山本容子のレビュー一覧

  • 哀しいカフェのバラード

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    読みたかったカーソン・マッカラーズの『悲しき酒場の唄』が
    村上訳で読める日が来るとは!
    それも山本容子さんとの素敵な物語絵本になって

    なんという話しなの!

    という感想に尽きます
    全てが変わっている

    春樹さんはこの中編小説をできれば他の短編と合わせずに一冊の独立した本にしたかったという
    それも絵をつけた一冊に。
    となるともう 私たちも山本容子さんしか浮かばない。カポーティの本たちと同じように。

    それにしても、江國香織さんも書いておられるように、こんなに描いてしまっていいの?ミス・アミーリアを、カズン・ライモンを?
    と思わずにはいられない。
    けれど…このあまりにも新鮮?斬新?な物語だからこ

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    2025年01月03日
  • 哀しいカフェのバラード

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    タイトルで「哀しい」と言ってしまっているので、出オチしているようなのってどうかな?と思いつつ読んだ。杞憂でした。こんな余韻の話は初めてかも。あとがきで村上春樹さんも書いていたけれど、登場人物のどれにも共感できなくて、突き放されたような印象を受けた。でも、それがよかった。どうにもできない渦に巻き込まれていくような、不条理を目の当たりにするような、少しだけ心地よい虚脱感も感じながら一気に読み終えた。

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    2024年12月07日
  • つづきの図書館

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    大好きな一冊。児童書だけど、人生あまりうまくいっていない大人女子が主人公。笑えて、少しせつないお話。

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    2024年10月19日
  • 哀しいカフェのバラード

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    訳者違いの再読。
    再読って初めてかも知れない。
    でもよかった。
    時に人物の気持ちが分からない。
    でも人ってそんなもんじゃないかと思う。
    全てが合理的で他から見て分かりやすくて…みたいな人なんていない。
    それぞれに葛藤やら鬱屈やら抱えてどうにかこうにかつじつまを合わせたり、合わなくなってぐちゃぐちゃになったりしながら生きている。

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    2024年10月04日
  • 哀しいカフェのバラード

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    「愛されるもの」の立場と「愛するもの」の立場。
    両者の立場が移り変わりながら、その哀しさと憎しみが描かれた物語。
    登場人物たちは、みな異様で素直に共感することはできず、ゆえに、箱の中の出来事を見ているような感覚になる。
    けれど、そこで繰り広げられている愛憎は、「愛」の難しさ、他者を理解することの困難さを語っている。

    哀しいけど、涙がでたり、胸が激しくしめつけられたりするわけではない。
    ただ、淡々とした哀しみだけが残る。

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    2024年09月29日
  • パリ散歩画帖

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    アパルトマンに滞在して旅をするって理想。
    でもやっぱりそれなりのものがないとね・・・
    こういった本を読んで夢気分に浸る。

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    2024年02月24日
  • つづきの図書館

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    本の中の登場人物が、読んでくれた人のつづきが気になると言って、抜け出てきちゃうお話。主人公は40代の司書桃さん。

    この本の表紙が赤いのも、意味があってのことなんですよね。

    桃さんが四方山市に戻ってきたのも、赤い本を手にすることになったのも、杏おばさんとの会話ひとつひとつも、細かなことすべてに意味があって、読後の感動につながりました。

    話の中に出てくる、『はだかの王様』『オオカミと七匹のこやぎ』『狼王ロボ』『うりこひめ』など、読み返したくなりました。

    高学年向けの児童書だと思いますが、大人になって読んだほうがグッとくると思います。
    いや、高学年で読んで、また大人になってから再読すればいい

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    2021年09月18日
  • つづきの図書館

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    この真っ赤な表紙と装丁にも意味があるの。
    読み終えてから気づいて、ぐっときたなあ。

    わたしたちは「本の続き」が気になるけれど
    本の中の登場人物も、「本を読んでいる人の人生の続き」が知りたくなって、本の中から飛び出してきてしまう…というところから、はじまるストーリー。

    物語の冒頭で、
    本の中からはだかの王さまが飛び出してくるあたり、
    楽しい児童書だ!と思っていたのに、
    まさかのまさか、いろんな家族と、主人公の桃さんの成長と感動のストーリーでした。


    設定はとても面白かったけれど
    主人公が40代の女の人だったり、
    家族のあり方、お話がちょっと大人向けかな、とおもうので高学年〜だなあ。

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    2021年03月15日
  • つづきの図書館

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    主人公は司書さん。裸の王様、瓜子姫の天邪鬼…絵本を読んでくれた子供たちの続きが気になる登場人物たちが出てきてしまい…、
    今まで私が読んだ絵本の登場人物も気にしてくれたら嬉しい。
    悲しいとき、寂しいときに本当に出てきてくれたらいいのに。

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    2020年08月27日
  • つづきの図書館

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    良かった。子供の頃に読んだらどういう感想をもっただろう?単純なハッピーエンドではないお話だけど、じんわり温かくなる。手元に置いてまた読み返したい本。単行本だけど買うかな。。

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    2013年12月18日
  • つづきの図書館

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    霧のむこうの不思議な町で初めてこの作者を知り、俄然興味が湧き、読んだ2冊目。めちゃくちゃ面白い!空想の世界へぐんぐん惹きこまれ、私もこんな本が書けたらいいな、と創作意欲をかきたてられました。次は何を読もうかな。

