太田大八のレビュー一覧

  • 注文の多い料理店-宮沢賢治童話集1-(新装版)

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    山の中でこのような店を見つけたとして、果たして自分ならどの段階で引き換えそうと疑えるだろうか。銃を預け、外套を脱ぎ、財布を預けて…。内容を知っていても読みたくなる名作。恐ろしいのにどこか愉快なかわいらしさがあって、一口菓子のような短さなのに、元気を取り戻す物語。

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    2025年11月07日
  • 銀河鉄道の夜-宮沢賢治童話集3-(新装版)

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    銀河鉄道の夜、キラキラ輝く鉱物のような美しさの中に静かに心を揺さぶられる切なさがある。
    何度読んでもじんわりと涙が滲む物語。
    個人的には『水仙月の四日』も好き。雪国ならではの自然の厳しさが雪童子や狼などのキャラクターによって幻想的に彩られる。辺り一面真っ白な世界に彼等が飛び回る光景が目に浮かぶ。

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    2024年10月16日
  • 鬼の橋

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    もっと たくさんの人に 読まれてほしい一冊
    もっと 児童文学の研究者の中で 推薦されてほしい一冊
    もっと この本を読んだ方と よかったねぇ
    を共有したい一冊

    物語の 面白さは むろんのことですが
    物語の 根底に横たわっている 日本的な情緒が
    たまらなく愛しい
    読み進めているうちに
    自分の中の「日本人」に思わず知らず
    気づかされます

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    2024年06月30日
  • 鬼の橋

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    小学生の頃に面白くて夢中で読んだ本。30代になり、来年小学校に上がる甥っ子へどんな本をプレゼントしようか迷っていた最中に思い出し、記憶が蘇った。

    登場人物の心情、動き、光景、匂い、質感、の描写が豊かで、自分もその場にいるような臨場感があった。
    痩せっぽちで薄汚い少女に自分を重ね、よい匂いのする年上の小野篁に憧れを抱いていたのかもしれない。鬼とは恐い存在ではなく哀しい存在なのだと子供心に記憶に残っているが、所々忘れてしまったようなので、また読み返したい。

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    2023年12月28日
  • 鬼の橋

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    ネタバレ

    こんなに面白いファンタジーだと、いままで気づかずにいたとは不覚。
    紹介しないと動かないと思うので、積極的にすすめていきたい。

    主人公は小野篁。
    井戸から冥界の入り口に迷い込み、そこで、冥界の番人と化している坂ノ上田村麻呂に出会う。
    このあらすじだけでもこんなに面白いのに!なぜ!気づかなかったのか!!
    しかもメインはそっちじゃなくて、人食い鬼の非天丸じゃないの…。

    子供達に勧めたいなあ。うまく紹介できるように準備したい。

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    2023年11月17日
  • 鬼の橋

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    ぼくはこのお話の中で、坂上田村麻呂が一番好きだった。強いし、都を守ってくれているのがかっこいい。ずっと死ねないのはかわいそうだと思う。いい人ほど、こういうことになっちゃう気がする。小野篁は、かしこくて考え深くて勇気があるから、坂上田村麻呂を助けられたんだと思う。
    牛おにたちは、たいしてえらくもないのに、いばっているところが嫌い。
    小野篁は、ピンチのときにあきらめないでがんばったから成長できた。でも六道珍皇寺には、行かれそうにない。井戸からおにが出てきそうでこわい。(小6)

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    2023年07月01日
  • セロひきのゴーシュ-宮沢賢治童話集4-(新装版)

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    『詩・林と思想』
    ちいさな林にわたしの考えが流れていって…という詩

    『セロ弾きのゴーシュ』
    下手くそセロ弾きのゴーシュのところに毎晩動物たちが訪ねてきて「先生、音楽を聴かせてください」と言ってくる。なまいきだ。なまいきだ。なまいきだ。それなら聴かせてやるから聞いてみろ!

