岡田斗司夫のレビュー一覧
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ネタバレ岡田斗司夫さんが好きな人はいいと思う。コンテンツはフリーで流通させ、マネタイズは別の手法(ライブグッズのように)で行うのが理想という点は納得。余談だが、どうして音楽業界では無料公開のMVで曲を聴かせつつストリーミング等で購入可能にするというモデルが浸透しつつあるのに、漫画や小説で同じことをすると未だに目立つのかなーと思った。あと、消費税や所得税のことを考慮してリアルマネーよりポイントシステムを使いたがるということは大きな気づきだった。絵や本の権利を守るために生まれた著作権が、300年たった今無限にコピーできるデジタルコンテンツまで擬似的に一つ一つの物として扱おうとして機能不全を起こしかけているというのは本当にそうだと思う。
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最近、A3!というイケメン育成ゲームを友人の紹介でやりはじめた。いやー、質が高い!僕はサブキャラにもフォーカスを当てるストーリーが好きなので、複数の劇団員が主人公の物語はむしろ好き。サイドストーリーがしっかり見れる。この作りに唸ってしまった。もともと女性向けだから細かい配慮すごい。
そんなA3!がアニメ化されたので見ていたら三話で一旦打ちきりとなってしまった。 中学時代はアニメ好きだったがその後は離れていたので最近のアニメ関係の本を何冊か読んでみようか思った次第だ。
それが今回の本、「大人の教養として知りたいすごすぎる日本のアニメ」だ。作者は岡田斗司夫氏だ。氏は、1984年にアニメ制作会社ガイナックスの創業社長を務めたあと、東京大学非常勤講師に就任、作家・評論家活動をはじめる。レコーディングダイエットを提唱した「いつまでもデブと思うなよ」が50万部をこえる大ヒット。テレビでもやってたなー。
そんな彼が"この一冊を読めば貴方もアニメ通"と言ってのけている。取り上げた作品は「シン・ゴジラ」「君の名は。」「ジブリ作品」「機動戦士ガンダム」「この世界の片隅に」だ。ここで、皆様、「何故、シン・ゴジラ?」と疑問を持たれました?
「シン・ゴジラ」の監督は庵野秀明(あんの ひであき)氏。超有名「エヴァンゲリオン」の監督だ。残念ながらエバは僕は見てないけど。庵野監督の経歴から、「シン・ゴジラ」がいかにアニメ的な手法で作られたかを、"これでもか!"と説明してくれる。
説明の中で"劇場版のアニメは三秒間を1カットして計算する。その手法を映画に持ち込む事で、役者に演技の自由を与えない。そうすると役者は演技できない。役者の空想による演技は不要と判断し、表現力のみとなる演出になった。"とある。役者は実写でありながら、そのままアニメーションの尺で演技する事になる。これはいままでにない日本映画の作り方だという。
"成る程、そうなのかー!"と思う事、結構あります。ちょっと自分の知っている作品の背景や監督の事を知るにはよいですよ。著者の岡田斗司夫氏を知らなくても全然Ok。アニメは海外の人が"金になる"と気付いている。だからアニメを知らないというビジネスマンは、この本からスタートしてはいかがでしょう。
ドラマ「北の国から」で有名な倉本聰(くらもと そう)氏は「君の名は。」を見たあとに「次はアニメで作ってみようか。」と言わせたとか。それだけアニメの表現力に可能性を見たのだと解説してくれてます。
いやー、読んでみるもんですねぇ。 -
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「『××が△△だったら、この世界はどうなるだろう?』という思考実験」(p.164)が行われているSF小説、SF映画を取り上げ、いかにそこには「現実上に政治の本質」(同)が描かれているか、ということを語った本。「中学2年にもわかる政治学」(p.5)の本。具体的には「『ガンダム』は、宇宙時代のコロニーに住む人たちの独立戦争の話」(p.4)として捉えられ、イギリスのEU離脱を重ね合わせて解説されている。「『スター・ウォーズ』は銀河帝国という悪に対して反乱を起こす民衆の話 『バットマン』は、国家や警察には任せておけないと立ち上がった一個人は法を犯して正義を守るという話」(同)という形で、それぞれ共和制から帝政へと移るローマ帝国の話や、大陸のシビル・ローに対するアメリカのコモン・ローの考え方、などが解説されている。
