佐木隆三のレビュー一覧
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高度成長期の日本を震撼させた。連続殺人鬼、榎津巌。78日間の逃亡劇から、逮捕、裁判、死刑執行までの一人の殺人犯のノンフィクションノベル。
モデルは、西口彰事件。(昭和38、39年)
こちらは改訂版で、当時30年ぶりに全面改訂され出版されたもの。
最初の殺人事件から、全国を転々とし、その間、大学教授や弁護士などと偽り、各地で詐欺を働きながら逃亡生活を切り抜ける。
かなりの取材をされているのでしょう。詐欺の手法から、被害に遭った人達の人柄から生活まで、丁寧に時間を追いながら書かれている。
あくまで、事件そのものを追う。ノンフィクションということに重点を置いたためか、犯人の心情や行動動機などは、よく -
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【2023年89冊目】
本編を読み終わってから、「これ、実在の人物を元にしてるんか」とわかり、ちょっとびっくりしました。どうりで、刑務所での心得とか、ものすごく詳細に載ってるなとは思ったんですよね。9割ノンフィクションで、若干フィクションも入れてるのかな、くらいの話。
なんというか、認められないという辛さをものすごく突きつけられる話で、途中まで結構精神的にやられてました。信用しようとしてる人、したい人、してる人に揃いも揃って冷たくあしらわれるの、病みそう〜。
最後は「え、ここで終わるの?」と思いましたが、補遺を読んで納得といえば納得でした。補遺の文体がバラバラしてるのはどうにかならなかった -
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近代小説の原型は、一人の無名の主人公、つまり新しい人間、いわば真っさらな人間が、われわれが生きているこの現実、この社会、この日常世界の中へと、一歩ずつ強引に分入って、踏み進んで行くところを描くものだ。だから、行動があり、事件が生じ、性格が発揮される。
その結果、第一に、人間とはどういう生き物なのか、どういう存在なのか、ということについての新しい視点を得る。
第二に、真っさらな新しい人間の眼で見るために、われわれがこの自分の皮膚のように馴染んでいると思っている「日常」にも、意外に鋭いぎざぎざの断面があって、傷付けることなしには容易に人を受け容れないのだ、という新しい視点を得る。
事実、こ -
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昭和・平成にわたって世の中を騒がせた
いや、世間が騒いだ18件の殺人事件を
裁判傍聴業などして、ずっと取材してきた作家が
ノンフィクションなど自身の過去の作品にからめて振り返っている
一章から一八章まで
わたしが記憶しているものもいくつかあり
たとえば
場所は千葉、女医の妻殺人の医師藤田正
金沢の老舗菓子舗のおかみになっていた福田和子
連続幼女誘拐殺人の宮崎勤
和歌山毒カレー事件の林真須美
オーム真理教事件の浅原彰晃
大阪池田小大量殺人事件の宅間守
などなどの18件のおぞましくやりきれない殺人事件の犯罪者の人物
その後の顛末や詳細を冷静に簡潔に書いてある
フィクション -
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星3.5
久しぶりの佐木隆三さん。
殺人百科もそうだけど 1人の犯人についての分量が少ないので さらっと読めるけど 物足りない部分もあり。
むかし 死刑囚ものをたくさん読んでたときに 手記を読んだ死刑囚もいて その時は知らなかった前科前歴を今回初めて知って 今更ながら 自分の甘さに気がついたっていうか。
最近の事件はちょっと変わってきてるけど その当時は 確かに罪は重いけど そこに追い込まれた犯人の事情も重いものがあったり そこで一線越えてしまう犯人とわたし自身って そこまで大きく違わないんじゃないかとか 警察の捜査の仕方もどうなの?とか いろいろ考えて。でもやっぱり手記って 客観的じゃない部 -
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佐木隆三と言えば『復讐するは我にあり』が真っ先に浮かぶ。
この作品は原作よりも映画を先に観た。映画を観て大分経って
から原作を読んだ。
犯人が中華料理店に立てこもり、パンツ姿で逮捕・連行された
『深川通り魔殺人事件』は事件自体のインパクトも大きかったが
作品で綿密に描かれた犯人の「電波に憑りつかれている」と
の言い分に、やりきれないものを感じた。
大事件の裁判になると必ずと言っていいほど佐木氏のコメント
が報道される。ご自身が「作家・裁判傍聴業」と名乗っている
ほど、裁判傍聴歴は半世紀にもなる。
その裁判傍聴半世紀の間に出会った18の事件の回顧録が本書。
それぞれの事件への考察というより -
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ネタバレ18名の殺人者たちを取り上げ、その取材方法からインタビュー内容、佐木さんが感じ取ったそれぞれの事件に対する思い。
それらが1冊にまとめられた本。
「復讐するは我にあり」が初めての犯罪小説だと思っていたけれど、佐木さんはそれ以前に「偉大なる祖国アメリカ」という本を書いていた。
沖縄で起きた少女殺害事件を扱った小説らしい。
多分にフィクションも入っているようだけれど、根幹を成す部分は取材に基づいているようだ。
残念ながら取りあげられた事件の多くをリアルタイムでは知らない。
けれど、犯人の多くが「自分は理不尽な扱いを受けている」と感じているところが興味深かった。
世の中には思うようにならないことが多 -
- カート
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試し読み
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ノンフィクションノベル。
林郁夫の逮捕から供述、そして彼に関わる裁判が描かれている。
不思議なのは、2008年初版の文庫本なのに、現時点で再版されていない?ということ。
なので中古で購入。
この話を読む限りでは、否定しきることの出来る人物ではない。
救いたいという思いがあったけれど、事件の被害者には救われたいという思いはなかった。それが単なる殺戮でしかないことに、遅れながらも彼は気付く。
自分が救われたいと願うことより、誰かを救ってあげたいと願うことの方が余程危険なのではないか。
先日読んだ『アンダーグラウンド』も三回読んだと書いていた。読まなければならないものであった、と。
こういう -
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現代社会のゆがみが引き起こした犯罪。罪を問われる被告人は、裁判では孤立無援の存在となる。そこで温情あふれる若き判事補が婚約者の応援を得て事件を解明していく。叡智と温情で裁く連作裁判小説集。
1995年の刊行。親本は1992年の刊行。
現実の事件にヒントを得たまったくのフィクションであるというが、確かに何処かで聞いたようなネタである。著者は、連載途中から全国の裁判を傍聴して回るようになったという。現在、傍聴マニアの存在が知られ、各種傍聴記録が作品として出版されていることをみると隔世の感もある。小説の中で、法廷でのメモを禁止される件があるが、現在は当たり前になっている事柄は、実が当たり前では