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    2013年10月13日
  • 京都遊び 三十三景

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    銅版画家の山本容子さんの、京都ガイドのエッセイです。
    山本さんの、手書きの挿絵?と、地図が、また味わい深く、とても惹かれます。
    地図は意外とわかりやすいと思います。
    紹介されている場所、お店も、京都に住んでいた山本さんならではの視点で、ちょっとタダの旅行者とは視点が違うので、より魅力的。
    京都に行きたくなります。
    ちなみに、私は京都に行ってきました。
    お店やさんは、行くことができなかったところもありますけれど、いつか行ってみたいと思います。

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    2013年05月02日
  • パリ散歩画帖

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    パリって小洒落た街のような雰囲気を漂わせていそうだけれど
    実際はとても人間臭い街だと思います
    著者の創作物はその部分がよく表されているアートなのかなと

    可愛いけど、実生活に基づいている可愛さというか
    その点を非常に上手くひき出している
    パリの魅力を再発見できるはずです

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    2013年04月06日
  • 京都遊び 三十三景

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    山本容子さんは、あこがれの人の一人。
    この人の銅版画も好きだし、外見も素敵。
    でもこのエッセイを読んで、もっと好きになった。
    大阪の人だけど、京都の大学(京都藝大)に来たことを
    とても嬉しく思っておられるのがありがたい。
    間に挟まれた、銅版画も素敵です。

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    2013年01月10日
  • つづきの図書館

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    はだかの王様や「おおかみと七ひきの子やぎ」の狼など、絵本から飛び出したキャラクターたちが、かつて自分の物語を読んでくれた子どもの「つづき」が知りたいと頼みこんでくる。
    本好きのツボをくすぐる設定。いいなあ!

    最近、藤田和日郎の『月光条例』を読んだので、モチーフが似てるなと思いながら読んだ。
    話の質は違うけど。裏表紙に鉢かづきがいるから、余計に思い出してしまった(笑)

    登場人物が本の中から飛び出す…というのは割と王道だと思うけれど、それを軸に読者(人間)側の問題が描かれているところに現代っぽさを感じる。
    主人公の桃さんは離婚歴のある中年女性で、その他子どもたちの家庭環境も少し複雑。
    彼らの抱

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    2016年07月12日
  • 山本容子のシュールなフランス語講座

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    絵付きで説かれるとすごく印象に残ります。
    やはり視覚的人間であることを自覚。
    遠い遠いフランス語会話への道のり。
    小さな一歩から。
    この本は小さくて持ち歩けるのも魅力です。

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    2009年10月31日
  • 哀しいカフェのバラード

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    村上春樹さん訳 山本容子さん絵画

    初カーソン・マッカラーズさん
    中編小説で、挿画が作品とぴったり
    奇妙な人間関係で、3人はそれぞれにコンプレックスがあるけど、幸せになろうとする
    不器用だけど愛を感じる
    愛が憎しみに変わった残酷さが哀しい物語

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    2025年12月05日
  • 哀しいカフェのバラード

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    以前「心は孤独な狩人」を読んだ時とは大きく異なる印象のマッカラーズ。心は孤独な狩人は現代社会にも通じる閉塞感について考えさせられる一冊であった(らしい。自分の感想を見る限りではある)けれど、この何とも奇妙な物語は何かを静かに考えさせるという雰囲気は、一見、ない。訳者の村上春樹も最初に読んだ時の印象をこう語っている。

    『これはいったいどういう小説なのか? いったいこの小説は何を語ろうとしているのか? この本を読み終え、多くの読者はそのような疑問と戸惑いを抱いたまま、あとに取り残されることになるかもしれない。最初に読み終えたとき、正直言って僕もそんな読者の一人だった』―『訳者あとがき』

    時代が

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    2025年11月07日
  • 哀しいカフェのバラード

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    村上春樹氏の訳というので、初めてマッカラン氏の作品を読んでみました。
    なんというか話自体は救いようのないようなものですが、村上春樹氏があとがきで書かれているように、「愛」を真摯に求める心の有り様であり、マッカラーズ自身の孤独な魂の反映なのかなと思うのでした。
    主な登場人物3人の深い欠落と矛盾に苦しみながらも必死でもがいてる姿は、現代でも、世界のどこにいても同じなんだと感じ入ることが出来ました。

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    2025年04月25日
  • 哀しいカフェのバラード

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    詩情溢れるメルヘン。そして残酷なラブ・ストーリー。
    タイトルに“ballad”とあるとおり、人々が口伝えに繰り返し語り継いできたドラマに耳を傾けているかのよう。

    冒頭でいきなり悲劇の結末は明かされる。
    うらぶれた田舎町に住む、吝嗇で癖が強いが一目置かれてもいる人物であるミス・アミーリアに起きた、これまた風変わりな愛の行方と破局の物語だ。

    なにもないいつもの夕方、訪ねてきたよそ者との出会いによってミス・アミーリアが変わり、その熱が生む磁場に引き寄せられるように町の住民も変わっていき、物語には幸福と高揚感が満ちてくる。
    しかしそれと同時に、きっとなにかが起きるに違いないというカタストロフィの予

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    2025年01月11日