あらすじ
IMFは2018年10月、主要各国政府のバランスシートを分析する報告書を公表した。同報告書によれば、日本の財政状況は、負債と資産とを差し引きした「純資産」がほぼプラスマイナスゼロだった。つまり、「日本は財政危機」というのはフェイクニュースだったのだ!
そんな矢先、10月14日に『読売新聞』が他紙に先駆けて、「安倍首相は、消費税率を来年10月1日に現行の8%から10%へ予定通り引き上げる方針を固めた」と報じた。この背景には、米中貿易戦争長期化による世界経済の悪化を含め、増税見直しの気運が高まる前に税率アップを確定させたい財務省の動きがあったのではないか。
財務省は、なぜそれほど増税したいのか? 安倍総理と菅官房長官以外の与党政治家はなぜ押し並べて増税派なのか? テレビ、新聞などで解説する文化人、はたまた財界人までもが消費増税を推進するのはどうしてなのか?
仕組まれた「増税包囲網」のカラクリを明らかにするとともに、財務省の走狗であるかのような増税亡者たちを名指しで糺す!
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Posted by ブクログ
タイトルに「増税亡者を名指しで糺す」とありますが、内容としては著者の卓越した経済の知見を充分に活かした時論が中心になっています。
財務省の宣伝による消費増税の正当化、マスコミの事実とは違う政府の借金の偏向報道、経済界が消費増税を好む理由、国会議員が増税を主張する理由、など主に消費増税を好む緊縮主義(経済が悪化しているのに増税を行ったり政府支出を削減したりすること)が経済を悪化させ、国民の暮らしを貧しくすることを強く主張しています。
特に私が読んでいて感銘を受けたのは、第六章にある「リフレ政策を知らない韓国経済の失敗」です。韓国経済は、現在失業率が大変悪い状態にあることは新聞などで仄聞していましたが、著者曰くかなり積極的な緊縮政策が以前から行われているとのことでした。韓国の労働市場は日本とは違う形を採っているとはいえこれは見逃すことのできない恐ろしい事実です。
その他にも読みどころは沢山あります。あとは、読んでみてご確認ください。