渡部潤一のレビュー一覧
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天文学と考古学との分野間の関わりに焦点を当てた「古天文学」の概要について述べた本。
はじめにに「いにしえの人たちが星座をどのように眺め、何を見出してきたのか、歴史上の遺跡や個記録を手掛かりに読み解いてみる研究分野です」と、明確に書いてあり、テンション上がりました。
醍醐味だなと思った内容が、ピラミッドの東西南北を正確に測ると、少しずつずれており、いままではちょっとずつズレていることは何かで知っていましたが、実は歳差による天の北極の位置のずれを表した直線状に、それぞれのピラミッドの方向のズレが乗っていたので、古代エジプト人たちは星を使ってピラミッドの東西南北を計測していたことが考えれる、というもの。考古学者が決めれられるピラミッドの建造年はかなり幅がありますが、どの方向を真北(天の北極)としてピラミッドの方位を決めたかが分かれば、逆にピラミッドを設計した時の年が算出できるというところですね。少し残念だったのは、具体的な◎◎ピラミッドは、この方法であれば、何年前、という記載がなかったことですが、こういう融合領域の話はワクワクします。
そしてメインと言えるのが、キトラ古墳に書かれていた星縮図ですね。西暦384年±139年、キトラ古墳が作られたのは7世紀から8世紀なので、この星図ができてから200~300年たって、持ち込まれてきたものだろうということ。あと緯度は33.7度±0.7度ということで、長安、洛陽あたり(明日香も入るが当時の日本は天体観測はおこなわれなかったので違うだろうとのこと)、という推測が立つようです。詳細は本文を参照のこと。
古天文学が何に役に立つか、と言われればきっと役に立つことは少ないでしょう。しかし、知りたいから研究するというだけでいいんだよな、研究は、と思いつつ、続編を期待して閉じました。 -
Posted by ブクログ
国立天文台天文情報センター長(当時)による、太陽系を概観した著書。
現在宇宙について書かれた本は多いが、その大半は、宇宙の生い立ちや構造などの宇宙の全体に関わるものや、ハッブル望遠鏡によって明らかにされた宇宙の果ての姿に関わるものなどで、宇宙のスケールから言えばほんの芥子粒のような太陽系を扱ったものはあまり見かけない。
そうした中、著者は、2006年に、国際天文学連合「惑星定義委員会」のメンバーとして、冥王星を惑星から除外する決定に関わり、それにより本書の執筆を思い立ったという。
ガリレオ、コペルニクスの時代は、太陽に近い4つの惑星(水星、金星、地球、火星)と、その外側の2つの巨大ガス惑星(木星、土星)が太陽系と考えられていたが、18世紀後半に天体望遠鏡の発明により天王星が、19世紀半ばに星図の整備や天体力学の発展により海王星が発見され、1930年には写真技術の革新が冥王星の発見をもたらした。
そして、20世紀末の、写真に代る電子的な撮像技術であるCCD素子の発明は、冥王星と同じ領域に1,000~数十万個といわれる天体群(太陽系外縁天体)があることを明らかにし、それにより、冥王星は惑星から新たに定義された準惑星というカテゴリーに位置付けられることになったのだという。
大家族の中心にある“ストーブ”「太陽」、ストーブの周りを駆け回る「水星」、美しき女神の名を持つ“妹”「金星」、青色はぐれ星「地球」、身近にありながら謎の多い衛星「月」、不気味に赤く光る軍神「火星」、太陽系の空白地帯に位置する「小惑星と彗星」、太陽系惑星の王者「木星」、壮大な環を擁する妖しいまでの美しさを持つ「土星」、へそ曲がりの惑星「天王星」、内部からの発熱で予想以上に暖かい「海王星」、太陽系の果て「冥王星と太陽系外縁天体」のほか、『2010年宇宙の旅』で生命が存在する設定となっている、木星の衛星「エウロパ」、生命の存在する可能性が指摘される、土星の衛星「タイタン」などについて、最先端の天文学が解き明かした相貌が紹介されている。
(2011年1月了) -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
太陽系の果てに位置する九つ目の惑星、冥王星が、二〇〇六年の夏、惑星から外された。
だが、一体なぜ降格されたのか…。
今では準惑星として数えられる冥王星は、実は周辺に位置する多くの太陽系外縁天体の一つにすぎなかったのである。
電子撮像技術による観測の飛躍的な進歩、あるいは種々の惑星探査機の活躍により、次々と明らかになっていく太陽系の天体たち。
カラー写真23点と共に、壮大なる惑星たちの神秘的な相貌を最先端の天文学で解き明かす―。
[ 目次 ]
大家族の中心にある“ストーブ”―太陽
ストーブの周りを駆け回る走者―水星
美しき女神の名を持つ“妹”金星
青色はぐれ星―地球
身近にありながら謎の多い衛星―月
不気味に赤く光る軍神―火星
太陽系の空白地帯に位置するもの―小惑星と彗星
太陽系惑星の王者―木星
壮大な環を擁する妖しいまでの美しさ―土星
へそ曲がりの惑星―天王星
内部からの発熱で予想外に暖かい―海王星
太陽系の果て―冥王星と太陽系外縁天体
惑星の定義―なぜ冥王星は準惑星になったのか
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