沢村貞子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
初版が1988年で32年前に刊行されている。最近入社した職場の同僚と読む本の傾向が似ており話に上った一冊。半分強引に貸してくださって再読しました。
「家族と一緒にご飯を…」に胸がつまります。一人食卓の実家の母の食事風景がわびしく感じてしまいます。出来る限り寄り添いたいとつくづく思いました。
沢村貞子さんは有名女優で多忙を極めるなか、旦那さんの為に食卓を整えていました。大学ノートにメニューだけの記載で何十年と綴ってこられました。時々、エッセイが折り込まれています。昭和の風景がここにあります。誰かのために食事を作ることは大きな幸せと思いました。 -
Posted by ブクログ
本書は、沢村さんの子供時代の思い出、女学校時代や若手女優時代のこと、年を経てからの生活、料理、和服、日々の暮らしの小さな幸せなどが綴られています。
名の通ったベテラン女優でありながら、家事もそつなくこなし、贅沢しない質素な暮らしぶりがうかがえます。
質素ながらも食へのこだわりは強く、かと言って贅沢なものを食べるということではなく、旬のものを美味しく料理し、旦那様と美味しくいただく。バブルの時代も通り抜けながらも、飽食に染まることなく、「身の丈に合った暮らし」を貫いておられたようです。
私のお気に入りの一編は、「小さな内裏びな」。
家庭教師をしながら通う女学校の修学旅行でみつけた小さなおひなさ -
Posted by ブクログ
明治41年生まれ、名脇役、エッセイストとして活躍された方だそうです。
私は沢村貞子さんという方を全然知らなくて、そして生きた時代が少し被ってはいるけど彼女の基礎を作った時代と私とは全然違うのに、古さなんてものは全く感じなくて、こんなにも可愛らしく素敵だと感じる事が出来るという事に、驚いてしまいました。
「尊敬」というより、「憧れ」な感じ。
毎日を丁寧に楽しんで、ちゃんと美味しいご飯を作って食べて、身の回りを小綺麗にこざっぱりとして、くるくる動いてちゃんと休む。
その全ては、多分、「丁寧に」という事なのではないかしらと思う。
時短、簡単、手軽、効率、便利…なんていうモノが重宝されて、