田中秀臣のレビュー一覧
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どうすれば再び日本経済が成長するか知りたくて読書。
経済学科卒なのに経済が不勉強なので常に学び続けないと…。と反省から述べるが、1日本国民として1消費者として1経営者として、なぜ日本は30年以上も経済成長できないのか。
著者たちのような建設的な研究者がたくさんいるにもかかわらず。
そもそも市場経済とは、戦争とか自然災害とかで国土が荒廃しない限り、無策であっても右肩上がりで成長してくものとされる。
日本が30年も成長なしの横ばいなのは、経済や政治ではないまったく異なる抜本的な要因があるのではないかと勘ぐってしまう。
日本で経済が成長しているという体験はなかったが、それを生活拠点としていた中国で経験してしまったくらいだ。
MMTは勉強になった。
この章で名指しで糾弾されていた大学院の教授は、学者の前に人として問題があると思っているので読んでて爽快だった。
髙橋洋一氏は、金融政策とは雇用であると主張している。国家経済の成長を左右するマクロ経済とは、金融政策と財政政策のみだとシンプルに断言する。
それにしてもマクロ経済をまったく理解していない政治家が多いことは問題だ。
目先の選挙に勝つことを考えたらミクロに走るのはわかるけど、それでは、毎月、毎年のバランスシートへ目を配り、資金繰りがショートしないように経営するのでミクロになりがちな経営者と同じだ。
マクロ経済学の知識を広く増やすためにも勉強を積み重ねていきたい。
読書時間:約1時間5分 -
Posted by ブクログ
読んでいて驚きました。かつて学生の時に教えられたGHQの政策が現在の日本が今だ引きずっている「緊縮主義」の原因となっていたとは全く知りませんでした。引用文献も各章ごとに載っています。以下に、各章を読んでいて特に印象に残った内容を本書から一部だけ引用します。
第一章:経済学はいまでもGHQが占領中
財閥解体、農地改革、労働民主化などのGHQが指導した戦後改革、「経済民主化」は、日本の経済復興ではなく日本の経済の弱体化を狙ったもの。
第二章:緊縮財政の呪縛
石橋湛山が極東国際軍事裁判で被告側の弁護を行おうとしたことが驚きの事実として
詳述されています。詳しくは本書をご覧ください。
第三章:集団安全保障と憲法改正の経済学
憲法学者の佐々木惣一の言葉を引用して憲法について「どんなに憲法解釈が順法理的にすばらしくても、現実に平和が維持されないでは意味をなさない」
第四章:占領史観にただ乗りする中国と韓国
GHQが当時の日本への視線と、今日、中国政府がウイグル族などに向ける視線が共通していることに注意されたい。この時代の「優生思想」による産児制限は現在でも影響を持続しています。
第五章:学術会議、あいちトリエンナーレに映るGHQの影
日本学術会議は、日本の科学者から選ばれた210人の会員と約2000人の連携会員で職務の行う政府の一組織である。この意味からも。政府からの民主的コントロールが必要になるのは当たり前である。自分たちの組織で勝手な人事をやっていいわけがない。
上記の他にも、日銀に「緊縮主義」はなぜ刷り込まれたのか、など読みどころは沢山あります。 -
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タイトルに「増税亡者を名指しで糺す」とありますが、内容としては著者の卓越した経済の知見を充分に活かした時論が中心になっています。
財務省の宣伝による消費増税の正当化、マスコミの事実とは違う政府の借金の偏向報道、経済界が消費増税を好む理由、国会議員が増税を主張する理由、など主に消費増税を好む緊縮主義(経済が悪化しているのに増税を行ったり政府支出を削減したりすること)が経済を悪化させ、国民の暮らしを貧しくすることを強く主張しています。
特に私が読んでいて感銘を受けたのは、第六章にある「リフレ政策を知らない韓国経済の失敗」です。韓国経済は、現在失業率が大変悪い状態にあることは新聞などで仄聞していましたが、著者曰くかなり積極的な緊縮政策が以前から行われているとのことでした。韓国の労働市場は日本とは違う形を採っているとはいえこれは見逃すことのできない恐ろしい事実です。
その他にも読みどころは沢山あります。あとは、読んでみてご確認ください。 -
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ネタバレ新潟を本拠地にしたAKB48グループの新グループNGT48を例に、ご当地アイドルの市場を経済学の知見を元に分析した本です。
経済的、社会的に地方の実情を踏まえ、各地のご当地アイドルの活動や市場がもたらした成果や実情から、民間主導の地方再生、活性化の優位性が説かれています。
また、経済学だけではなく、大瀧詠一の「分子/分母論」、日本の芸能界を作った人々が抱いていた「アメリカの影」、AKB48グループの総合プロデューサーの秋元康氏の「心のポートフォリオ」など芸能史、文化論に踏み込んだ箇所は興味深かったです。
アイドル市場の活性がデフレ不況下での現象であり、デフレ脱却がアイドルに冬の時代をもたらす…
しかし未来はある!
