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緩慢なデフレにより衰退に向かうサラリーマン社会。今、日本型雇用システムの構造改革が叫ばれている。しかし終身雇用・年功序列・企業内組合という三種の神器は、本当に悪なのか。成果主義の導入や雇用の流動化は、本当に必要なのか。サラリーマン社会の実相を歴史的に検証し、日本経済再生の処方箋を探る、気鋭による注目の論考。
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Posted by ブクログ
サラリーマンの歴史や、この本が書かれた当時のサラリーマンが置かれた不況の原因としては、日本型雇用システムという構造的なものではなく、デフレによる循環的なものだというのがよく分かります。個人的には、デフレ不況に於ける実質賃金の変化がどのように雇用に影響するのかの理解が深まったのは大きな収穫でした。
デフレ政策により、衰退したサラリーマン(公務員等を除き企業に勤務する者)がもたらす社会資本の縮小が全体の閉塞(マクロ的循環要因)に繋がり深刻化してると分析。デフレ圧力に起因する解決策としては、マクロ経済政策による総需要の拡大、インフレ・ターゲット政策への転換を提言。サラリーマンのあり方としては、環境...続きを読むを外に求めて組織に拘束されない自由派と、組織の中で積極的に改善を働きかける組織派とに再構築し、個々にボイスとエグジットの保証をもって、サラリーマン社会=コミュニティの循環を理想とする。だが、流動化社会の最低ベースが整備されたとて、それで若者が積極労働するのだろうか。彼等が生活が苦しくともどうして安定サラリーマン社会に背を向けているのかの考察は欠落。
10年前からリフレ主張してたんですね。面白く読めました。 自分の今の境遇からすれば、この本は自分の立場を守ってくれるスタンス。 ただ、それでも日本企業特有の意思決定の遅さ、とかそういった面には言及がされてないということは気に留めておく必要はあると思う。
[ 内容 ] サラリーマン社会を追い詰める、緩慢なデフレの脅威。 日本型雇用システムの構造改革が叫ばれている。 終身雇用・年功序列・企業内組合という三種の神器は、本当に悪なのか。 成果主義の導入や雇用の流動化は、本当に必要なのか。 一九二〇年代に流行した雑誌『サラリーマン』の分析等からサラリーマン社...続きを読む会の実相を歴史的に検証する。 インフレ・ターゲット政策による日本経済の再生と長期的雇用関係が蓄積する人間関係上の信頼感やモラルの向上等に基づく日本型システムの再構築を唱える、気鋭の若手による注目の論考。 [ 目次 ] カフカの惑溺とサラリーマンの不安 第1部 サラリーマンはどこから来たのか(サラリーマンの誕生;サラリーマンの「三種の神器」;会社人間はなぜ生まれるのか) 第2部 サラリーマン社会はどこへ行くのか?(デフレが変えたサラリーマンの「時間」;自立するサラリーマンという幻想;構造改革論ではサラリーマンは救えない;構造化するデフレ社会を超えて) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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