    『どんぐりと山猫』
    一郎のところに山猫からの めんどなさいばん の招待状が来ました。
    行ってみると山猫裁判長が毎年どんぐりたちの争いに困ってるというのです。

    『貝の火』
    ひばりの子供を助けたうさぎのホモイは、その御礼にと素晴らしい宝の「貝の火」をもらいます。
    素晴らしい宝をもらったホモイは他の動物からも特別扱いされ

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    2022年07月31日
  • 銀河鉄道の夜-宮沢賢治童話集3-(新装版)

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    『詩・雨ニモマケズ』
    デクノボーと呼ばれても、気取らず、人の幸いのためにできることをして、という宮沢賢治の精神を顕した代表的な詩。
    「一日四合の玄米」ですからね、浮世離れした夢ではなくてすごく地面に密接した現実の力仕事をする人の感じもありますね。

    『銀河鉄道の夜』
    星祭りの夜、ジョバンニは自分が銀河を走る列車に乗っていることに気が付きます。
    そこには唯一自分をいじめない幼馴染のカムパネルラもいました。
    寂しさと穏やかさに溢れたお話でした。

    『オツベルと象』
    オツベルときたらたいしたもんだ。大きな工場で百姓どもを使っていたが、遊びに来た気のいい象を騙して働かせて大儲け。
    呑気な象もどんど

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    2022年07月30日
  • 風の又三郎-宮沢賢治童話集2-(新装版)

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    『詩・高原』
     光る山だたぢゃい
    =岩手の高原を感じるままに記した詩…だと思う。

    『風の又三郎』
     どっどど どどうど どどうど どどう
     青いくるみもふきとばせ
     すっぱいかりんもふきとばせ
     どっどど どどうど どどうど どどう
    強い風の日にやってきた転校生。赤毛の真っ赤な顔にまん丸で真っ黒な目。子供たちは「あいつは風の神様の又三郎だなぃ」と思います。
    子供たちの元気な様子、季節を変え、人々に変化をもたらせる風が連れてくるものと、連れて行くもの。
    躍動感のあるお話でした。

    『洞熊学校を卒業した三人』
    洞熊学校の方針は一番争いです。
    生徒の、赤い手長蜘蛛と、銀色なめくじと、顔を洗った

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    2022年07月29日
  • 注文の多い料理店-宮沢賢治童話集1-(新装版)

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    宮沢賢治童話集をちゃんと読んでみました。
    子供の頃は「自然そのものを身近に感じ、高潔な精神を求め」みたいなどうも説法臭い、浮世離れした印象を持ってしまっていました…。
    ちゃんと読んでみると柔らかな語り口で、優しいお話、シビアで寓話的なお話、昔語り、何かを見て頭に浮かんだ幻想など、見たこと感じたこと、良いこと悪いことを言葉として表現することができる人であり、理想だけ論じているのではなくて現実的にも割と力強く生きているとも感じました。


    『詩・星めぐりの歌』
     あかい めだまの さそり
     ひろげた わしの つばさ
    NHKにほんごであそぼ で曲が付けられて歌われています。宮沢賢治だと知らなくても

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    2022年07月28日
  • 鬼の橋

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    実在の人物でエピソードの多い人物を主人公の物語で、読み進んで冥界と現世を行き来するうちに、鬼の非天丸と阿子那との交流、田村麻呂将軍とのやり取りの中から、徐々に妹を失った失意から一人の元服した男へ成長していく様は、なかなか良い作品だと感じた。

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    2022年06月23日
  • 注文の多い料理店-宮沢賢治童話集1-(新装版)

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    就寝前に見るプロジェクターの中にあったお話が好きで購入しました。
    小学一年生の夏休み読書感想文を書きました。

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    2022年04月24日
  • 銀河鉄道の夜-宮沢賢治童話集3-(新装版)

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    読んでいて自分も一緒に銀河鉄道で景色を見て旅をしているような気持ちになりました。まるで、見ている時は不思議な夢の世界に漂っていて、覚めてから夢の美しさに気付いてずっとあの夢にいたかったと思えるような感覚です。
    また、僕もこの物語の不思議な結末について考察をしてみました。すると、意外なところに伏線が見つかって、そこから全て辻褄が合う本当に衝撃の真実に辿り着いてしまいました……!カムパネルラ…

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    2021年08月28日
  • 二年間の休暇(上)

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    無人島に流れ着いた15人の少年たち。思慮深いゴードンの統率の下、力を合わせて生きていく。
    人種も年齢も違う少年たちだから、その個性を発揮してうまく行く時もあれぱ仲違いしてしまう時もある。それを乗り越えられたのは苦境に陥った時の態度だ。おのずから気持ちは伝わるものなんですね。

