あらすじ
女優業がどんなに忙しいときも台所に立ちつづけた著者が、日々の食卓の参考にとつけはじめた献立日記。工夫と知恵、こだわりにあふれた料理用虎の巻。〈解説〉平松洋子
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大変失礼ながら女優としての沢村貞子さんをわたしは知らない
黒柳徹子さんのエッセイ(オススメです!!)で愛する夫のために献立を考えていた、料理上手だったと記されていたから興味が湧き…
明治生まれで戦前・戦後を生き抜き、女優として活躍された作者さまだけれど
台所仕事にたつ作者さまは、季節を感じ、自分と夫の身体や好みを考える愛あふれる品の良い女性
作中にある献立をみると
気温やお天気まで記されているし、アプリなんて存在しない時代におやつに至るまで記されていて…あ〜なんて素敵な感性✨
時代は違うけれど、物価高に嘆かれていて、遠い存在の方なのに、身近に感じてしまった
素朴で愛らしい、安野光雅さんの表紙カバーも沢村貞子さんの人柄をあらわしている
素敵
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ほぼ、日々の献立が書いてある。
小話が少し。
丁寧な日々の献立。のり、とかかまぼことか、あぁそれだけでも一品か。むしろ品が良い感じがするなとか、この料理はどんな料理だろう。とか、作ってみようかな、とか。
昭和の時代はこういうのを多く食べていたんだなとか、天気や、気温・・
几帳面に綴られる確かな情報?で、想像が掻き立てられます。
健康的な献立。
時代(それとも沢村貞子さんのお宅だけ?)の空気感が感じられるのがいい。
料理が出てくる本と、昭和が好きな私(平成生まれ)にぴったりでした。
今で言う丁寧な暮らし、昔の人は自然にしていたのかな。
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衣食住に関することがどんどん便利に手軽になっていく時代だからこそ手間暇かけて、それすら楽しんで自分のこだわりを確立できたらいいなとこの本を読んで思った。
本の中に出てきた梅酢がとても美味しそうだった
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食の大切さ。食卓の大切さがしみじみ感じる一冊。
「住むところはこぎれいなら結構。着るものはこざっぱりしていれば、それで満足。(中略)いわばごく普通のつつましい暮らしをしている。ただ─食物だけは、多少ぜいたくをさせてもらっている。」
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「おいしいものとまずいものーー 人によって好みは違うが、口に入れた食物の値打ちを決めるのは、それぞれの味蕾だという」
食物の価値や美味しいかどうか、どれだけお金を掛けるか、そんなのは人それぞれ。感覚が合えば同調すればいいし、合わなければわざわざ否定する必要もなく、無視すれば良い。
沢村さんのこだわりの(決して高級品ばかりでない)献立が見られます。ゴールデンウィークに良い本を読むことができました。
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明治生まれの名女優の献立日記。鰹節削ってお出汁をとる…、ほかの女優さんが揚げ物は台所が汚れるから作らないと言ったのを、使わない台所なんてねえ、と思う貞子さん。
全てが素敵でため息ものだった。
出てくる料理で、食べてみたいのは、色々あるが、特に食べたいのは…うにと玉子を根気よく煎り上げて作ったものを混ぜた御飯…。
日本の芯のある一度決めたことはやり通す凛とした女性の姿はこれから何年も先に私の、
この本を読んだ人々の心にに永遠に刻まれることだろう。
到底真似は出来ないが、見習いたいと強く思った。
途中、黒柳徹子さんの著書「トットひとり」の沢村さんの章を再読、号泣。
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新潮文庫版で読みました。人の家の本当の毎日の献立なんて、実際はなかなか見ることができないものだけど、飾らない性格の沢村貞子さんだからこそ、また、毎日のお料理を大事にされていてそのままでも素晴らしい献立たちだからこそ、読んでいるだけで楽しかったです。料理が苦手だけど、いつかこんな風に食事と向き合えたらいいなーと思い、最近刊行された飯島奈美さんが再現されたレシピ集も買いたくなっています。
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愛してやまない1冊です。
残業の帰り道、この1冊にどれ程心を癒されたことか。
献立日記の名の通り、本書の大半は著者が26年間綴り続けた献立が載っています。26年ですよ。
年数だけでなく、その中身も圧巻です。主食から副菜、汁物まで、忙しい女優業でありながらこんなにも丁寧にきちんと毎日を送っていた人がいたなんて、とただ驚くばかり。
日々の暮らしを丁寧に扱う心意気が、ページを開く度にこちらにまで感じられて、それが忙しい日が続いてもなお「私も毎日を丁寧に過ごそう」と思い起こさせてくれたのです。
