ねじめ正一のレビュー一覧

  • 落合博満論

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    ねじめさんによる、落合賛歌。形を変えた、長嶋賛歌でもあります。川相選手が語る、落合監督の話、秀逸ですね。また長嶋巨人時代、投手交代等に関わりピッチャーマウンドに堀内コーチやってくると、その近くに落合一塁手が寄り添うように立ち、コーチと投手のやりとりをじっと見ている(聞いている)、という風景には、ある意味、凄みを感じます。堀内コーチ、やりにくかったでしょうね。★三つ半で、★四つです。

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    2021年10月06日
  • むーさんの自転車

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    映画化出来そうな風景が浮かぶ。
    要所に一茶の俳句が織り交ぜられ、たいへん興味深い。
    人物のかかわりや場面展開が非常に良く、涙したり、悔やんだり、安堵したり、楽しませていただいた。

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    2020年10月29日
  • ナックルな三人

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    詩人兼絵本作家の笹原は小学校5年生の同級生で絵本画家としては先輩の石黒と絵本を作ることになる。若年性認知症を患う石黒は、絵を描くこともやめ「ナックルボール」を投げることに執着するが・・・男女三人の「ナックル」で結ばれた絆が痛々しくも優しく描かれている。
    限りなく回転が抑えられ不規則に変化して予測のつかない軌道を描いて落下する変化球は、高齢化社会が醸し出す現代社会の不安定な行方を暗示しているようにも思える。

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    2018年04月08日
  • 荒地の恋

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    ねじめ正一さん、初めて読みました。
    好きな内容、好きな文章でした。

    詩人だから奔放なのか、奔放だからこそ詩人なのか。
    詩の良さは正直良くわかりませんが、あの時代に、これほど自由人がいらっしゃったのね〜と、驚きとともに感動。
    年をとってもオトコとオンナ、何があるかわからない。どうせなら、正直に生きた者勝ち。
    周りを気にしない、強いココロが必要ではありますが。

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    2016年10月20日
  • 長嶋少年

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    野球選手長嶋を慕う小学生のぼる。

    ネグレクトでお金に執着する母や
    野球友達、父の友人やおばさん、
    などの登場人物と関わりながら
    小学生としての様々な困難を
    『僕は長嶋です』と心で唱え
    ひたむきに乗り越えていく彼を
    応援しながら読み進めると
    最後はとても泣けてしまった。

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    2016年05月20日
  • 長嶋少年

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    長嶋が好きすぎる小学生が主人公。
    少年目線で話は進むので、簡単な言葉で読みやすくさらさら読んでいける。
    いろいろ悩んだりして、辛い思いもするけど周りにはいい大人や友達に囲まれていて幸せだと思った。自分の思いをしっかり口にできる彼は立派だと思った。

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    2015年10月29日
  • 長嶋少年

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    今よりもっと貧しい時代を生きる、今よりもっと心の強い子どもたちの話。

    大人の都合で逆境に立たされ続ける彼らにとって、プロ野球選手「長嶋茂雄」はいつもヒーローだった。

    自分たちの中にある「長嶋」を信じて生きていく。

    長嶋という大きな心の支えが、子どもたちを真っ直ぐに成長させる。それはまさに、当時野球がエンターテインメントではなく、彼らの人生そのものであったということなのだ。

    豊かな心と厚い友情はこのように形成されるのかと、当時の環境に驚き、また羨ましくも感じた。

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    2015年08月22日
  • 長嶋少年

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    今の時代にも長嶋少年はいるんだろうか。こんなにも何かに憧れる子は。
    というよりも、長嶋のように時代を象徴する存在が、子供たちからの憧れの対象となる存在が少なくなったのかもしれない。
    何かに憧れることで子供は成長できるのだ。その憧れの対象を目指すことで。子供は何にでもなれる、その意味が分かった気がした。

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    2015年07月05日
  • おふくろ八十六、おれ還暦

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    還暦を迎えきりりと鉢巻きを締め直すかのような著者と、いよいよ介護が必要になった老母のことなど。

    これまで、老母と中年の娘といった関係の物ばかり読んできて、切羽詰まり、ある時は母を憎み、自分も体調を崩し、やっと見送ってホッとする…という本が多かったので、男性はやはり少し違うなと思ったのだった。

