佐木隆三のレビュー一覧
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佐木隆三『証言記録 沖縄住民虐殺 日兵逆殺と米軍犯罪』徳間文庫。
1982年に徳間文庫から刊行されたノンフィクションの新装版。
佐木隆三が実際に沖縄に暮らしながら、沖縄住民の証言を集めたノンフィクションである。
読んでいて怒りが込み上げて来た。
戦後80年、石破茂がアメリカを同盟国などと言っているが、安保条約の名の下に未だにアメリカによる日本の一部領土支配が続いているし、ロシアによる北方領土の不法支配も続き、領土返還は果たされていない。そういう点では、日本は未だに戦時中であると言っても良いのではないだろうか。
ベトナムに派遣された米軍兵士の数は50万人で、沖縄はベトナムの4分の1の -
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読み終わったあとにノンフィクションと知って驚愕。
身分帳の後ろに収載されてる行路病死人を読んでるうちに、あれ?っとなり少し混乱した。まさかノンフィクションとは。
無知も甚だしく恥ずかしいのだが、「復讐するは我にあり」という名前は聞いたことがあったが佐木さんの作品だった。またこの身分帳は西川美和監督の元で映画化されている(アマプラで見れる)2020年、超最近である。
複雑な気持ちが交差してなかなか言葉にはできないが。戦後親から捨てられ孤児院に馴染めず悪い道に入っていく過程、獄中での生活態度、自分の主張は何があっても曲げられず執拗に自分の中の正義を正そうとするところ等々。読んでて苦しい。幼少 -
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映画「すばらしき世界」を観て、原作を読みたくなった。
映画とは違い、もう少し多く主人公の出所後の生活が描かれており、小説の世界を楽しむことができた。
生きづらさという点において、前科者であるからということより、この主人公の性格が占める部分が大きいのだろうが、育った環境や境遇のせいもあり同情する部分は少なくはない。
最後に追加されている「行路病死人」では、主人公のモデルとなった人物のリアルな部分を知ることができ、小説の主人公よりもヤクザものであったのではないかという印象を持った。
おそらく自分の人生では関係を持つことはないであろう世界の人の話で面白かったと同時に、実際にそのモデルとなった人物 -
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佐木隆三によるノンフィクション・ノベル。1990年に単行本が刊行、93年に文庫化されたが、絶版状態になっていた。
2020年に西川美和監督による「すばらしき世界」の原案とされたことを受けて、同年、復刊された。
20年発行のこの文庫版には、本編の他、後日談にあたる『行路病死人』、文芸評論家による解説に加えて、西川が復刊にあたって寄せた一文も収録されている。
舞台は昭和61年2月。
男がいる。受刑10犯である。13年という長い年月を獄中で過ごした男が出所する。東京の弁護士が身元引受人となる。男は極寒の旭川から列車に乗って東京に向かう。
最初の事件は「はずみ」のようなものだった。キャバレー店長をし -
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たまたまTVでドラマ版見て(柳葉敏郎)実話ベースということに驚き、その後 映画版見てからの読書。
復讐するは我にあり(新約聖書 ローマ人への手紙12.19) 。というフレーズにある「我」は神でなく自分自身のことだとこの犯人は思い込んでいた。という一説をどこかで目にしたような記憶があったけど、これは私の思い違いであろう。犯人はカトリック信者だったので、いくら信仰から離れた生活をしていたといっても、幼いころにどこかでこれは耳にしていると思うし、一連の犯行は復讐とは関係ないものであるから。
(余談ですが、「ローマ人への手紙」の「人」は「ひと」ではなく「びと」)
大人は誰も気が付かなかったのに( -
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佐木隆三『沖縄と私と娼婦』ちくま文庫。
1970年に刊行されたルポルタージュを文庫化。日本に返還される前の沖縄に佐木隆三自らが数年間滞在し、アンダーグラウンドから沖縄の今を描いた名著。
日本でありながら米国の植民地であり続ける沖縄の現実は今もなお続く。米軍基地がある限り、日本政府が自国として沖縄を完全に受け入れない限り、日本政府が米国を排除しない限り、植民地支配は続く。その原点とも言うべき統治支配下の1960年代の沖縄が生々しく描かれている。
世界の警察を名乗り、自国の利益ばかりを追求するテロ国家による様々な国の悪魔的支配に終止符を打てる政治家は居ないのだろうか。
本体価格800円
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