さて、そもそも私が本書を手に取るきっかけをくれたのは、平松洋子さん。
いわく、「献立日記は、沢村貞子にとって、自分の人生を全うするための心棒であった。それは、脇役女優として懸命に働き、たいせつにした夫婦の暮らしを守り通すための盾であったかもしれない。だからこそ、恬淡と綴られた献立日記はぴんと背筋を伸ばした気の張りを湛えている。それは、沢村貞子の生きかたそのものである」
書かれているあとがきも、素敵です。
本書に綴られているエッセイにはところどころ毒も混ざっていて、著者が聖人ではないことに安心します。
読んでいて感じるのは、世間の目よりも何よりも、自分がよしとしたものを、自分の軸できちんと判断して最後まで大切にする姿勢です。
献立を眺めるだけでもそれが感じられる。ため息がでそうなくらい、その生き様が凛々しくて。
同時に季節に即した献立リストは、何を作るか迷った時のヒントになる。ずっと大事にしようと思います。
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著者を知ったのは、某Eテレの番組をたまたま観たのがきっかけ。女優さんで忙しいのに随分マメな人だったんだなぁ。普通の日記じゃなくて、献立の日記って発想が面白くて手に取った。たまに「どうしてこの組み合わせになった!?」っていうのもあるけど、時代なのかな?
日記の間にあるエピソードを読んでいて、台所の大切さ、食事を作る時間の大切さを感じた。今の世の中、食事にも「タイパ」を求める時代。そんな今の時代に必要な部分な気がする。著者は大変な時代を生きた人だから余計そう感じる。
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初めの章より。
「美味しいものとのめぐり逢いには、運がある。」
このことを、口果報と言うそうです。
丁寧な言葉でつづられていて、時折り沢村さんのチャーミングなところも感じとれて愉しいです。
「毎日書くようになった献立日記の、本当の値打ちがわかったのは、二年あまり、たってからだ。」とあり、続けることの大切さが伝わってきます。
旬の食材の参考にもなりますね。
二十六年、大学ノートは通算三十六冊(「わたしの献立日記」は二十二年間)の日々の記録。
解説は平松洋子さんです。
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沢村さんの、毎日の献立日記。旬の食材をとりいれ、おいしく食べる工夫をこらした素敵な毎日の記録。豊かな暮らしについて考えさせられる。身の丈にあった贅沢。
NHKの番組と合わせてみると、芹沢銈介さんのカレンダーも見られるし、より楽しめそう。
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沢村貞子さんのことは今まで知らなかったのだけれど、沢村さんの文章の随所に、沢村さんの凛とした強さや考え方、チャーミングさが現れている気がして、読んでいて思わず口角が上がった。
演じている姿も見てみたいと思った。
献立日記、お芋やお豆さんがよく使われているなぁと感じた。あと、お魚やお味噌汁もかな。
何より、お料理に丁寧さを感じた。
毎日忙しい生活だっただろうに、料理にそれだけの手間をかけられる心持ちも素敵。
ー住むところはこぎれいなら結構。
着るものはこざっぱりしていれば、それで満足。(略)
食物だけは、多少ぜいたくをさせてもらっている。
イマドキでいうと、持たない暮らしってことになるのかな。そういう生き方、かっこいいな。
最後、平松洋子さんの解説に、
ご夫婦での暮らしを大切にされてきた沢村貞子さんの姿を垣間見た気がして、じーんときた。
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日々の食事で大切にしている事、美味しく食べる工夫など、料理をする人にとって共感できるところが多々あった。献立のページも面白かったが、エッセイももう少し読みたいと思いました。筆者の他の作品も探してみようと思う。
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恥ずかしながら、洗い物がめちゃくちゃ嫌いなので、「汚したものはきれいにかたづけておかないと、次の日、素敵なご馳走がつくれないでしょ、」をキッチンに貼っておこうと思った。
ここまで手をかけた料理はできないけど、ちゃんと自分でつくって食べる、を上手にできるようにしていきたい。
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丁寧に食卓を整えることの尊さ、それを毎日当たり前にやりつづけた、この女優沢村さん尊敬します。
時々挟まれる、俳優さんたちとの、こぼれ話は想像がふくらみ楽しみました。
梅酢は仕込み、ご飯は酸素たっぷりによそりと、すぐに真似できる事も。
口果報(くちかほう)なんて耳ざわりのいい言葉も、今日(こんにち)さまに申し訳なくて気がひける、という気持ちも、改めて自分の身につけられたら、と思います。