    まずは、前向きなご自身の還暦生活だが…
    (やっぱり団塊の世代はたくましいですね)
    初タカラヅカで大いにはまったり、還暦のジュリーのコンサートを2回にわたってエッセイに物したり、俳句を始めて夫婦共通の楽しみを見つけ、娘さんから深夜のカラオケに誘われて、親子ながらお互いに気を使い合って絆を深めあったり。
    詩人らしく、阪田寛夫、まどみちお、谷川俊太郎といった方々に関するお話、地元の商店街の今昔など、内容がバラエティーに富んで面白い。

    しかし、後半に行くにしたがって、老いて行く母親の話が増える。
    それもいたってカラッと書かれているのだが…
    気が強く、「自分でやらないとボケる」と言い張り、ベッドからトイレに手押し車で往復するまで30~40分、タオルやセーターをたたむのに1時間…
    針の穴に糸を通すのに30分以上、朝起きてから着替えるまでに3時間。
    それでも、手を出せば怒るので見守るしかない。
    気が長くならざるを得なかった著者であるが、時々はイライラするらしかった。

    ただ、『還暦を過ぎたら無理をしなくては!』と頑張る著者と『やれることは自分でやる』といって介助をこばむ老母と…少し離れてみればそっくりではないかと思ったら微笑ましかった。

    ただ、著者は母親と同居はしておらず、通いである。
    一番ストレスをためているのは2世帯で同居している弟さんの奥さんなのではないかと思った。書かれていないけど。

    ちょっと余裕をもって接することが出来るのはやはり、ちょっと離れていられるからなのだろうな、と思ってしまう。
    この本の読み方はそこではないと分かってはいるけれど。

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    2015年07月04日
  • そらとぶこくばん

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    ふらいぱんじいさんに似た話し。
    お役ごめんになった黒板が異国で幸せに…。
    泳げたいやきくんにも通じる?
    あつかいやすいテーマなのかな。
    低学年でも読めるし、絵もかわいい。

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    2014年12月14日
  • 荒地の恋

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    朝日新聞読書欄で女優の富士真奈美さんが紹介していた。好きなんだよね、富士真奈美さん。華やかで、でもどこか土着的で、そして知的で。その富士さんが勧めてるんだから、これは読まなくちゃ。

    いや参った。圧倒された。息を詰めて一息に読んでしまった。この内容からして話題になったはずなのに、まったく引っかからなかったのはなんでだろ?戦後詩史に名を刻んだ人たちが実名で描かれるモデル小説で、北村太郎(あまり知らない…)を主人公に、詩誌「荒地」同人で友人の田村隆一(好きだー)や鮎川信夫、そして、彼らをめぐる女性たちや家族の姿が描かれている。

    ここにあるのは事実そのままではないだろうが、かなりそれに近いと思われる。そのことにまず凄味がある。北村が、朝日新聞校閲部長という職も、長年連れ添った妻や子どもも、郊外の家も、何もかも捨てて恋に走る、その相手は高校時代からの親友田村の妻なのだ。しかも彼にとってこれが最後の恋というわけではなく、田村の妻明子も、一筋縄でいくような人物ではない。そしてまた、田村隆一の存在感たるやすさまじい。あの珠玉の言葉はこういう破滅的な生活から生み出されていたのか。

    なんとまあ、と凡人の小市民は思うのである。この人たちはこんな風にしか生きられないのか。誰も幸せにはしない、そういう生き方をしなければならないほどに、心の自由が大事なのか。北村の甥が、詩人は嫌いと言いながら何故北村のことは好きなのかと尋ねられて、「おじちゃんは体を張ってるからね」と答えていた。各章の冒頭に北村の詩句が掲げられているが、通読後に見直すと、一つ一つの言葉がずしりと重い。

    自身詩人である作者ねじめ正一さんの筆致は、端正で、抑制が効いている。こういうものを少しでも下品に語られたら、読むに堪えないだろう。北村の内面への入り込み方も絶妙で、多くを語らない所にかえって説得力があるように思った。

