もう京都本は買わないといつ決めたのか不明だが、気持が後ろめたいので、たぶんそうなのだろう。
しかし、赤とかピンクとか目に飛び込んでくると、ちょっと研究するか、山本容子だしなという中のひとの声でレジに向かっていた。神保町の共栄堂でスマトラカレーを食べるため気持も急いていた。
いつも、前置が長いときは、
...続きを読む想像力を刺激されている。構成を見ると、1章 寺町界隈、2章 六波羅廻り、3章 東大路を北へとある。この偏りを歳時記が何となく補っている。画家の力としか言いようがない。著者が京都市立芸術大学(以前の美校は東山区日吉町、智積院の東側にあった。)に通った頃から土地勘のあるところが、エピソードとともに紹介されている。お店の情報もしっかり押さえてある。イノダコーヒは1947年創業とかいわれると以外な気がする。ちなみに、店のHPを見ると、創業1940年、コーヒーショップ開業1947年とある。当初は豆の卸だった。京都通いの経験豊富な方であれば、ああ、行ったことがある。私のエピソードのほうがよっぽどエッセーぽいとか思われるに違いない(笑)。パリは京都に似ているという話にうなずいているうちに、歳時記の絵は大文字五山送り火となって、懐かしい記憶とともに逝ってしまった人々の顔が浮かぶ。1800円と税は少し高いけど、絵の値段としてはそんなものかと思う。巻末に著者の信頼するお食事処の住所が並んでいるけど、本文には触れていない。信頼せよということだろう。16頁の絵はいかにもという感じがする。
「千本通りより東は(ママ)、広い範囲にわたってほとんどが湿地帯で」(10頁)など誤植が気になると読み進む気にならなくなるところだが、そんなものだと思えば、形式より内容に入ることができる。それにしても、以下の方式では3以上の評価は難しいのは、私の拘りでもある。初歩的なミスは残念なので、出版社はもう少し勉強しょうね。
素人×東京の出版社=?