浜本隆志のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ドイツってどんな国?具体的には、ドイツ人ってどんな考え方が主流で達で名物はなにとか、ドイツ社会全般について知ることができる本。
冒頭にもあるが、ドイツに詳しい複数の識者が67個の話題を1冊の本としてレベルを合わせているのでとても読みやすい。
もちろん昨今のコロナ問題やロシア事情の影響で大きく変化したとこはあるが、例えばVWのディーゼル問題は入ってるので十分に新しい。教育や歴史観、難民の話、どれも生きた情報なので読んでいて面白い。
今後ニュースやドイツの話題を見るときに、ああ彼らの常識に照らし合わせたらこうなのかな?という想像ができたり、歴史や思想、文化について深く調べる入口として参考になるだろ -
Posted by ブクログ
すごくザックリ言うと、ヨーロッパの窓は外敵を意識した閉じる窓、日本の窓は自然に開放した広い窓。ヨーロッパは押す、日本は引く。ヨーロッパは発信、日本は受信。窓だけでなくて、いろんなことにその思想が染み込んでいると。
窓という建築のパーツそのものの本ではなく、窓を通した民俗的背景にだいぶページが割かれています。
導入部は非常に楽しく読めたのですが、終盤はウインドウズ(OS)とかモバイル機も窓だ、などという話に展開してしまって、強引さを感じました。日本が頑張れるぞ、ということを伝えたかったのかもしれませんが、本書の趣旨としては9章で終わってしまってよかったのでは。 -
Posted by ブクログ
阿部謹也『ハーメルンの笛吹き男』を読んだのはうん十年前のこと、伝説としての興味深さもあったし、中世ドイツの社会を丹念に追いかけるところが読み応えがあったとの記憶がある。
本書は、「笛吹き男」は何者であり、また失踪した子供たちはどこへ行ってしまったのか、との謎を解明する前半部分と、ドイツ史を貫く東方植民運動、就中ナチスの東方植民政策に光を当てる後半部分とから成っている。
1284年に起きた130名にも及ぶとされる子どもたちの失踪事件の謎を解き明かしていく著者の推理と論証はなかなか鮮やかであり、結構納得できるものだった。
また、直接繋がるものではないが、ナチスのレーベンスボルン(生命 -
Posted by ブクログ
「アーリア人のルーツはチベットにあるのだぁ」
アーリア人種主義を信奉したナチス親衛隊長官ヒムラーの妄想が暴走し、
1938年にチベットへ探検隊を送り込んだ。その時、探検隊が持ち帰った
とされる仏像についての論文が発表されたのが2012年。
その素材はなんとっ!1913年にロシア連邦のトゥバ共和国チンガー川
流域で発見された隕石であった。
胸に「卍」を抱いた仏像は、逆回りのカギ十字を掲げるナチスにとっては
チベット・ルーツ説を裏付ける貴重な発見でもあったのだろう。探検隊が
持ち帰ったのが本当であれば。
プロパガンダに長けたナチスが、これを利用しない手はないではないか。