【感想・ネタバレ】ナックルな三人のレビュー

あらすじ

詩人兼絵本作家と若年性認知症の画家が、
一人の女性をめぐり繰り広げる、遅れてきた青春――。

詩人で絵本作家の笹原、画家の石黒、40代後半の美しい珠代という名の女性の三角関係を描く長篇小説です。
笹原は編集者に紹介され石黒と出会います。
二人はたまたま中学の同級生であると分かり距離が縮まっていきます。
石黒は愛想は極めて悪いが憎めない魅力的な男です。
一冊の絵本を一緒に仕上げますが、その後、石黒は突然仕事をすべてやめてしまった。
石黒は若年性アルツハイマーを病んでいるのでした。
そして、ナックルボールを投げることだけに異常に執着します。
ナックルボールを仲立ちにして、マドンナたる珠代に出会った二人は、まったく違ったように仲良くなるのでした。
笹原はじりじりしながら友人と珠代の間を行き来しますが、ある日石黒は失踪してしまい、笹原と珠代は必死で石黒を探し始めるのでした。
中年男女三人に遅れてやってきた青春を描く、さわやかで感動的なドラマです。

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Posted by ブクログ

詩人兼絵本作家の笹原は小学校5年生の同級生で絵本画家としては先輩の石黒と絵本を作ることになる。若年性認知症を患う石黒は、絵を描くこともやめ「ナックルボール」を投げることに執着するが・・・男女三人の「ナックル」で結ばれた絆が痛々しくも優しく描かれている。
限りなく回転が抑えられ不規則に変化して予測のつかない軌道を描いて落下する変化球は、高齢化社会が醸し出す現代社会の不安定な行方を暗示しているようにも思える。

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2018年04月08日

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