有島武郎のレビュー一覧

  • 小さき者へ・生れ出づる悩み

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    友人に勧めてもらって読みました。

    美しい文章を読みたい時にうってつけの本です。作者がかつて住んでいた北海道の情景は、さながら風景画を鑑賞するような感慨深さがあります。
    また、当時の時代背景をもってしても、作者の女性や弱き者に対する優しさが読んでいて心地いいです。一見独りよがりなようで、そうでない話の内容からも、彼の人としての魅力が溢れんばかりに表現されています。
    非常に著名な方であるのに、恥ずかしながら私は今まで知らなかったのですが、その人生の山谷にも引き込まれました。本作のような繊細さと周りへの尊敬を忘れない作者が、最後は不倫相手と心中してしまうというそのギャップにも目を向けざるをえません

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    2020年06月30日
  • 小さき者へ・生れ出づる悩み

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    古典文学の有島武郎の著書である。
    小さき者へ、は、我が子たちへあてた手紙であり、その昔の様子を想像するに難くない。
    いつの世も、夢半ばにして諦めることを選択せざるを得ない人がいる。生まれ出ずる悩みとはまさにそれを物語っている。
    明治文学の真髄であり、難解ではあるが、奥深く味わいある内容である。

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    2016年01月04日
  • 一房の葡萄

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    童話にカテゴライズされるようだが、子供を題材とした短編の趣を感じた。登場人物に向けられる眼差しは温かく繊細。
    (2012.1)

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    2012年03月02日
  • 小さき者へ・生れ出づる悩み

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    「小さき者へ」
    我が子への愛や願いがひしひしと伝わってくる、のにな・・・

    「生まれ出づる悩み」
    野心を抱き、他を犠牲にするには、あまりにも優しすぎる「君」。
    才能あるよ、諦めないで、などと言うのは簡単だ。背中を押してやった、なんて自己満足に浸ることもできる。
    それをしない「僕」も、やはり自分の生き方に自信など持ちあわせておらず、そして優しい人物なのだと思う。

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    2011年12月09日
  • 小さき者へ・生れ出づる悩み

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    小さきものへの感想
    失いそうになって初めて、大切なものに気づき、守ろうとした。しかし、その失われそうになっていたものは、自分にこれから守るべきものを与えてくれていたことに気がついた。それらをこれから守るという自分自身への決意表明のようなお話。
    生まれ出づる悩みの感想
    自分の希望する道へ進むことができず、家族のためについた仕事で不本意ながら汗をかく。生きるということはこういうことが大概あるのではないだろうか。

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    2011年10月23日
  • 一房の葡萄

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    随分マセた子どもだったようである、初めて読んだのは6歳のころで、小学校3年生のはじめての読書感想文は「一房の葡萄」だったのです…。最早何を書いたんだか記憶にありませんが。
    只、当時は「書かれている出来事」だけに注目しておりましたが、もう少し年齢を重ねると文体の美しさにも気付かされますね。
    一番印象に残っているのは掲題の「一房の葡萄」ですが、罪を犯した少年に苦味が含まれつつも温かいのは、主人公その人が有島武郎だったからですね。
    ヘルマンヘッセの「少年の日の思い出」(=「クジャクヤママユ」)を連想します。

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    2012年02月19日
  • 一房の葡萄

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    有島武郎の童話八篇を収録した本。
    どの作品もすごく面白く、心が温かくなった。中でも「火事とポチ」は犬嫌いの僕ですら読んでてちょっとうるっときた。本を読み終わった後に小学校の教員免許が欲しくなった。
    「真夏の夢」だけちょっと作風が違うなと思ったら、ストリンドベルヒという作家の作品の翻訳らしく、自分の勘が当たったことが嬉しかった。

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    2011年01月30日
  • 一房の葡萄

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    有島武郎の童話集。こどもの気持ちになって読める。こどもらしい純粋なこころ、いじわるなこころ。
    目の高さも低く設定されている。見上げる、とかこどものしぐさがいちいち新鮮で驚く。

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    2009年10月04日
  • 一房の葡萄

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    童話。全8話。

    有島武郎が遺した童話が全て収められてます。

    好きなんだよね〜童話。童話に込められた寓意って素晴らしいですよね。人間の根幹を形成するのに絶対一役買ってると思う。子供がいれば絶対読み聞かせたいもんです。

    私も子供の頃は毎晩母が読んでくれましたね〜童話。今思えばそこで、今の私の倫理、道徳観が形成されたように思います(もちろんそれだけではないですけど)。

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    2009年10月04日
  • 小さき者へ・生れ出づる悩み