それは、ローカル化とグローバル化。
だと…自分は読み解きました。
あれ?
これって最近似たような結論の本が…
冷静に分析されていますが、著者のアイドルたちに対する愛情は隠しようもない…そう感じます。 -
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AKB48自体には興味が無いのですが、AKB48が好きな人には興味があります。
面白いのは、AKBを始めとするアイドルの興亡には、景気が大きく関わってるということ。
これは、SPEEDやモーニング娘。も同じで、経済成長率が低迷してる中に、誕生し、景気の悪い中、爆発的に流行るということ。
その理由の一つが以下。
しっくり来る理由なので、引用。
「そしてもう一つの理由としては、不況期にあるためお金を使わずに楽しむことができるテレビという娯楽に人々の関心が集中していたためだと考えられます。(中略)
テレビは一度設置してしまえば、あとは電気代がかかるだけで追加的な費用はほぼゼロです。そのテレビにとって代わった新しい娯楽こそインターネットでした。(p.53)
AKBの売り方のスゴイ所は、不景気という環境をうまく利用したこと。
これまでは不景気の波に乗り、順風満帆でやってこれた。
しかし、今はアベノミクスの中、好景気の風が吹いている。
今後のAKBの戦略とファンの動向が気になる。 -
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本書の意義を見るには当時の小泉政権発足当初のマスコミやその政権に対する過剰な政治「期待」の一億総ヒステリー状況があったことを認識しておく必要がある。9月30日、 小泉改造内閣が発足。柳沢伯夫金融大臣を更迭して、竹中経財相に兼務させた。これにより以後は不良債権処理の強硬策を主張する竹中が小泉政権の経済政策を主導した。当時はデフレ下で、当時は株価が7000円台にまで落ち込み、住宅価格も落下していた。すなわち資産価格の下落が激しかったのである。そこで、金融機関の貸し渋りと不良債権が問題視され、株価の下落は金融機関の含み益の減を通じて、自己資本比率8パーセントも割り込む事態が発生しつつあった。こうした時、竹中平蔵と小泉純一郎は、強硬な構造改革(構造改革といっても、官僚の亜天下り先としてある特殊法人、公益法人、財団、社団を含む官僚機構の改革と道路公団、郵政事業の民営化は別物としてみる)政策として金融機関の「解体」を目論んだ。
多くのエコノミストが賛同する「構造改革が景気回復を促す」という主張が大きな誤解であり、一億集団ヒステリーのもとでの妄想であることが明確に論証されていく。読み進むうちにどんどん引き込まれ、構造改革論の推進によってマクロ経済の安定もたらされるという政策が経済学の初歩から言っても誤りであることが経済学の素人でも理解できる。標準的なマクロ経済学の適用が、本書には満載されている。
不良債権も日本的雇用システムの崩壊もマクロ政策としての金融政策の失敗の結果、したがってミクロの政策や不良債権処理を進め、日本的雇用システムを壊したところで景気回復にはつながらない、とする総需要の不足でデフレが起き、デフレが原因で不良債権はその結果であるという基本の論理には説得力がある。デフレ不況は、循環的な景気低迷であり、また、構造改革は「長期」的な視点を持って取り組むべき地道な「政治」作業である。構造改革そのものを批判しているわけでは全くない。それは、本書の中途にも掲載されているように、レントシーキングとして、既得権益を省益として保持し、天下り先の保存に狂奔する官僚制の問題点の指摘もあることから、充分に理解できる。
いろいろな議論を論理で整理、デフレ不況という総需要の不足からマクロの経済事象がおきておりその明快さで一読の価値は2008年となった今でも一読の価値がある。というのも、マクロ経済についての標準的認識方法が、本書には掲載してある。標準的マクロ経済学の有効性と反経済学的「主流派」(マスコミ)経済学の違いが分るからである。
以下引用
「不良債権が元凶なのか
しかし、不良債権の存在を景気悪化の「真因」とする見方には、経済現象の因果関係の把握に
関する根本的な認識の誤りがある。というのは、不良債権の存在がさまざまなルートを通じてG
DPを低下させているのがかりに事実としても、その不良債権自体が他の経済変数(たとえば、
資産価格、企業収益、物価等々)に依存する「内生変数」である場合には、既存の不良債権の償
却それ自体は必ずしも「不良債権問題」の根本的解決には結びつかないからである。逆にいえば、
不良債権問題が単に不良債権の償却のみによって解決されうるのは、不良債権が純粋に外生要因
