有島武郎のレビュー一覧

  • 小さき者へ・生れ出づる悩み

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    木本の想像以降が少し読みにくい小説ではあった。想像とは何か、同感とは?生と死、芸術と生活との関連など、問題は多岐にわたる。問題点としては、谷崎の『金色の死』とも重なる作品でもあったと思う。

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    2014年10月02日
  • 小さき者へ・生れ出づる悩み

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    ネタバレ

    『小さき者へ』は、母を亡くした子供に対して、
    母親の愛情を説き、生きることを肯定的に描く作品。
    自身の父として愛情を持って生き抜くことの決心も窺える。

    『生まれ出づる悩み』は老齢の主人公と青年の交流から、
    主人公がその青年の生活と夢(芸術家)の葛藤を空想し、
    その青年にエールを送る内容の作品。
    どちらもメッセージを、子供に対して送っている形をとりながら
    読者に訴える作風を取っている。

    『生まれ出づる悩み』のラスト。
    序盤で青年の乗る漁船がひっくり返った時も
    執拗に「死にはしない」という言葉を口にした青年が
    自殺を考える展開になった時は驚いた。
    唐突に感じるが、生活を取る人間が、芸術を志向し

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    2013年11月14日
  • 一房の葡萄

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    死や盗み、エゴなど、童話ではなかなか取り上げないようなテーマが深く掘り下げられている。
    「火事とポチ」に幼い頃の自分を見つけ、自己嫌悪に陥った。

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    2012年06月02日
  • 小さき者へ・生れ出づる悩み

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    ネタバレ

    久しぶりに温かくて、やさしくて、愛情に満ち溢れた文章に出会うことが出来た。
    これはお父さんのバイブル、というよりも大事な人を持つ全ての人々のバイブルになりえるだろう。

    愛の影には残酷な出来事がある。故に愛は深く、豊かなものになってくのだろう。

    押し付けない愛。それが有島の子供に対する愛なんだと感じた。

    「お前たちは遠慮なく私を踏み台にして、高い遠いところに私を乗り越えて進まなければ間違っているのだ。然しながら、お前たちをどんなに深く愛したものがこの世にいるか、あるいはいたかという事実は永久にお前たちに必要なものだと私は思うのだ。」

    また有島自身が愛する妻の死によって大きく成長した。そし

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    2012年05月04日
  • 小さき者へ・生れ出づる悩み

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    Kodama's review
    純文学は大の苦手ですが…。有島武郎さんも初めて読みました。著者は46歳の若さで自殺されてしまったようですが、この頃の物書きの人は本当に自殺が多いように思います。
    (11.10.14)
    お勧め度
    ★★★☆☆

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    2012年02月05日
  • 小さき者へ・生れ出づる悩み

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    『小さき者へ』は、母を亡くした幼子らに対する父親の真情吐露、『生まれ出づる悩み』は人生の真意(芸術)と過酷な現実(漁師)に混迷する男の苦悩。どちらも息苦しいまでの筆致。特に前者の作は、唯の男が“父”になることの姿かたちを明白に見せる。

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    2012年02月25日
  • 一房の葡萄

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    有島武郎は芥川と並んで、童話もうまい。中勘助のような文体を想起させる童話集だ。僕が高校3年生の時、「神奈川と文学」という授業を取っていて、有島が神奈川の出身だということで、その時に出会った作品。表題作である『一房の葡萄』を読んで、「おおお・・・いやぁ、言葉遣いがキレイだなぁ・・・」と、しみじみ思った。有島はこれらの童話を通じて、子どもたちに、子どもだからこそ、教えておかなければいけない「やってはいけないこと」を教示しているように思う。それは、読めば何となくでも分かると思う。この辺りが芥川の童話と異なる点でもある。

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    2011年07月31日