最近おれが毎週欠かさず見ているテレビのバラエティーの中で、「日本の昔ばなしをコンプライスチェックする」という話があって、こぶとり爺さんは医師法違反、とか花さかじいさんは遺失物横領罪、とか淡々と指摘していく話があったが、現実世界の法律をよく知っている空想の世界に当てはめて分かりやすくする、という点ではこれと似ているし、面白い。そこに「思考実験」の要素も入ったSFを取り扱い、「こういう世界が成り立っているということは、その背後にはこういう政治の仕組みが働いているはずだ」と考えていき、政治を理解しやすくする、という試みで、著者の軽快な語りもあり、分かりやすかった。
ただスター・ウォーズは全5章中の第1章だけで、あとはよく知らないSF(おれはガンダムもバットマンも知らないので)の話で、知らないとやや退屈。だから『スター・ウォーズに学ぶ~』というタイトルはやや看板に偽り、という感じがする。SFに学ぶ、が内容的には妥当なタイトルだと思う。
政治の話なのかどうかよく分からないけど、パルパティーンの話が面白い。「いかにパルパティーンが帝国の運営に失敗しているか」という話が特に面白かった。「行ってみれば、ソフトバンクの孫正義社長が、売上のよくないショップに出向いて自らスマホを売るようなものですね。しかも社長が一番能力が高いものだから、現場の人間はどんどん自信をなくしていきます。」(p.57)ということだそうだ。クローン軍団の組織して「見事クーデターを成功させました。だけど、その後のビジョンがないから、あっちこっちの現場を自分で回る羽目になってしまう。帝国軍にも有能な人材はたくさんいるのですが、ちょっとミスをしただけでダースベイダーが殺してしまいますから、組織としての力が上がらず、パルパティーンはいつまで経っても楽になりません。」(p.58)ということで、合理的な見方(?)というか、そういう視点が得られるのは面白い。
正直ガンダムとかは分からないので、解説されてもイマイチ分からないし、さらに本当に政治学の考えを学んだことになっていたのかどうか、政治学を知らないおれには判断できないが、やっぱり面白い読み物だった。最後の章で取り上げられているSF作家ロバート・A・ハインラインという人の本はとても面白そうで、ぜひ読んでみたい。ちなみにそのハインラインのいくつかの著書のうちの一つ、『宇宙の戦士』という話の中で、シビリアンコントロールの話が出てくるらしく、「いつ、どこで、どうやってーあるいはなぜー戦うのかを決めるのは、そもそも兵士の仕事ではない。それは政治家や将軍の仕事だ。政治家は"なぜ"と"どれくらい"を決める。将軍がそれを引き継いで、"どこで"と"いつ"と"どうやって"をおれたちに指示する。おれたちが暴力を受け持ち、ほかの人々-いわゆる"高齢の賢者たち"-が制御を受け持つ。」というのが妙に納得した。(18/12/21) -
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うーむ…最近の新書にありがちなタイトルだった。
もっとつっこんでスター・ウォーズを政治的な切り口で解説してくれるのかと思ったら、スター・ウォーズに関する章は全体の1/3ほど。
ただ、スター・ウォーズ新旧3部作のあらすじ解説は見事。1エピソードあたり5〜600文字でめちゃめちゃわかりやすくまとまっている。さすが岡田さん。
あとガリア戦記を記したカエサルを世界最古の同人作家と評していたのには笑った。
しかし、デス・スターを核兵器に例えるのはちょっと違うような気がする。核がもたらすバランスオブパワーの考え方とデス・スターのような要塞兵器とでは戦略的な運用局面に決定的な違いがあるでしょう。気持ちはわからなくはないけど。
ハインラインとリバタリアニズムに関する第5章はおもしろかったな。ハインラインのSF作品が読みたくなった。 -
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★『なんでコンテンツにカネを払うのさ?』
「著作権法の第一人者」と言われている福井健策氏による”著作権”に関する最新の説明を聞きたいと思っていた時に、目にしたのがこの本。根っからの岡田斗司夫ファンの私は、『一挙両得』と思いながら手に取り、読み始めた。感想は『この本で良かった』です。
