「アニメはアートか産業か」
芸術と商業主義はしばしば鋭く対立する。
商業化しようとすると、当然客にウケない企画は通りづらいだろうし、リソースが限られているなか作者がこだわったら現場が疲弊する。
自分は「新世紀エヴァンゲリオン」をリアルタイムで観てた世代だが、最後の方の次回予告はエンピツ画だった。
...続きを読むきっと間に合ってなかったんだろうな。
最近のトレンドは知らないが、作画を外注したり、デジタル技術を導入したりするのはある意味当然の流れではあるのだろう。
宮崎監督が作りたい映画と、流行とか外部の制約との軋轢の中で苦心する様が描かれていたと思う。ところが富野監督の「逆襲のシャア」に影響された宮崎監督は以降、物語の整合性よりも自分の作りたい物を作る方向にシフトしていき、興業的にも成功を収めるようになったと、岡田氏は推測している。
岡田氏は本書で作家を三つの類型に分けている。
1.やたら自分語りをするアマ。
2.なるべくしないプロ。
3.自分語りを推し進めた結果アマでありながら客が熱狂するのがアーティスト。
宮崎監督は段階を経てプロからアーティストに進化したと岡田氏は捉えており、次回作の「君たちはどう生きるか」に期待を寄せている。
実は自分はポニョ以降のジブリ作品は観ていない。
これを機に観てみたいと思った。