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    母に貸してもらい読み終えた。
    昭和30年西暦1955年の作品ということもあり、時代はとても昔に感じる。
    しかし、だからこそというか、
    生きるために、全力を尽くし、余暇などはほとんどない中で、自分の本当にしたいこととは何か…考え、苦悩している姿を見ていると、とても辛い現実の中に、美しい命を感じました。
    自分はこんなに生き生きと生きているでしょうか。大した事ない苦しみに、音を上げてしまっていないだろうかと、反省させられました。

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    2025年10月05日
  • 一房の葡萄

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    この作品は 有島武郎さんの創作童話にあたる

    主人公の僕は
    幼い頃から絵を描くことが大好きだった
    級友のジルが持っている上質な絵の具で
    描いてみたくなり
    衝動にかられて ジルの絵の具を盗んでしまう…



    しかしすぐに…
    大好きな先生に盗んだことがバレてしまい…

    じわじわと 盗んだことへの恥ずかしさや
    後悔が襲ってきて
    大好きな先生の前で 泣き続けてしまう…



    あのとき絵の具を盗まなかったら…
    あのとき盗んだことが露呈しなかったら…

    後悔の波が押し寄せる僕に
    先生は優しく許してくれて
    一房の葡萄を分けてくれる



    盗んだ事実を叱るのではなく
    どうして盗んだのか…

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    2025年06月06日
  • 小さき者へ・生れ出づる悩み

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    [小さき者へ]妻を亡くした主人公、そして母親を亡くした3人の子供たち、主人公が子供たちに対して綴った手紙のような作品でした。極短い内容の中で、子供たちが自由に生きてほしいという主人公の思いが語られていたものとおもいます。星3つです。

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    2025年05月29日
  • 小さき者へ・生れ出づる悩み

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    漁船転覆のシーン描写は凄いが
    多少辟易気味にも成る
    世に出ず埋もれ行く才能は数多有ることだろう!特に貧しきモノには

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    2025年01月18日
  • 小さき者へ・生れ出づる悩み

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    北海道は道央、ニセコや岩内町が舞台と言える「生れ出づる悩み」は、厳しい北海道の海の景色が細かく描写されており、短いながら読み応えのある作品。
    「小さき者へ」も短編だが、親、夫の「子」への思いが溢れている。

    北海道出身でもニセコ町や岩内町出身なら読むといいと思う。岩内港の荒波、そびえ立つ岩内岳…自然を思い起こすことができる。

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    2024年11月14日
  • 小僧の神様・一房の葡萄

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    小僧と神様 志賀直哉 日本文学館

    武者小路実篤と共に学習院で学んだと言う
    とても繊細な人だったらしい
    小説の神様と呼ばれてもいたようだが
    夏目漱石とは別の文体で
    言葉使いが違うせいか馴染めない所も多く
    「小僧と神様」と「雪の遠足」を読んで閉じた
    どちらも寂しい話で尻切れとんぼであるところが気になったし
    現象面に引き摺られてしまう主人公の悩みがわかるような気がする

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    2023年05月21日
  • 小さき者へ・生れ出づる悩み

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    大正時代の作品だったため読みにくい表現もあるかなと思って読み進めるも、表現もくどい言い回しはなく読みやすかった。
    『生れ出づる悩み』家業の漁業を手伝うために漁夫として故郷で奮闘するも、絵を描くことも諦めきれない若者が題材。
    著者がその若者から夜通し聞いた話を元に書いた苦悩の日々から、若者の煩悶とした様子がよく伝わってきた。
    両作品とも文章が美しかった。北の大地の自然についての文章からありありとその様子が伝わった。

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    2022年07月21日
  • 小さき者へ・生れ出づる悩み

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    未来ある子ども達へのエール「小さき者へ」、芸術の崇高さを理解しつつも余りに厳しすぎる漁師の生き方とのギャップに苦しむ一人の男を描いた「生れ出づる悩み」。どっちもストレートでなかなか良い。後者は美しくも畏れを抱いてしまう自然描写が見事。

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    2019年08月17日
  • 小さき者へ・生れ出づる悩み

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    小さき者よ。不幸なそして同時に幸福なお前たちの父と母との祝福を胸にしめて人の世の旅に登れ。前途は遠い。そして暗い。しかし恐れてはならぬ。恐れない者の前に道は開ける。

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    2016年02月04日
  • 小さき者へ・生れ出づる悩み

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    久しぶりに買って読んだ
    300円代でこれだけ楽しめれば、本を買うのも安いもんだ、と思った。置く場所は考えなきゃいけないけど。

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    2015年07月06日
  • 小さき者へ・生れ出づる悩み

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    ちょっと私には合わなかった…
    生まれ出づる悩み、も、後半、振り落とされた感じ。
    解説で、英語のような書き方?とあったので、そのせいなのかもしれない。

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    2015年04月05日