢屋にんべん」のあり方、存在意義なんでしょうね。物語なので時代ならではのことはあるけれど、ビジネス書よりビジネスのことが書かれていると思います。

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    2022年01月17日
  • ねじめ正一の商店街本気グルメ

    購入済み

    元タイトル 我、食に本気なり 

      読んでいた当時を思い出さてくれるもので、とても懐かしかった。 挿絵を書いていた南伸坊さんも、とても文章にマッチしていた事を思いさせる。 ただ納豆の記述がないので、食べないのか、思い出はないのかなと、今、ふと思ってしまった。

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    2020年06月03日
  • 認知の母にキッスされ

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    高齢で死に行くこと、認知症。同義なのかもしれない。その進行をコミカルに徹するが、具に観察する作者の目。狼狽え、右往左往する自分自身も、書き物になる時点では冷静に分析している。自分を選んで責め、喚く母親。その喚き声も弱って行く母親。言葉がはっきりしなくなる。自分名前を呼ばなくなる。息子である自分を認識している事が確認できなくなる母親。食事以外は寝ている母親。自分のための介護から、ただ母の命に寄り添う介護へ。お母様は本当に幸せでした。

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    2019年02月01日
  • 認知の母にキッスされ

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    ねじめ正一さんが、認知症になったお母さんのケアを始めて看取るまでの話。
    お母さんとのやり取りなど、面白おかしく書かれているが、生半可な大変さではなかったはず。

    たとえ、認知症になっても最後まで人として気持ちよく過ごしてもらいたいのはヤマヤマだが、自分は母にここまでできるか、考えさせられた。

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    2018年01月20日
  • 長嶋少年

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    野球が好きな自分にとって、読書芸人で名前を聞いたときからずっと気になっていた作品。当時の子供たちにとって、長嶋茂雄という存在がいかにスーパースターだったのかが全身にしみ渡ってくる一冊だった。
    全編通して少年の語り口調で綴られているので、子供ならではの感性の瑞々しさに胸を揺さぶられたり、自分の少年時代を懐古させられてしみじみとしてしまったり。お世辞にも恵まれているとは言えない過酷な生活環境に置かれた少年は、それでも自分の中にいる長嶋を信じて、迷ったり落ち込んだりしながらも突き進んでいく。その姿勢が本当に素敵だし、それだけの希望として光り輝ける長嶋茂雄が……なんかもう、スーパースターって言葉すら安

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    2016年03月21日
  • 長嶋少年

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    ネタバレ

    まっすぐな思い、ライバルの存在。野球を、長嶋茂雄を通して成長してゆく少年。誰もが持ってた純粋な気持ちを思い出させてくれる。

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    2015年12月03日
  • おふくろ八十六、おれ還暦

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    淡々としてるけど、なんだかおかしい
    そして今頃気づく
    うちの父も86だった
    あたしは還暦じゃないけどね

    帯でびっくり
    先の話を…
    気になるから次も買うけどさ

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    2014年10月12日
  • 荒地の恋

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    ネタバレ

    50歳すぎた詩人の色恋と友情と生活の話だ。親友の妻と恋に落ち、それをわざわざ自分の妻に告白して、仕事を追われ、家を出るのだからまったく駄目なオヤジだ。色恋と貧乏と、彼の友人たちはそれに酒が加わって、文学者というのはどうしようもない。でもそれだからこそ魅力的だ。金や権力が大好きで立派な服を着て偉そうにしている人達より、ずっとチャーミングだ。人間なんてほんとはみんなダメダメだ。文学者(芸術家)というのは素直な人達だ。みんな体裁を整えようなんて思わずに、素直な人生を送ればいい。

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    2014年09月05日
  • 荒地の恋

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    田村隆一と北村太郎、田村の四番目の奥さん和子と詩友北村太郎の恋話、僕と死ぬまで付き合ってくれませんか、田村の詩も、田村の人生も、もしかしたら殺し文句で出来上がっている。詩は道楽からは生まれない。田村隆一は詩のためだけに生きている男である。−昭和53年に田村は二年ぶりに新しい詩ー水平球ーを出した。
    ーきれいじゃないか、初夏の、五月の自然は。人間なんていい加減なものだ。天気ひとつでこんなにも気分が晴れ晴れとするんだからな。