    五十過ぎの北村が明子に対して子どものように駄々をこねる。「分別をなくすとは何と楽しいことだろう、と北村は思った」 この一文が忘れられない。

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    2014年04月14日
  • 商人

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    江戸中期の「あきんど」を通して、当時の家族模様や隣保とのかかわり、流通事情、身分制度、風俗風習などを伝えてくれる。誠実でありながら、御用達の看板を掲げるにはそれなりの裏事情もある。そうした艱難辛苦を乗り越える上で、外からの血、すなわち嫁いできた女の支えの大きさも教える。妬みや裏切りはあってもそうした描写は薄く、三郎や油五たちの支援や友情が厚く描かれるのも好ましい。鰹風味のいいダシが効いた一冊。

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    2014年03月26日
  • 荒地の恋

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    ネタバレ

    才能あふれる、放蕩三昧の詩人、田村と、
    田村を愛し、愛を得ようとする妻、あきこ。
    あきこを愛した詩人、北村。

    田村は、女性にとってなんと魅惑的で、危険な男性だろうと感じた。
    詩人は、女性を愛さない。だから女性から愛されるのだ。

    愛に生きた、詩人たちを近くに感じることができた。

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    2013年12月27日
  • 荒地の恋

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    主人公の、自分勝手で独善的で哀れな様子が丁寧に描写されている。ラストで「えっ!?」となって、ある登場人物についての描写を読み直した。

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    2026年07月21日
  • 商人

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    にんべんの成り立ち、商人、商売とは?を問う。
    しかし、大阪じゃなくてなぜ伊勢の人間がこれほど商売の世界で成功したんだろう。
    兄が嫁の言うことを素直に聞く様、波切の惣三郎が鰹の釣り師に戻ったという話にウンウンと大きく頷けた。

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    2026年07月20日
  • 荒地の恋

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    これが実話だと知って、「なんてドロドロな関係を生きているんだ」と衝撃でした。
    物書きの世界は、その発想力から人間的にはだいぶ濃いという深い方が多いとは思いますが、ここまで来ると、そりゃ小説になりますよね。
    家族がありながら仲間の物書きの妻を寝取るとは、恐れ入りました。

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    2026年03月29日
  • 荒地の恋

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    老いてなお引越と恋愛を繰り返す詩人の半生物語、行動心理の洞察は素晴らしいが、モテモテの詩人は作者の妄想か?

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    2025年02月28日
  • 荒地の恋

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    詩人の不倫の話。
    途中からフィクションなのか、そうでないのかよく解らなくなった。
    置き去りにされた人達を思えば、身勝手さに腹がたつ。
    だけどこんな風に、自由に生きてしまう人達が放つ熱量に、ちょっと圧倒されてしまうことがある。

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    2025年02月15日
  • 荒地の恋

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     ねじめさん、こんなこと書いちゃっていいんですか?そんな感想が最初に浮かびましたが、それを読みたかったのはおまえだろという声も聞こえてきます。
     それにしても、書かれている人たちは、もう、みなさん、この世の人ではないのかもしれないですね。
     懐かしい昭和の話でした。

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    2022年11月07日
  • 落合博満論

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    今、野球解説者の中でもっとも実況解説を聞きたいと思わせるのが落合博満。ぶっきらぼうな物言いだが、深い意味がある。当たり前のことではなく、誰も気づかないことに注目する。とにかく解説内容が為になる、聞いてよかったと思わせる稀有な存在。
    ねじめ正一「落合さんはやっぱり敵の中に入って光る人。だから、自分は嫌われているという思いがあると思う。」
    もしかして、むしろ嫌われる様に喋っているのでは、という気さえする、群れを嫌う孤高の野球職人。
    彼は小さい頃から野球の才能に恵まれるも、上下関係や練習嫌いでなかなか才能が開花するチャンスが来ない。高校の野球部監督の口利で受けた東芝府中の野球部も臨時工という身分。そんな雑草が日本の球界を代表する選手になる様を、なぜ今まで誰も映画化しないのが不思議な位です。
    本書の対談相手冨士眞奈美「落合さん、宮本武蔵の『五輪書』みたいなものを書けばいいのに」にも賛成です。
    「落合博満、変人の研究」に続く著者の一方的で屈折した落合愛を感じさせる作品です。

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    2022年10月31日