佐木隆三のレビュー一覧

  • 証言記録沖縄住民虐殺 日兵逆殺と米軍犯罪〈新装版〉

    Posted by ブクログ

    佐木隆三『証言記録 沖縄住民虐殺 日兵逆殺と米軍犯罪』徳間文庫。

    1982年に徳間文庫から刊行されたノンフィクションの新装版。

    佐木隆三が実際に沖縄に暮らしながら、沖縄住民の証言を集めたノンフィクションである。

    読んでいて怒りが込み上げて来た。

    戦後80年、石破茂がアメリカを同盟国などと言っているが、安保条約の名の下に未だにアメリカによる日本の一部領土支配が続いているし、ロシアによる北方領土の不法支配も続き、領土返還は果たされていない。そういう点では、日本は未だに戦時中であると言っても良いのではないだろうか。

    ベトナムに派遣された米軍兵士の数は50万人で、沖縄はベトナムの4分の1の

    0
    2025年07月22日
  • 身分帳

    Posted by ブクログ

    読み終わったあとにノンフィクションと知って驚愕。

    身分帳の後ろに収載されてる行路病死人を読んでるうちに、あれ?っとなり少し混乱した。まさかノンフィクションとは。

    無知も甚だしく恥ずかしいのだが、「復讐するは我にあり」という名前は聞いたことがあったが佐木さんの作品だった。またこの身分帳は西川美和監督の元で映画化されている(アマプラで見れる)2020年、超最近である。

    複雑な気持ちが交差してなかなか言葉にはできないが。戦後親から捨てられ孤児院に馴染めず悪い道に入っていく過程、獄中での生活態度、自分の主張は何があっても曲げられず執拗に自分の中の正義を正そうとするところ等々。読んでて苦しい。幼少

    0
    2024年11月24日
  • 身分帳

    Posted by ブクログ

    映画を見て原作が気になり購入。
    本全体が読みやすい。原作と映画を比較することでどのように現代版として馴染ませたのかが分かって興味深い。
    個人的には後半の「行路病死人」が面白かった。

    0
    2024年06月23日
  • 身分帳

    Posted by ブクログ

    とても不器用な生き方をしている主人公。でも、憎めないキャラクターで、私自身は嫌いではないかも。
    もっとうまく立ち回れないものかなぁと、ヤキモキしながら読み進めました。
    役所広司さんが好きで映画も先に見ましたが、本の方が好きかも!

    0
    2024年02月27日
  • 沖縄と私と娼婦

    Posted by ブクログ

    イデオロギーや隷属意識の視点ではなく、明日への生活の糧を得ようとする低所得者の奮闘から社会を俯瞰してみる。本土復帰前の沖縄と地元住民への偏見や差別の冷遇は、現代もなお政府を筆頭に温存されている。本土の人びとが異議を唱える覚悟は未だ少なく、臭いモノ扱いとして看過しようとする。そんな無関心に解決の糸口などなく、課題を次世代に押し付ける無責任こそ日本の伝統となっている。スゴクナイ日本。

    0
    2024年01月09日
  • 身分帳

    Posted by ブクログ

    映画を先に観て良かったので本も読んでみました。
    西川美和監督がこんなに面白い本が絶版状態にあるとはと書かれていますが、本当に面白く一気に読み終えました。
    主人公である山川一さんは再犯を繰り返し、出所後も上手く世間とは関われません。
    真面目で几帳面、人情に厚く、礼儀正しく優しくもあり、とても魅力的な人です。
    そんな裏表のない彼の周りには人が集まります。
    ですが曲がった事が許せない性格だからか中々思うように事が運びません。
    その生き様に目が離せなくなります。
    映画と本、両方ともおすすめです。

    0
    2023年08月26日
  • 身分帳

    Posted by ブクログ

    映画「すばらしき世界」を観て、原作を読みたくなった。
    映画とは違い、もう少し多く主人公の出所後の生活が描かれており、小説の世界を楽しむことができた。
    生きづらさという点において、前科者であるからということより、この主人公の性格が占める部分が大きいのだろうが、育った環境や境遇のせいもあり同情する部分は少なくはない。

    最後に追加されている「行路病死人」では、主人公のモデルとなった人物のリアルな部分を知ることができ、小説の主人公よりもヤクザものであったのではないかという印象を持った。

    おそらく自分の人生では関係を持つことはないであろう世界の人の話で面白かったと同時に、実際にそのモデルとなった人物

    0
    2023年01月18日
  • 身分帳

    Posted by ブクログ

    社会的に”ダメ”なひと。世の中への抗いと自分自身との葛藤と生きてるんだなぁ。光が見えたあとの結末がさみしい。

    0
    2022年12月24日
  • 身分帳

    Posted by ブクログ

    戦争が無ければ、違う人生だったかもしれない。
    何事にも、一途に真っ直ぐに生きてきた人。その人生な向かいあって、一冊の本にした作家。その他様々な人たちが、取り巻きながら、本当に生きたと言えるかも。仮想の力が無けれ生きて行けない現代人は、生きていると言えるのか。

    0
    2022年11月26日
  • 身分帳

    Posted by ブクログ

    ほんの少し何かが変わればこんな人生にならなかったのではと思われる。
    ほんの少し何かが変われば誰もがこんな人生になる可能性がある。

    無難に生きることは簡単なのか難しいのか…

    0
    2022年10月02日
  • 身分帳

    Posted by ブクログ

    人生のほとんどを獄中で過ごした山川一。
    刑期満了で出てきてから、色々な人に支えられながら過ごす日々。

    淡々と『山川一』を読む。
    読むうちに熱くなっていきます。
    優しい人たちに支えられて、時には真面目で頑張りすぎるために空回りする。

    身分帳の後に書かれている『行路病死人』は、山川一が亡くなった後のストーリーとなります。
    これも…感動しました。

    必ず『すばらしき世界』観ます!

