あらすじ
贅沢はしないけれど、食卓には心づくしの料理を並べる。常にこざっぱりとして自分に合った装いを心がける。そして、まわりの人に優しく、でも嫌なことは嫌といい、心ゆたかに生きるには? 下町育ちの気風のよさで知られた名女優・沢村貞子が折々に綴った、日々の暮らしの楽しみ、浅草の人々の思い出、夫への愛情、老いへの心構え――。珠玉のエッセイ集が、待望の復刊。
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Posted by ブクログ
沢村さんや、そのお母さんたちがいまの世界を見たら、卒倒ものだろうな…
拍車がかかった大量生産に大量消費。人情の欠けらもない冷たい人々。
昔はよかった…じゃないけど、もう少し温かみが戻ってきたらいいのになと思う。
わたしも沢村さんやお母さまのように、日々の幸せといっしょに暮らしている人への心遣い、持ちすぎないように生きていこう。
この本を読みながら、とりあえずは本棚の整理をして、蔵書をかなり減らした。
滞留させずに回していこう。
Posted by ブクログ
大好きな作家さんの文庫が
新装版で出た時は
再読(再再読)のチャンスですよね
沢村貞子さんのエッセイを読んだあとに
「男はつらいよ」を楽しむ
寅さんの科白を堪能したあとに
お貞さんのエッセイを楽しむ
どちらも 極上の一日に
してもらえます
Posted by ブクログ
本書は、沢村さんの子供時代の思い出、女学校時代や若手女優時代のこと、年を経てからの生活、料理、和服、日々の暮らしの小さな幸せなどが綴られています。
名の通ったベテラン女優でありながら、家事もそつなくこなし、贅沢しない質素な暮らしぶりがうかがえます。
質素ながらも食へのこだわりは強く、かと言って贅沢なものを食べるということではなく、旬のものを美味しく料理し、旦那様と美味しくいただく。バブルの時代も通り抜けながらも、飽食に染まることなく、「身の丈に合った暮らし」を貫いておられたようです。
私のお気に入りの一編は、「小さな内裏びな」。
家庭教師をしながら通う女学校の修学旅行でみつけた小さなおひなさま。進学を考えていたので財布の紐をかたくしていたけれど、どうしても欲しくて思い切って購入。戦災をくぐり抜け、それからはお節句の時期以外も飾っていた。
という話。