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    2012年02月25日
  • 荒地の恋

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    面白かったー。大変恥ずかしながら登場人物をほとんど知らないし、ねじめ正一作品も初めてでしたが引き込まれました。実話を元に書いている小説のようですが、登場人物たちと著者の距離感が絶妙でなんとも言えない。あんな勝手な男どものそばに居るどの女性にも共感できないけど、詩人なんて、男なんて勝手なものなんだろうし身近でなければ勝手な人間の人生は面白いのだ。解説で西川美和が「夫を生かしているのは自分の支える<生活>であるという自負が妻達を生かしている。毒々しいまでのその自負が蔑ろにされることで、妻たちは壊れた」「生活を舐めたことで男は生活に復讐されたが代わりに生きた言葉の湧き出す人生を手にした」というような

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    2011年07月16日
  • 長嶋少年

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    タイトルとカバーの装丁から少年の楽しい成長話を予想していたが違っていた。
    仕事もせず寝てばかり、食事も作ってくれず、主人公ノブオに興味を示さない母親との2人住まいというある意味とても過酷な環境の中、それでも長嶋茂雄選手を崇め模範として野球に専念する事で力強くまっすぐに生きようとする男の子の青春ストーリーだった。
    特徴的なのは全編にわたって流れる朴訥とした主人公の語り口。華美な修飾はせず端的な表現のみでの構成になっている。
    これが少年の泣き出しそうな心の中を表現しているようだ。

    巻末、又吉直樹さんの解説がまた良い。

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    2025年06月24日
  • そらとぶこくばん

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    2025.6小2 ひとり読み
    「しまの子どもが黒板に書いて、楽しそうにしていたから、黒板はいい気持ちかなと思いました。」

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    2025年06月22日
  • 荒地の恋

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    ネタバレ

    一気に読みました。
    ねじめ正一はたけしの番組に出ているおじさん、または高円寺純情商店街のイメージだったので、不倫小説とは全くかけ離れていました。
    でも状況だけでいうとドロドロなのに、文体がさっぱりしているから何とも乾いた質感の不倫小説でした。
    芸術家はこれぐらいやっても良いと思います。家族は不幸かもしれないけれど、芸術家を夫に選んだのだから、仕方ないのではと思います。
    最後のオチが、えっ??となりました。皆したたかですね!

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    2024年11月14日
  • 落合博満論

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    落合博満は魅力的だ。
    野球については全くと言っていいほど、気にかけることはなくなったけれども、様々な選手、監督たちの人間的な魅力もまたプロ野球界を支えているのだなあ。

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    2023年09月10日
  • むーさんの自転車

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    人生は、人との関係を
    生きること。

    人を傷つけ人に傷つけ
    られ、

    人を赦して人に赦され
    ・・・

    それが、生きるという
    こと。

    人生は長いようで短い。

    皆明日の命も知れない。

    それでも、だからこそ、

    むーさんのように皆に
    愛される人になりたい。

    そんなむーさんが今際
    の際に口にした一茶の
    句、

    『えいやつと
     活きた所が秋の暮』

    人生の儚さを皮肉った
    一句です。

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    2023年05月06日
  • 落合博満論

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    やっぱり落合は面白い。
    御本人が書いた本も面白いけど、
    他ジャンルの名人が書いても
    充分に面白い、面白くなる素材なのだと思う。

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    2022年07月30日
  • 長嶋少年

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    小学生の絵日記のような文章が、微笑ましくていつしか引き込まれ、読み終わってもずっとこの先も読んでいたくなる。
    巨人の長嶋が大好きで大好きで仕方ない野球少年のノブオくん。昭和30年代の日本にはノブオくんみたいな男の子がたくさんいたんですよね。今のジャニーズアイドルもかなわないくらいの国民的ヒーローだった長嶋茂雄さん。そんなヒーローを胸に抱え、ノブオくんは何度も何度も傷ついて、何度も何度も長嶋さんに助けられ、そして「借り物ではない本物の男の子」になっていきます。

    ノブオくんの母親は、今なら児童相談所の案件になるレベルの人だけど、ノブオくんの心にいる長嶋が、折れた心をグワァーんと元の位置へ戻してい

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    2022年07月25日
  • 落合博満論

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    ねじめさんによる、落合賛歌。形を変えた、長嶋賛歌でもあります。川相選手が語る、落合監督の話、秀逸ですね。また長嶋巨人時代、投手交代等に関わりピッチャーマウンドに堀内コーチやってくると、その近くに落合一塁手が寄り添うように立ち、コーチと投手のやりとりをじっと見ている(聞いている)、という風景には、ある意味、凄みを感じます。堀内コーチ、やりにくかったでしょうね。★三つ半で、★四つです。

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    2021年10月06日