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    2021年08月21日
  • 鬼の橋

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    学校の図書室にある6年生の指定図書。
    以前から気にはなっていたが、なかなか手が伸びず。
    ところが読み始めたら止まらなくなってしまった。
    鬼になった人間の哀しさ、身分が高い人間の驕り、
    歴史上誰もが知っている人物も登場して・・・
    正直6年生のこの本の面白さを伝える自信はない。
    ただ、おとなにはお勧めする。

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    2021年07月18日
  • えんの松原

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    「鬼の橋」に続いてこちらも平安時代を舞台にした作品。

    両親を怨霊に殺されずっと憎んでいた音羽丸が、怨霊のいない世の中というのは、ほんとうにいい世の中なんだろうか、と思うようになる。
    「うまくやるやつがいて、そのあおりを食う者がいる。そのしくみが変わらない限り、この世から怨霊がいなくなるとは思えない。それなのに、怨霊がいなくなったとしたら…、それはいないのではなくて、だれにも見えなくなっただけじゃないか、という気がするんだ。だれも怨霊のことなんか思い出しもしないし、いるとさえ思わない…。忘れてしまうんだ、悲しい思いをしたまま死んでしまった人間のことなんか。それはもしかすると、今よりもずっと恐ろ

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    2021年03月24日
  • 鬼の橋

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    実在した貴族小野篁の少年期を描いた歴史ファンタジー。
    篁は、自分のせいで井戸に落ちて亡くなったと思っている妹の事故から立ち直れないでいた。その井戸に吸い込まれ、生死を分ける鬼の橋にたどり着く。橋の番人坂上田村麻呂に、まだ死んではいけないと言われ再び生の世界へ戻る。が、井戸が生と死をつなぐルートとなってしまい、生の世界に鬼が現れる。
    ある鬼との出会い、愛の深さ、強さによって、篁は次第に事故から立ち直り成長していく。

    小学校高学年~
    こういう物語を子ども達に読んでもらいたいと思いました。心に残ります。


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    2021年01月20日
  • 注文の多い料理店-宮沢賢治童話集1-(新装版)

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    私は宮沢賢治の作品を全く知りませんでした。「注文の多い料理店」、「銀河鉄道の夜」、「やまなし」しか知らなかったので今回もっと多くの作品を見てみたいと思い購入しました。
    面白すぎる…!宮沢賢治の独特の世界観やあらすじに引き込まれてあっというまに読み終わっちゃいました笑
    好きな話が増えました✨

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    2020年11月13日
  • 鬼の橋

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    今昔物語や百人一首などに出てくる小野篁の少年期を主人公とし、少年の成長、人が悲しみや後悔を飲み込んで前に進む様子、人の情により鬼が人になる様相を書いた児童文学。

    小野篁は自分の不注意で異母妹を死なせてしまった後悔と慕情と悲しさ寂しさで生きる気力を失いかけています。
    異母妹の死んだ井戸を覗き込んでいた篁は、あの世との境である河原に降り立ちます。
    そこで人を食う鬼の存在や、死んでなお都を守ることを使命とされた征夷大将軍坂上田村麻呂を知ります。

    この世に戻ってきた篁は、家も家族も失って父が人夫として工事に携わった五条の橋の下に住み着く少女の阿古那(あこな)、以前はあの世の川辺にいて残虐行為を繰り

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    2020年03月12日
  • 注文の多い料理店-宮沢賢治童話集1-(新装版)

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    ・話に出てくる2人がだんだん料理になっていくのが楽しいし、自分たちが食べられるときづいた時のあわてるようすが心に残っています。
    ・おなかをすかせた兵隊の2人が、おいしいものを食べられると思ったら、自分たちが食べられるというところがおすすめのポイントです。
    ・昔、吉田先生に読み聞かせをしてもらって、とてもおもしろかった。
    ・僕がこの本を選んだ理由は、人が大きい店に行って食べようとしたら逆に人が大きい化け猫に食べられそうになるところです。
    ・最初はお客さんからの注文が多い人気の店の話だと思っていたけど、お客さんに対しての注文が多い店で、最終的には山猫に食べられそうになってびっくりしたからです。

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    2019年01月30日