SSヴァンダインのレビュー一覧

  • 僧正殺人事件

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     小学生の頃から知っていたのにようやく読んだ見立て殺人の元祖。登場人物を覚えるまで読みにくかったが、事件が次々と起こるうちにのめり込んでいった。結末のヴァンスの行動は、コナン君で育った私にとって度肝を抜く展開。それアリなの?当時のアメリカ人の感覚ってこんなもの?と疑問符がいっぱい飛び交う。動機が理解できなかったり、現代の感覚ではあり得ない展開だったり色々とツッコミ所はあるものの、全体的には面白かった。古典ミステリの名作を読めた達成感が大きい。

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    2023年09月07日
  • ベンスン殺人事件

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    著者と相性が良いのか、ここまで読んだ長編3冊はいずれも意外なほど期待値を上回る読後感(そもそも期待値があまり高くないということもあるかもしれないが)。ファイロ・ヴァンスとDAマーカム、ヒース部長刑事などの丁々発止ながら品位を保とうとする掛け合いの好感度が高いのは、透明人間スマート・セット(笑)ヴァン・ダインがちょこちょこ挟む個人的感想によるところが大きい気がする。あまりに黒子すぎて不自然という感想ももっともだがが、ワトソン役が2人以上いる中でさらにもう1人となると収拾つかなさそうなのでこの異様な沈黙が都合良いのでは。後日談で、ちょい役の気の良いミセス・バニングを「私はなぜか、いつ見てもあの女性

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    2023年06月18日
  • 僧正殺人事件

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    ネタバレ

    苦手そうと思いつつ手に取ってみたのがちょうど4月で、小説の舞台と一致する時期に読むのが好きなのでページをめくり始めたら意外にすらすら進めて一気に終わった。推理力がないのに、それなりに古典ミステリーを読み溜めてしまったために、第一の殺人の時点で犯人と動機が思い浮かんでしまい(一番連想したのは映画のローラ殺人事件だったが)、怪しい人物が出てくるたびにやっぱり自分間違ってたのかな、と揺さぶられつつ結果は予定調和…まっさらな気分で堪能できないのは残念だが雰囲気が好きで楽しめた。
    後輩エラリークイーンよりもっとペダンティックな探偵と言われるので腰が引けてたけれど、初期EQで免疫ができていた+蘊蓄の内容に

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    2023年04月16日
  • 僧正殺人事件

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    ネタバレ

    全ての伏線が見事に回収される。名作古典の力を思い知る作品。
    古今東西の探偵が出てくる話において私個人としては法律に則らず探偵自身が裁きを下すことについては受け入れられない感情はある。けど洗練されていて気持ちよく読み進めた。
    家政婦や使用人が普通にいる話が何となくイギリスとかヨーロッパを思わせるんだけど地名がでてきて、そうだ、昔のアメリカなんだ、そういえばこの時代のアメリカの探偵小説を読むの初めてだなあ、と気づいた。
    ヴァン.ダイン、今更ながら好きになりました。
    他作もじっくり読んでいきます。

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    2023年02月27日
  • カナリア殺人事件

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    捜査に行き詰まり、ポーカーで犯人を推察するシーンがハイライト。
    1920年代アメリカの上流社会が舞台ですが、時代の空気が感じられて興味深かったです。

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    2023年02月04日
  • ベンスン殺人事件

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    【読書】なかなかに面白かったね。あと犯人は意外だったかな。そこにもっていくのも、それほど途中で引っかかることなく、結構すらすら読めたかな。まあマーカム地方検事もファイロ・ヴァンスに振り回されて酷い目に遭わされてるけど、よく我慢してるよなあとは思った。次のカナリア殺人事件は楽しみになってきたな。

