浜本隆志のレビュー一覧

  • 「窓」の思想史 ──日本とヨーロッパの建築表象論
    すごくザックリ言うと、ヨーロッパの窓は外敵を意識した閉じる窓、日本の窓は自然に開放した広い窓。ヨーロッパは押す、日本は引く。ヨーロッパは発信、日本は受信。窓だけでなくて、いろんなことにその思想が染み込んでいると。
    窓という建築のパーツそのものの本ではなく、窓を通した民俗的背景にだいぶページが割かれて...続きを読む
  • 「笛吹き男」の正体 ──東方植民のデモーニッシュな系譜
     阿部謹也『ハーメルンの笛吹き男』を読んだのはうん十年前のこと、伝説としての興味深さもあったし、中世ドイツの社会を丹念に追いかけるところが読み応えがあったとの記憶がある。

     本書は、「笛吹き男」は何者であり、また失踪した子供たちはどこへ行ってしまったのか、との謎を解明する前半部分と、ドイツ史を貫く...続きを読む
  • ナチスと隕石仏像 SSチベット探検隊とアーリア神話
    「隕石仏像」の詳細な解析・探求に期待したが、「隕石仏像」を入口にしたナチスドイツの人種政策論に拡散した感じを受けた。
    新書のボリュームでは、どれも中途半端になってしまった印象。
  • ナチスと隕石仏像 SSチベット探検隊とアーリア神話
    「アーリア人のルーツはチベットにあるのだぁ」

    アーリア人種主義を信奉したナチス親衛隊長官ヒムラーの妄想が暴走し、
    1938年にチベットへ探検隊を送り込んだ。その時、探検隊が持ち帰った
    とされる仏像についての論文が発表されたのが2012年。

    その素材はなんとっ!1913年にロシア連邦のトゥ...続きを読む