太田大八のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
町の活動写真館の仲間の中でも、一番演奏が下手くそなセロ(チェロ)ひきのゴーシュがどのように努力し、成長していくかを描いた作品。6段落構成で描かれている。
数多くある宮沢賢治の短編作品の中でもこの話は特に話の構成がしっかりしていてとてもおもしろかった。
僕が、この話で一番印象的だったのが第1段落の『ゴーシュは虎みたいな勢いでひるの譜をひきはじめる』という文章だ。人をあえて動物でたとえるという所が、宮沢賢治らしい表現だと思いとても素晴らしいと思った。他の様々な場面にも宮沢賢治独特のおもしろい表現がいっぱい組み込まれており、見ていて全然あきなくてすごく見やすかった。宮沢賢治の本の中でもオススメできる一冊だ。 -
Posted by ブクログ
児童文学!というお話しの形がそこにありました。
だけども時代は平安、ほんとにおもろしろい。
太田大八さんのめくるめく素晴らしい挿絵が、福音館のハードカバーとなんともしっくりくるんです。
しかしこの堅気な児童文学を今の子どもが、いやどんな子どもが手にするというのか。。
おはなしは、
怨霊に取り憑かれた東宮 憲平と、怨霊によって両親を亡くし、叔母の主から追い出され、内裏に女の童としてはたらく少年 音羽との友情物語。
東宮のなんだかジェンダーレスな雰囲気と、男の子ということを隠して女としてはたらくしかない音羽、という対比にワクワク。病気がちでおとなしい少年とやんちゃ坊主、彼らを見守り手を差し伸べる良き大人と、ほんとに児童文学のど真ん中を行くスタイルですが平安の世というところが面白くさせる。
いろんな意味で裏切られたお話でした。
怨霊がなぜこの世にはびこるのかを音羽を預かる内侍様が語るところが良いので引用しますと
_だれかが栄華を極めれば、その陰にたくさんの嘆きが生まれるものだ。
その嘆きをわすれた結果だろう。いや、忘れてはならぬといういましめのために、怨霊は現れるのかもしれない。秋になれば木にはたくさんの実がなるが、みなで取りあうとなれば多い数ではないそれをすべて己が腹へおさめ、吐き出す種らも自分の領地の内というのでは、恨みも買おうと言うものさ。烏ですら、まだ熟れぬ実くらいは残すだろうに、人は一度にぎったものをなかなか手放せぬものらしい_
まったく、人間というものは…
怨霊だなんて物騒なお話かと思えど、児童文学ゆえに怖くはなく、私にも読めました笑笑。