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    2022年11月14日
  • 僧正殺人事件

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    見立て殺人。探偵役のヴァンスの深い(何をいっているのか分からないくらいに専門的といってもいいくらいには)知識。「そうくるか!?」のような感動はありませんでしたが、全体的にまとまっていて読みやすく、事件の不気味な雰囲気、探偵の魅力ともに後年のミステリーに大きな影響を与えたことが分かる作品でした。

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    2022年05月25日
  • ベンスン殺人事件

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    漫画家が初期の作品の時に絵が拙いのと同様に、『僧正殺人事件』や『グリーン家殺人事件』と比べるとやや拙くファイロ バンスも諸々しつこさや脂っこさが目に付く。
    しかし、名探偵の登場という瞬間に立ち会う事ができた事に感動しました。
    次の『カナリア殺人事件』も楽しみにして読む事にします。

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    2022年04月03日
  • 僧正殺人事件

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    最後まで引っ掻き回されたが、しっかり終わった。数学のパートは全くわからなかったが別に分からなくても読める。分かるべきところはちゃんと明言されている。だから数学パートは読み飛ばしても大丈夫だ、安心して読め。
    誰目線の物語か最初はわからなかったが、特筆して書くようなことでもない。この作品の鍵となるヴァンスのセリフが心に残る。

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    2022年03月08日
  • 僧正殺人事件

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    マザーグースを多少知ってると、話の面白さがわかる。「おぞましく、狂気に満ちた」と書かれているけどずいぶんこじつけのようで、しかもトリックも簡単なわりに有名な本だと思ったら、どうやら初の見立て推理小説らしい。トリックや推理に主眼をおかず、読み物として殺人の方法に趣向を凝らすタイプの。

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    2021年12月30日
  • 僧正殺人事件

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    ネタバレ

    ヴァンダインの代表作の一つに挙げられることが多い作品なので読んでみた。文学や数学についての肉付けが多くやや疲れるが、事件の進み方、解決パートについては全く古さを感じない優れた作品だと感じた。教授が罪をなすりつけたのはなるほどそういうことか、と。

    ワインを入れ替えるくだりは『バイバイ、エンジェル』を彷彿とさせる。あの作品もかっこよかったなぁ。

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    2021年06月29日
  • ベンスン殺人事件

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     物的証拠や状況証拠・容疑者の自白・アリバイといった、犯罪捜査において重要視されがちなものはそのまま信用せずに疑い、犯行の手口や現場を心理学的に検証して犯人を突き止める。教養と才気に溢れた富豪ファイロ・ヴァンスの探偵方法は現代でのプロファイリングに似ている。
     衒学的で、相方に自分だけが知る真相を仄めかす言動は、後世の作品や探偵たちのキャラクターに大きな影響を与えていることは間違い無いだろう。とは言え、たまにぶん殴りたくなるほど鼻に付いたが。
     探偵“ファイロ・ヴァンス”が仮名で、本作は彼の友人で仕事上のパートナー“S・S・ヴァン・ダイン”による記録であるという設定がおもしろい。作者の影が巧み

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    2024年10月19日
  • 僧正殺人事件

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    学術的な話や芸術作品の話が合間にちょくちょく出てくるので難しく、最初は読み進めるのに苦労したけど後半は一気に読んでしまった。

    確かにこれはミステリを読む上で読んでおかないといけない一冊、という感じ。
    そして最後のダークな終わり方が後味良すぎなくてよい。
    なるほど乱歩が絶賛した理由も分かるかも。

    解説に後世のサイコ・サスペンスにも影響を与えていることが言及されていたけど、確かに映画のセブンとかも見立て殺人だもんね。ふむふむ。

    本作を読んでいて、読書をする上での自分の知識不足をとても感じた。
    注釈が書いてあっても全然分からない、、
    アリアドネは阿刀田さんの「ギリシア神話を知っていますか」を読

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    2021年05月24日
  • カナリア殺人事件

