あらすじ
ある日、デイケア先で喚きはじめた母は、気付かぬうちに認知症を発症していた。息子は、介護のために毎日、実家へ通い、一語一語逃さぬよう、母の「妄想」を聞き取り始めた……。生きることのおかしみやユーモアが全編に溢れる、新しい“介護小説”。母との別れを描く最終章「母の死」を文庫書き下ろしで収録。
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Posted by ブクログ
高齢で死に行くこと、認知症。同義なのかもしれない。その進行をコミカルに徹するが、具に観察する作者の目。狼狽え、右往左往する自分自身も、書き物になる時点では冷静に分析している。自分を選んで責め、喚く母親。その喚き声も弱って行く母親。言葉がはっきりしなくなる。自分名前を呼ばなくなる。息子である自分を認識している事が確認できなくなる母親。食事以外は寝ている母親。自分のための介護から、ただ母の命に寄り添う介護へ。お母様は本当に幸せでした。
Posted by ブクログ
ねじめ正一さんが、認知症になったお母さんのケアを始めて看取るまでの話。
お母さんとのやり取りなど、面白おかしく書かれているが、生半可な大変さではなかったはず。
たとえ、認知症になっても最後まで人として気持ちよく過ごしてもらいたいのはヤマヤマだが、自分は母にここまでできるか、考えさせられた。