福井氏を知ったのは、インターネットニュース番組の「ビデオニュースドットコム」にゲストとして登場した時。論の鋭さと、”著作権”という特化したわかりずらい法律を取り扱う法律家、と言うより、芸術や文化のコンテンツを愛している匂いのする方だという印象を持った。だから、福井氏の著作物を探していたのだが、実際に彼の文章を読んでいると、やはり法律を生業にしているだけに、難しい。内容は非常に役立つ話しなのだが、一般人には馴染みにくい言葉の運び、言葉の選択なのだ。そこで、岡田斗司夫のマジックなのか、天然なのか、福井さんの持ち味を上手い具合に引き出してくれる。引き出すというと、福井さんの論が主というイメージだが、そうではなく、岡田斗司夫が勝手な想像力を働かせながら、現在のコンテンツに関わる矛盾点をついて、自分の理想の国家(≒拡大型家族)を作り上げる方向に話しを進めると、合間合間に現実的な”著作権”や
米国コンテンツ・プラットフォーム産業のあり様やその法の体型などを解説してくれる。岡田斗司夫はそれでも、それに怯まず(というか実際はかなり福井氏を巻き込んで)自分の、描く未来像の論の補強に、福井氏の法的知識を活用していく。
なんか、読み終わると岡田斗司夫ワールドに付き合わされて居酒屋で相槌を打つ、”著作権”の論客という絵が浮かんでくる。
でも、前半の「プラトンとアリストテレスとダイエット」の章の著作権の大陸法的解釈・英米法的解釈、そして今日の日本の解釈的立場あたりの話しは、実にためになった。居酒屋談議ではあんな話しは出てこないなぁ。
2014.05.21 -
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ただでさえクソ長いと思ってた著作権の保護期間死後50年。これが70年に延長される動きがあると知って愕然とした。またディズニーを嫌いになる理由が増えてしまった…。それ以外にも、疑問を感じるような、いや、正直言ってクソみたいな著作権関連の動きは多い。CCCD、コピーワンス、ダビング10、録画ネット裁判、各種DRM。これのせいで、テレビが故障したら録り貯めた番組が全部見れなくなったり、ネットから家電の動画を再生できなかったり、気軽に貸し借りができなくなったり、時には再生すらできなかったりすることさえある。もちろんマジコンP2P海賊版その他違法サービスに対応する必要はあるとは思うが、そのせいで普通に出来てたことが出来なくなる本末転倒な技術の進化方向には、到底納得出来ない。
本書は、そんな迷走して見えるデジタルコンテンツと著作権の行く末を探る一冊。現在の利用者VS”権利者"の構図ではなく、利用者と"クリエイター"がうまくやっていけるシステムは、どんなカタチが考えられるのか。岡田斗司夫の論はトびすぎててちょっと実現性に欠けるが、思考してみるなら、あるべき論を考えるにはそれぐらいの方が楽しいかもしれない。著作権を学ぶ本でも、今の戦いをどうするかについて考える本でもないが、近くだけ見て疲れた時は、こんな風に遠くを見て目を休めることも必要だろう。 -
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著作権とは何か?コンテンツにカネを払うとはどういうことかというその是非を問う話にはじまって、縦横無尽に、それこそあらゆる角度から岡田斗司夫と福井健策の両氏が語りつくす対談本でございます。
著作権のほうで有名な弁護士と、「オタキング」こと『フリックス』という新しい経済概念を提唱する岡田氏が対談形式で『著作権とは何か?』ということを徹底的に語り合っている一冊でございます。話題は本当に多岐に渡っていて、『自炊』と呼ばれる既存の書籍をデジタル化するということの是非や、コンテンツのマネタライズ。さらにはフェイスブックやツイッターなどの米国発のプラットフォームの絶大な影響力。情報と経済のありように至るまで、様々な角度から語りつくされております。
著作権に対する姿勢というのは世代世代によって違っていて、個人的にはある程度のコンテンツはお金を払って手に入れるものだという認識があります。しかし、最近の『デジタルネイティブ』と呼ばれる世代と人たちは、コンテンツとはネット上に『落ちている(違法合法を問わずアップされている)』ものであるという話を聞いて本当に驚きました。
『デジタル化』と呼ぶある種の『パンドラの箱』をあけてしまったがゆえに、著作権という何百年もかけて作られたものが機能不全のようになっている、というのが現在の状況だとここでは語られておりまして、それについては本当によくわかる話でございました。
『著作権』というものや、コンテンツというものに以下に対峙していくか?そういったことを考える点で参考になる一冊でございました。