坂根正弘のレビュー一覧
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「見る」、「語る」、「実行する」
特に、「見る」は天才と鈍才を分ける。誰もが当たり前だと思っている常識を「本当にそうか?」と問い直し、隠れた本質を見抜く。
五ゲン主義
①問題が起きている現場に出て
②現物を具体的に調べて
③データで現実を直視し
④物事を原点に立ち返り
⑤問題を顕在化し共有する
自社の「強み」のファクトこそ正確につかむべき。それは本当の強さか、他と比べてどこがどのように強いのか?
大局を見る。目先の事象にとらわれない。より大きな観点、長期の観点で。鳥の眼
「言う」を「成す」こと
リーダーが皆から信頼を得るには、言ったことを実行し、成果を出し、それを知らしめる必要がある
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小松製作所についてもリサーチ。
ダントツ経営という言葉は、聞いたことがありましたが、
具体的にはよく知らなかったので、まずこの本から読んでみました。
率直な感想は、コマツって、10年くらい先を行った経営をしている印象を受けました。
まず、業界特性でもあるのですが、日本の市場がシュリンクすることが自明なので、
グローバルに行かざるを得ないがゆえに、
グローバル化がすでに進んでいるところ。
さらに、景気の影響をもろに受けるために、
臨機応変に在庫が対応できるような仕組みを作っていかないといけないため、
かなり以前からデータをベースにした在庫管理や顧客への価値提供(コムテックス)が出来ているところ -
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2001年からコマツのCEOを務めた現特別顧問の坂根正弘氏がコマツでのCEO時代の経営について書いた本。平易な言葉で書かれているが、その内容は濃い。
コマツは日本の会社だが非常にグローバルな会社になっており、日本での売り上げは全体の15%でしかない。またアジアシフトが急激に進み、2000年日米欧の需要が全体の約8割を閉めていたものが、執筆時点では3割になっていてそのトレンドは続いているという。キャタピラー社というジャイアントや国内の住友建機などと戦ってきたコマツはとても強い会社になっている。
また有名な「コムトラックス」というシステムを導入したことでIT企業としても先行している会社である。 -
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ものづくり企業における国際経営の典型的な成功例。
国際経営論などではさまざまな理論が展開されているが、
この本では実際の経営でどのように取り組み、成功させたのかが具体的な事例を元に書かれている。
いくつか参考になった点を書いていこう。
ジョイントベンチャーで新市場に進出し(ここまでは普通)、現地法人には積極的な権限移譲も行っていて、それが成功の要因となっている。(どこまで任せるかが重要で、コマツはその辺もしっかりしている)
しかし、現地化を行う上でなるべく現地の人間に任せることを重視しているコマツだが、生産性の高い日本の現場で発見された(カイゼン)効率的な方法を世界の工場に共有する仕組みとし -
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ネタバレ最後のほうはビジネスというより政治問題とか、作者の日本あるべき論
40 完成品の輸出→現地メーカーへの技術供与→直接投資(工場の開設)
42 売ればおしまい=売り切りの製品、販売網
43 代理店はハンターでなくファーマーであるべき 模倣困難な競争優位性
45 フルーガルイノベーション:新興国で同じ性能のものを品質を落とさず安く作る
46 流通在庫 代理店の自前の在庫
50
57 基幹部品(要求される技術が高い、将来の差別化のポテンシャルが大きいので、日本で生産)
58 大物部品は現地調達
66 「発展空間」いまの仕事を続けて自分がさらに成長できる空間があるか
82 インハウス子会社 社内向 -
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建設機械を取り扱う世界的な企業「コマツ」について、元社長がまとめたもの。SWOT分析、固定費の削減、取引先との信頼関係、トップダウンとボトムアップのバランス等々、ロジックとしては正しいんだけど、日本の企業が実現できていないことを実施して成功している。
日本は景気が良くなると人を雇い、景気が悪くなってもリストラしないから、余剰を活かすために関係のない事業にまで手を広げていく。景気が持ち直すとまた人を雇う。結果として競争力を失っていく。これって考えてみたら当たり前の問題なんだけど、この本を読むまで考えてみたことがなかった。
坂根さんからは経営のセンスをすごく感じる。不景気になったら資金的に補助をす -
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坂根会長の経営者としての深い洞察力やリーダーシップの姿に感銘を受けた。
同時多発テロ後の赤字転落、リーマンショック後の世界経済低迷、超円高のなかでどのようにして大きな危機を乗り越えてきたかの具体的事実から、コマツの「ダントツ」ぶりが読み取れる。
本書を読む前は、優れたトップのリーダーシップや独自の意思決定によるトップダウン的な会社なのかなと思いきや、むしろまったく逆で、「報告、討議、決定」といった意思決定プロセスを機能させ、取締役会を中心に現場に議論させる文化を作っていたり、社内の熟練工から徹底的に話を聞き、ノウハウを文書化しているところ(コマツウェイ)などから、いかに坂根会長が組織を育て -
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コマツの坂根会長といえば、産業競争力会議のメンバーにもなっており、依然注目を集める名経営者。最近よくコマツの「コムトラックス」がICT活用事例としてよく出てくることもあり、読んでみた。ICTの話で言うと、以下が強烈に記憶に残った。
「アメリカの企業は、業務用のICTシステムに汎用ソフトを入れて、多少カスタマイズしているだけですから、新入社員でもすぐ使えるようになります。…
ところが、当時のコマツもそうでしたが、日本企業は、給料計算にしても生産管理にしてもすべて自社専用のソフトやシステムを使いたがります。…
ですから、開発コストがかかるうえ、新しい社員が入ったときには、その都度、システム部門 -
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知行合一 知ることと行うことは同一で、両者に違いはない
ハバード大学 マイケル・ポーター 戦略の本質とは、何を捨てるかの決断である
土地の整備 ブルドーザーの出現まではブル(牛)がやっていた。それが新しい機械の出現で牛のすることがなくなり、居眠り(ドーズ)するようになったので、ブルドーザと命名
コムトラックス GPS,エンジンコントローラー、ポンプコントローラからの情報を通信機能をつかってデータセンターにおくる仕組み
機械の稼動状態から先行きを予測
企業のコスト、固定費と変動費 根本の原因は固定費
改革の原則 大手術は一回限り
社内向け業務を思い切ってアウトソーシング
リーマン -
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コマツ。私の勤務先とは全く業種が違いますが、指摘はいろいろと参考になります。
中でも、「ダントツ商品」を作る。日本企業では放っておくと競合他社や自社の過去の商品よりも各スペックを少しずつよくしたような全体としてバランスは良いが取り立てて強い魅力の無い商品が出来てしまう。なので、まずは「何は犠牲にしてもよいのか」を各部門間で共有し、原価管理も「総原価管理ではなく、固定費と変動費を分けて管理」することで、ある部分では競合が数年掛かっても追いつけないような「ダントツ」の商品を出す、という考え方は多くの業種に当てはまる考え方だろう。
また、建機にGPSをつけて稼働状況と位置情報を把握出来るシステムのこ