山本容子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
とても不思議で、一切の救いのない物語。
巨躯で訴訟好きの女性、ミス・アミーリア。圧倒的な人間嫌いのアミーリアに対し、突然出現し、一途な愛を受けることになった病的に小さなカズン・ライモン。この二人が始めたカフェが、町全体を活気づけ、奇跡のような平和をもたらした頃に現れる、前科者で過去に10日間だけミス・アミーリアと結婚していた、マーヴィン・メイシー。
この三者の、愛の一方通行を描きながら、その愛の行き着く先を示す。
マッカラーズの小説に出てくる登場人物は、皆、どこか普通ではない。
普通ではないのだけれども、普通ではないなりに、皆、不思議と歯車が噛み合っている。
そしてその噛み合い具合がとても心 -
Posted by ブクログ
誰かに気にかけられる人はしあわせ。
誰かを気にかける人はしあわせ。
誰かの人生の「つづき」を気にかける。
途中まで読んだ本のつづきが気になるように。
色々な本の中から飛び出した登場人物(?)たちが、
新米おばちゃん司書とドタバタを繰り広げます。
自分の本を読んでくれていた誰かの、「つづき」が知りたくて。
そんな彼らとつきあいながら、変わっていく主人公。
自分が読んでいた本の中の登場人物が、
自分のその後の知りたがっているなんて、とても素敵な想像。
たしかに逆はよくあること。
人生という名の本の、半ばまで生きてきた主人公の「つづき」が
意外にも思える形でラスト