であるか、あるいは「既存の不良債権の減少が同時に不良債権発生の 『原因』をも縮小させる」
という自己強化的なケースにおいてのみである。
残念ながら、不良債権に関しては、このような幸運な因果関係を想定することはできない。と
いうのは、不良債権の最大の 「原因」がデフレと資産デフレであるのは明らかであるが、デフレ
と資産デフレの原因は必ずしも不良債権ではないからである。
バブル崩壊直後に発生した不良債権は、そのほとんどが資産デフレ、とりわけ不動産価格の急
下落にともなって発生したものであった。しかし、九〇年代後半以降に発生した不良債権は、デ
フレとそれにともなう実体経済の悪化によって生み出されたという側面が強い。したがって、既
存の不良債権を何らかの政策手段によって処理したとしても、このデフレと資産デフレが続くか
ぎり、「不良債権問題」それ自体は永遠に解決されない。むしろ、もし既存の不良債権の処理が
デフレと資産デフレを悪化させることになれば、不良債権は結果として拡大する可能性さえある。
その意味で、「不良債権処理なくして景気回復なし」という政策は、きわめて大きなリスクをは
らんだ処方箋なのである。」
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本書は脱GHQ史観の経済学というタイトル通り、日本の現在もなお停滞する経済が、アメリカの占領下における影響を未だ引きずり続けている点について記載されている。日本は太平洋戦争に敗れ、日本史上初めて外国の占領を受けた。明治維新以降爆発的に増加する人口の捌け口を大陸満州や朝鮮半島に求めた日本であったが、それは日本を取り巻く周辺諸国並びに、植民地政策で先行利益を得ていたアメリカやヨーロッパを刺激する。結果、太平洋戦争へと突入し、約4年の戦闘をもって原子爆弾2発で沈められた日本。その後、コーンパイプを加えたマッカーサーが厚木の基地に降り立つ写真は誰もが一度は見た事があると思うが、占領軍の中心的組織としてGHQが日本の経済、政治に深く関わっていく。いや表現としては統制していくという方が正しいであろう。アメリカの政策の基本方針としては、本書にも記載されるように、防共的な側面に加え、再び日本が国力を身に付けて戦争を起こさない様、抑制された経済の道を歩む事になる。当時の経済は緊縮財政。不況時には世界恐慌時のアメリカのニューディール政策の様に、政府が積極的に公共投資を行い、失業者を減らす事は、歴史上も成功事例は多くある。一方、戦後灰と化した日本の都市には失業者が溢れ、かつ食うものにも困る様な状況、これに対するGHQの政策は緊縮財政であった。これを現代の日本も引きずり続けるというところから本書は始まる。
本書は筆者が冒頭に経済政策の思想的な側面に特に限定したトルソ(胴体部分のみ)であるという様に、手足や頭部をどの様に考えていくかは、未だ未だ課題も多く記載されていないとする。新書サイズで限られたページ枚数であり、過去の日本の経済の変遷を、政府の政策面から俯瞰するには十分であった。引き続き、本書を軸に日本が抱える膨大な課題を、個別に見て行きたくなる内容だ。 -
Posted by ブクログ
シュンペーターの創造的破壊は、大掃除を伴うもの。大掃除で清算する必要がある。=日本の雇用システムと中小企業を清算するべき。
清算主義=風邪を引いたらそのまま放置していれば、強靭な体に生まれ変わる、という思想。
最低賃金を上げることで、若年失業率が上昇するか。韓国経済の実例。若年層の雇用状況は高止まり。
集団的自衛権は合憲か。佐々木惣一。自衛権は集団的自衛権を含むことは自明。
競合性の高低、排除可能性の高低によって
指摘財、クラブ財、オープンアクセス財、純粋公共財に分けられる。
公共財は、競合性がなく、排除可能性が低い。
オーブンアクセス財は、教養牧草地。競合性が高く排除可能性が低い。
防衛は公共財。国際的に見れば国際公共財。冷戦構造では、アメリカやソ連にフリーライドしていた。 -
Posted by ブクログ
日経ビジネスで記事を見かけて、面白そうだったので読んでみました。AKBは名前はよく知っていても、ブレイクした頃日本にいなかったこともあって、どういう活動をして今のような人気になったのかよく知らず、これを読んで納得できました。
キワモノっぽい感じもありますが、行われている経済学的な分析は案外的確に思えます。好況や不況との相関関係についてはややこじつけのように思いましたが、アイドルの盛衰に一定の時間的な周期性があるのはそのとおりでしょうし、AKBというシステムがうまく回らなくなっていくのもそれほど遠い将来でないのでしょう。作者の予言がどう実現するのかしないのか、見る楽しみができました。