渡辺努のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
『物価とは何か』の著者による。二冊読めば更に理解が深まる。タイミング的にコロナ禍の終盤の出版であり、コロナ禍の経済影響についての考察はリアリティがあって分かりやすい反面、若干の古さが惜しい。それがあっても尚、有益な本だ。
アメリカではパンデミック初期の景気悪化によりレイオフが急増したが、経済再開が進むうちに次第に求人は回復していた。それにもかかわらず労働者が現場に戻ってこなかった。理由は、母国に帰った移民や退職を早めた老人など。こうした自発的離職の増大は人手不足を齎した。これがパンデミック2年目にアメリカにインフレを引き起こした原因だと著者は解説する。
インフレ率と失業率の相関を示すフィリ -
Posted by ブクログ
前作の「物価とはなにか」も大変面白くタメになった本であったが、こちらは今世界で起こっているインフレの解説と、本作発売時(昨年秋)の日本のデフレ状態から、どのように脱却するかの処方箋がより分かりやすく解説されている。
本作では、今回の世界的インフレが需要過多でなく供給不足にある新しい形である事が、その対策を難しくさせている事を指摘している。このくだりは中々説得力があり、これゆえに米欧のインフレは収束に手間取る可能性が高いのかもしれない。
今現在TMFを多少買っている私は損切りも検討しないといけないかもしれない。昨年秋発売時にすぐ読んでいればよかった・・泣き
日本だけインフレがおきない状態か -
Posted by ブクログ
著者がこの本の一年後に書いた本「世界インフレの謎」を先に読み、今この本に追いついた。先日受けたセミナーで、参考書の1つとして取り上げられていた。物価だけではなく経済学全体について理解を深められる本。世界インフレの謎に比べるとぐっと難し目の記述だけれど、学者が一般人の目線に頑張って合わせて書いてくれているのがよく分かる。物価の蚊柱理論は目からウロコ。
知性が集める経済学界も、まだ理解しきれていない問題がふんだんにあり、中央銀行含めトライアンドエラーを継続している状態。例えば、中央銀行が政策内容をオープンにして市場と積極的にコミュニケーション始めたのは1990年代からとごく最近。それ以前は何を考 -
Posted by ブクログ
まさに「物価とは何か」に対して、日銀、大学教授、民間企業でのエコノミスト等のキャリアをバックに解説。
経済の勉強などしたことがない自分にとっては、難しくついて行けない部分があったにせよ、物価変動のメカニズム、インフレとデフレはどちらが厄介な問題か、日本の長過ぎるデフレの原因や特徴、そしてどんな解決策が考えられるか等、とても勉強になった。
以下はなるほどと思った一部。
個々の商品の価格の変動は、物価の動きとは別物で、インフレ・デフレは個々の商品の値段が上がったり下がったりするから起こる、というものではない。
物価の動きを決めているのは、貨幣への需要と、その背後にある貨幣の魅力。だから、なぜイン