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    カナリアと呼ばれた元女優が密室で殺された謎を追う。
    探偵役のヴァンスは癖のある人物だけどそれがまた良い。
    心理学的見地で事件を読み解く様は面白く、特にポーカーの場面が興味深い。
    まさに精神分析学だなと。
    劇的な展開はないけれど、つい読んでしまう一冊。

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    2020年08月06日
  • 僧正殺人事件

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    「ファイロ・ヴァンス」シリーズ第4作。見立て殺人の嚆矢として知られる作品ですが、確かに異様な不気味さを作り出しているものの、マザー・グースの詩に見立てなければならない理由は特に見当たらず、やや不満が残ります。
    それでも、教授同士の心理戦、犯人の動機、ラストのどんでん返しなど見どころ盛り沢山で、ミステリー史に残る名作と謳われているのも頷けます。

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    2020年05月02日
  • ベンスン殺人事件

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    綿密に計画された犯罪は個の心理から構築される唯一無二の芸術品…心理の追跡は物的証拠や状況証拠よりも尊い…
    なんと心理探偵は1926年に既に誕生していたのか。ポアロが心理云々を重視するようになったのは確か中期あたりから(?)だし、ロジャー・シェリンガムとはどっちが先なのだろう。
    黄金時代の幕開けと称されているが、幕開けから既にこんなに皮肉られまくってるのジャンルとして煮詰まりすぎだろう。やや弱めの多重解決要素まであるし。今や英国のバークリーと共に米国では忘れ去られた悲しき作家らしいが、いまだに本格が根強い孤高の島国ではいつまでも読まれ続けられるのではないか。

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    2025年09月27日
  • 僧正殺人事件

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    ネタバレ

    「見立て殺人」の始祖的作品ということで読んだ。マザーグースの歌になぞらえて殺人が行われる。
    登場人物がかなり死んだのもあり、最終的に容疑者が教授、その弟子筋にあたる数学者の男性、教授の姪くらいしかいなかった。この弟子の数学者男が犯人かと思わせておいて(作中でもヴァンスがその体で話を進めていて)最後の問答をしているところで教授がワインを飲み死ぬ。教授が数学者男を犯人にするために仕立て上げた犯罪だったと判明する、という流れ。
    序盤から捜査に顔を挟んできた数学者男が犯人かと思ってたら教授だったので驚いた。ひとつひとつの殺人はマザーグースの見立てがあるだけで、どの殺人も容疑者達なら可能な内容だった。タ

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    2025年09月19日
  • 僧正殺人事件

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    マザーグースと数学者
    結びつきそうにない二つが、殺人事件という現実で出会う。

    そもそも童謡にはホラーが潜んでいる。
    ミステリーには合理的な結末が求められる。
    意外にもこのふたつは相性が良いらしく、ミステリー小説の連続殺人事件の演出に、まま使われている。
    この小説はその原点のひとつらしい。

    そんな目で見て、読んでみるのも楽しみのうちかも……

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    2025年08月18日
  • グリーン家殺人事件

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    ヴァン・ダイン(多分著者自身)による事件の記録という形で書かれていて、そこは嫌いではなかったが注釈が少しだるかった。(注釈まで話の一部になってる部分があるため読み飛ばさないほうがいい。)
    探偵役ヴァンスの例え話も難しくてよく分からず…、ただ検事マーカムと刑事ヒースがウザがってくれていたためストレスは無かった。
    事件自体はいかにもな舞台にいかにもな名探偵で好みだったし、謎解き部分では散らばった要素がうまくまとめられ面白かった。全体に漂う不吉な雰囲気も良かった。

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    2025年05月15日
  • 僧正殺人事件

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    再読
    のはずだけど、ぜんぜん覚えていない。実は読んだという記憶すら怪しい。
    見立て殺人の嚆矢となる作品なんだそうだ。マザーグースに見立てた作品は多いけど、残念ながらマザーグースに詳しくないので、どうにもピンと来ない。ちょっと苦しい。

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    2025年05月11日