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表紙の絵に惹かれて、読みはじめました。
祖母のつくってくれる色んなものを思い出しました。
そして、沢村さんのお料理をごちそうになりたいなと思いました。
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初版が1988年で32年前に刊行されている。最近入社した職場の同僚と読む本の傾向が似ており話に上った一冊。半分強引に貸してくださって再読しました。
「家族と一緒にご飯を…」に胸がつまります。一人食卓の実家の母の食事風景がわびしく感じてしまいます。出来る限り寄り添いたいとつくづく思いました。
沢村貞子さんは有名女優で多忙を極めるなか、旦那さんの為に食卓を整えていました。大学ノートにメニューだけの記載で何十年と綴ってこられました。時々、エッセイが折り込まれています。昭和の風景がここにあります。誰かのために食事を作ることは大きな幸せと思いました。
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料理名の羅列ページは単調で眠気に襲われたりもしましたが、沢村貞子さんの献立のとり合わせは絶妙で参考にしたいものばかりです。特に朝食のサラダがフルーツいっぱい具だくさんで斬新でした。あと、自家製の梅酢とぬか漬けはいつかトライしてみたいです。
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もともとは料理メモとして書かれた献立日記が、結果として日々の生活の記録になる。高価でなくとも、量は多くなくとも、日々料理し食する確かさ。子供が居らず、夫婦二人で老いていく、その日々を想像しながら読んだ。
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ネットで注文したので、中身を確かめられなかったので実際、読んでみると思ったより献立のページが多かった。
彼女の当時の年齢にしては、洋食も多いとも思った。その後、段々と脂っこいものは減っていくのだけれど。
平松洋子さんのあとがきを読んで少し悲しくなる。夫が亡くなった後は日記は二度と開かれなくなったという。
できれば、実際の手書きの日記の写真とかも見てみたかった。
2015.11.20
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女優をされながら、日々このようなお料理を用意されていたことに驚く。シンプルだけど、美味しそうで、なかなか自分では思い付かない毎日の献立。何作るか迷ったときに、パラパラとめくってみてもかなり参考になると思った。
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「読み終わったからあげるわ」と義母から受け取りました。
この本は、著者が書き留めた、日々の三食の献立を記したものです。時々、食にまつわるエッセイが出てきます。
日々の献立の羅列から、旬のもの、主菜と副菜のバランス、日々、手抜きすることなく暮らしている生活がとてもよく伝わってきます。
女優業というある意味不規則で体力勝負なところがある大変な仕事をこの食事で乗り切ってきたのだなと感じ、またこの食事が健康の秘訣の一つなのだろうと納得できました。
サラダ一つとっても、その中身が野菜が何種類も入っている。
自分が立てている(…というか行き当たりばったり的な)献立に
反省。
体は食べたものでつくられているのだから、もっと自分に優しくしてあげないといけないな…と思います。
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毎日を丁寧に生きていた方なんだろうな(*^^*)
洋食はあまり出てこず、いわゆる和食が基本。
私もこうありたい!
お裾分けはお福分け
って素敵な言葉です
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26年間、大学ノートに毎日記した沢村貞子さんの献立日記は通算36冊に及びます。「わたしの献立日記」、1988.12刊行、1997.3文庫、2012.9再刊。しじみの味噌汁、いんげんのおひたし、かぼちゃの甘煮、かますの干物、いわし丸干し・・・、頻繁に登場してます。解説は平松洋子さん。「一度決めたことだから」と。この献立日記から、身の丈に合った暮らし、ほどのよさが伺えると。この献立日記は、沢村貞子さんの人生を全うするための心棒であった。
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明治生まれの沢村貞子さんがただただ献立を書き記したものに、食にまつわるエッセイをプラスした一冊。明治、大正、昭和、平成。時代の雰囲気は献立から感じられないが、相対的にお魚は多め。明治女や老女といった表現もあるが、過去にこだわることもなく、便利なものは上手に使いこなしていて、柔軟な女性だったんだなと察せられる。家人との食事を楽しんでいる姿はそこにある。女優と両立させることは大変だっただろうに、楽しんでいる様子が好ましい。