沢村貞子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
往年の脇役女優だった沢村貞子さんによるエッセイ集。リアルタイムで見た記憶がないのだが、ドラマで姑役といえばこの女優さんという感じだったらしい。
戦前生まれで厳しい時代を生き抜いてきた人。本書には書かれていないが、3回結婚しており、戦後には左翼活動で投獄されたこともあるようだ。
本書のテーマは、今風に言うと「丁寧に暮らす」ということだろうか。彼女の女優としての心構え、それ以上に日常生活をいかに自分が納得できるように作っていくかということが書かれている。女優だからと浮ついたところが全くないのがすごい。日常に着物を着ることについても書かれていて、そういえば私の祖母もそうだったな、と思い出した。着物は -
Posted by ブクログ
「読み終わったからあげるわ」と義母から受け取りました。
この本は、著者が書き留めた、日々の三食の献立を記したものです。時々、食にまつわるエッセイが出てきます。
日々の献立の羅列から、旬のもの、主菜と副菜のバランス、日々、手抜きすることなく暮らしている生活がとてもよく伝わってきます。
女優業というある意味不規則で体力勝負なところがある大変な仕事をこの食事で乗り切ってきたのだなと感じ、またこの食事が健康の秘訣の一つなのだろうと納得できました。
サラダ一つとっても、その中身が野菜が何種類も入っている。
自分が立てている(…というか行き当たりばったり的な)献立に
反省。
体は食べたものでつくられて -
Posted by ブクログ
本書は子供の頃の話から始まり、家庭教師をしながら通った女学校・大学時代、劇団時代、そして女優になってからの話に続きます。お料理の話や着物の話にはそれぞれ一章ずつ割き、最後に、年齢相応の生き方の話で締めくくられます。
明治の生まれでありながら、大学で学んだせいか、とても先進的な女性だと思いました。それでありながら、女優の仕事をしながら家事もしっかりこなし、愛する旦那様のお世話を甲斐甲斐しく焼いておられました。
「子供の頃から家事を仕込まれた」らしく、お手伝いさんはいたものの、家にいるときは家事はしっかりこなしたようです。特に食へのこだわりは強く、お料理の腕前はかなりなものだったよう。毎日の献