    0
    2022年04月03日
  • 身分帳

    Posted by ブクログ

    淡々と進む書き方が逆に新鮮。犯した犯罪はともかく、まっすぐすぎて社会に馴染めない主人公が他人とは思えない。

    0
    2022年02月25日
  • 身分帳

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    殺人罪で刑務所の服役を終えた山川の出所後の人生。
    山川の人となりや考えかた、人との交わり方を深く鮮明に描き出していて迫力がある作品でした。
    著者が他人を描くのにこれほど迄に山川になりきれるものなのか?と思うくらいに様々な場面で山川の心情がこちらにも伝わってきました。
    ただ最後がこの終わり方?九州に就職の面接に行くのに、大家から立ち退き料を貰い、借金を返そうとする場面で終わり?
    どうやって収集をつけたら良いのか分からない終わり方だった…。

    0
    2021年12月28日
  • 身分帳

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    すごく面白かった。復讐するは我にありよりこっちの方が断然好き。札幌高裁の人が偲ぶ会に来たところで何故かめっちゃ泣けた。佐木隆三さんは本当にすごい。
    西川美和さんよ本当にありがとうと思う。映画も観たい。

    0
    2021年12月27日
  • 身分帳

    Posted by ブクログ

    佐木隆三によるノンフィクション・ノベル。1990年に単行本が刊行、93年に文庫化されたが、絶版状態になっていた。
    2020年に西川美和監督による「すばらしき世界」の原案とされたことを受けて、同年、復刊された。
    20年発行のこの文庫版には、本編の他、後日談にあたる『行路病死人』、文芸評論家による解説に加えて、西川が復刊にあたって寄せた一文も収録されている。

    舞台は昭和61年2月。
    男がいる。受刑10犯である。13年という長い年月を獄中で過ごした男が出所する。東京の弁護士が身元引受人となる。男は極寒の旭川から列車に乗って東京に向かう。
    最初の事件は「はずみ」のようなものだった。キャバレー店長をし

    0
    2021年11月04日
  • 身分帳

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    3.7点


    映画すばらしき世界からこの原作を知った。
    原作はモデルを元に事細かく描写していて、映画を観て更に深く知りたい自分にはよかった。
    ただ、細かい分乱雑な印象がありまとまりに欠ける。
    その点では映画版は現代にうまくアレンジし、きれいにまとまっている。
    巻末の西川監督のコメントも良かった。

    0
    2021年10月18日
  • 身分帳

    Posted by ブクログ

    役所広司が主役を務めた映画の脚本家のあとがきで、今は刑務所ももうこの当時の監獄法は改正されて、モデルになった田村さんという人からみれば信じられないほどの“好待遇”なんだそうだ。だからといってもちろん入りたいわけではないが、入ってしまったら、出てきてからの人生が並大抵では普通には送れなくなることは変わらないんだろう。
    たしかに、もっと融通効かして少し折れることができるなら、もっと楽に行けるのにという感じはなくはないが、こういう人は少なからず居るし、自分にもそういう部分はある。
    弁護士でもないし、ケースワーカーでもない自分にも何かできることはあるのかどうか、考えてみたいと思った。

    0
    2021年09月17日
  • 身分帳

    Posted by ブクログ

    こればかりは購入しました。

    西川美和監督の、すばらしき世界、観たかったけど、行けなかったから。

    山川の人生。無骨で真っ直ぐで、
    うまいことできない人生。
    それだけに、人の心を、私の心をうつ人生。

    0
    2021年09月04日
  • 身分帳

    Posted by ブクログ

    読み応えありです。若い頃、映画館で「復讐するは我にあり」を観ました。震えました。緒形拳さん演じる主人公が場当たりに殺人を犯して、日本中を逃げると言うストーリー。緒形拳さんの演技が脂が乗り切っていて、凄い。その後、この物語にモデルがいることを知りました。その時に原作を読もうと思いましたが、なんだか怖くて読めませんでした。今回初めて著者の作品を読みました。キッカケは西川美和さんにより映画化されたと言うことです。著者のイメージは犯罪者と真摯に向き合い、数多くの裁判を傍聴した小説家と言うイメージ。前置きが長くなりましたが、面白かった。人生の大半を少年院・刑務所で過ごした主人公が、更生を誓い、それを応援

    0
    2021年08月30日
  • 復讐するは我にあり

    Posted by ブクログ

    たまたまTVでドラマ版見て(柳葉敏郎)実話ベースということに驚き、その後 映画版見てからの読書。

    復讐するは我にあり(新約聖書 ローマ人への手紙12.19) 。というフレーズにある「我」は神でなく自分自身のことだとこの犯人は思い込んでいた。という一説をどこかで目にしたような記憶があったけど、これは私の思い違いであろう。犯人はカトリック信者だったので、いくら信仰から離れた生活をしていたといっても、幼いころにどこかでこれは耳にしていると思うし、一連の犯行は復讐とは関係ないものであるから。 
    (余談ですが、「ローマ人への手紙」の「人」は「ひと」ではなく「びと」)

    大人は誰も気が付かなかったのに(

    0
    2020年07月01日